ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

面接官

2008年12月05日 | 巡礼者の記帳
「ちょっと時間が空きましたので、寄せてもらいました」と申されるのは、クリフォード・ブラウンに似た、商社の部長ぜんとした御仁である。
「採用面接の仕事で御市に来まして、このまえは、何度か水沢の『パラゴン』の面接もできました...。」
ジャズの好きな人は、予定を作っている。
一級建築士の心得もあるこの御仁と、室内の造作の話になったとき、さぞ辣腕を振るわれたご自宅のオーディオ・ルームのことを伺おうと、ジャズのボリュームを下げた。
「出身は山形ですが、仙台に出来合いの住まいを手に入れまして、本格的な音響というわけではありません」
休日は敷地の接した隣家に伸びそうな樹木の枝落としが大変で....と申されて、笑顔である。
何事をまかせても上首尾におさめる、やわらかい人なのかもしれない。
リー・モーガンの『アイ・リメンバー・クリフォード』が耳に残る、25才で事故に遭ったブラウニーであるが、このLPは三つ揃いのスーツにハンカチーフを挿したソニー・ロリンズとセッションしているところに注耳して、はたしていかなるコラボにあいなったか I’LL REMEMBER APRIL から針をミゾに落とした。
水戸のタンノイ氏が以前、トランぺットは強く吹くことはたやすいが、柔らかく鳴らすのが難しいのです、と申されていた言葉を、思い出す。
共演のソニー・ロリンズは最近盛岡にも足跡を残した長寿命で、彼は誰がどう上手かったか知っている。セッションの記憶を、温泉にでも浸かりながら言葉で聞いてみたいものだが、「それは、レコードに聴いてくれ」と言うのであれば、いたしかたない。
古川珈琲の究極秘伝~珈琲鉄人という、おそろしげな豆を取り寄せてみた。
深炒りの甘みあり、珈琲豆のコクもジャズ・セッションのようにいろいろで。



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