ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

トロンボーン奏者は道奥へ

2006年06月10日 | 巡礼者の記帳

月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。
梅雨入りも近い道奥に分け入って、東北道を新車で駆け登った水戸のタンノイ氏は週末ROYCEに居た。トロンボーン奏者でもあるこの御仁に尋ねた。
「ブラームスの曲にどうしてフランス人は違和感をもつのですか?」
「それはフランス人にとって、たぶん曲がマジメで田舎くさいからです」
最初は小さく笑い、たまらずハッハ。ブラームスを気に入って人後に落ちない当方、自分と同時に池袋のB氏を思い出したのが本当に申し訳ない。
「調べれば解りますが、マーラー好きでブルックナー好きはほとんどいません」
「マーラーは誕生が交響曲一番で、人生の終焉が十番ですから、十番の演奏の時は、われわれトロンボーンは途中から出番が無くなって、次第にコト切れるのをじっと下を向いて待つしかないのですよ、どんどん終わりにむかって演奏が進行して行くのを...」
穏やかなこの方の、その場の様子が浮かんだ。
「ブルックナーは、教会オルガンのオーケストラ版ですから、再生装置が立派なほど作品は引き立ちますが、中身はからっぽだと言う人もいます。マニアックなフアンもおりますが」
ブルックナー開始や、ブルックナー休止、なにかと個性的なブルックナーはジャズ好きも多い。
学生の頃、某所で聴かされたタンノイの音が耳に残って、今ではオートグラフを所有される水戸のタンノイ氏。どうやらターンテーブルが寿命なのでガラードにするか、新型にするか迷われている。
トーレンスの226は良いですよ。ロングアームの低域は格別ですよ、とささやいた。
隣町にSPレコードを聴く会というのができるそうで、ちょっと参加してみましょうかね、と申されつつ「では8月にまた」と予告されて車上の人となった。



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