歩き遍路に出るためのホップ(座学)も、今日の春美さんの講座で
最終日になりました。
ステップⅡの高野山・町石道20kmのロング歩行も全員無事完走し、
翌日奥の院でのご挨拶もすまして、いよいよ四国に実体験として、
11月3日~6日までのお四国巡拝に出かける準備も今日で完了です。
今日の講師は西宮で「Ber曼陀羅」を経営されている森春美さんで、
ご本人も7年に渡って区切り打ちで、徒歩巡拝をされその体験をインター
ネットで発表され、そののち「女へんろ元気旅」として出版されました。
著書を読まれて感動されたお遍路さんが、たくさん春美さんを訪ねて
曼陀羅に足を運ばれます。お遍路仲間や、ネットの世界では有名人です。
かくいう私もその一人で、89番曼陀羅庵で5年前より、ネット仲間に
呼びかけて、年6、7回遍路オフ会を開催して多くのお遍路さんと交流
しています。
今回も曼陀羅のオフ会メンバーが支援スタッフとして5人参加しています。
お遍路装束で登場された春美さんは、後の白板に掲示している展示物を
ひとつづつ取り上げて、遍路にまつわる出来事を大きな、綺麗な声で
説明していきます。笑顔がとても素敵です。
歩き遍路で得た、忘れられない出会いや、お接待などのお話がぽんぽん
リズム良く語られます。
忙しい日常を離れて、歩き遍路は非日常世界である四国の四つの道場を歩く。
険しい山道や海辺を歩いているうちに、多くの里人に声をかけられ、お接待を
受ける。そのように頂いた慈悲の心が、自然と人に対しても思いやりとやさし
を持てるようになり、素直に感謝の気持ちがでて、信仰心が生まれる。
お話のなかに、金子みすゝさんの詩の話がでてくる。
私も大好きな「積もった雪」の詩です。
上の雪
さむかろな。
つめたい月がさしていて。
下の雪
重かろな。
何百人ものせていて。
中の雪
さみしかろな。
空も地面もみえないで。
(じべた)
積もった雪をみて、ここまで表現できる感性はすごいですね。
歩き遍路をしていると、感性を磨く目、心を自然体で持てるようになる。
このような素晴らしいお遍路文化を、ぜひ体験していただき次世代に伝え、
残していけるような歩き遍路を体験してくださいと締めくくられた。
最後に今回の「歩き遍路入門講座」の立案者であり、代表の山下正樹さん
より四国に渡ってからの諸注意がありました。
特に今回は「奈良大師講」としての団体行動なので、歩き遍路の基本的な
マナーと、団体遍路としての規律をしかり守って歩こうと締めくくられた。
最終的に四国を歩かれる方は31人となり、支援スタッフも心ひきしめて
道中の安全を尽くしたいと考えています。