![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/74/ad940a368590c315615edf91eb5d28de.jpg)
最近暇を見つけては、オペラ等のレーザーディスクをDVDへせっせとダビングしています。
技術がどんどん発達していただくのはもちろん大歓迎なのですが、その間に集めた大切なソフトは一体どうしたらいいの?
レーザーディスクのプレーヤーは昨年修理をしたばかりなので、しばらくは大丈夫だと思っていますが、今後故障したらひょっとすると一巻の終わりになるかも・・・。
せっかく修理したのに、1年くらいあとになって急に寿命が尽きる、という苦い経験を何度かしているので、今のうちにDVDにダビングをしておこうと考えた次第です。
でも相当量のソフトがあるので、果たしていつ終わることやら・・・。また長い間かけてせっせと録画した大量のビデオテープ群は?いや、もっと深刻なのは、ハードが動くかどうかすら心配なVHDのソフト。
あー、もう悩ましい限り!考えるのも嫌になってきます。
こんなときは、やっぱりバッハ。
今日聴いたのは、パリ生まれの名花アンヌ・ケフェレックが初来日の時に録音したバッハのアルバムです。
J.S.バッハ作曲
■パルティータ第5番ト長調 BWV.8292
■パルティータ第2番ハ短調 BWV.826
■半音階幻想曲とフーガ ニ短調 BWV.903
<演奏>
アンヌ・ケフェレック(p)
<録音>
1975年11月11日&12日、世田谷区民会館
ほんと素敵な演奏。
彼女のバッハは初めて聴きましたが、すっかり魅了されました。
こんなに瑞々しいバッハはそうは聴けないでしょう。
冷たいレモンを口に含んだ時のような感覚、といえば何となく想像いただけるでしょうか。
パルティータ第5番の冒頭を聴いただけで、その特長はすぐに分かります。
テンポが実にいいのと、アーティキュレーションがどんなときでも適切なので、音楽が常に躍動感に溢れています。
パルティータ第2番の第一曲シンフォニアも、グラーヴェ部分で必要以上に劇的な表現はみせません。だからこそ、続くフーガが音楽として見事に息づいていくのでしょう。
サラバンドでは、もう少し切なくなるような緊張感にとんだ表現を私は好みますが、ケフェレックはここでも過度の表現をあえて避けているようにみえます。でも一見そっけなく弾かれているようで、かえって内に秘めた叙情性が自然に滲み出てくるから不思議なものですね。
終曲カプリッチョは、ポリフォニーの綾を見事に描ききった素晴らしい演奏。
最後の半音階的幻想曲は、ピアノという楽器の機能を存分に使って、文字通りファンタジックな名演奏。続くフーガも神秘的な主題の提示に始まり内的緊張感に満ちあふれていました。
さすがにグールドのような凄みを持った演奏ではありませんが、決してべたべたせず透明感があってかつ暖かい。
これって、私の理想のスタイルです。
それからこの録音で使用されたベーゼンドルファー・インペリアルの深みのある音色もたまらなく魅力的で、このケフェレックの名演奏に大きく貢献しています。
私の大切な1枚になりました。
技術がどんどん発達していただくのはもちろん大歓迎なのですが、その間に集めた大切なソフトは一体どうしたらいいの?
レーザーディスクのプレーヤーは昨年修理をしたばかりなので、しばらくは大丈夫だと思っていますが、今後故障したらひょっとすると一巻の終わりになるかも・・・。
せっかく修理したのに、1年くらいあとになって急に寿命が尽きる、という苦い経験を何度かしているので、今のうちにDVDにダビングをしておこうと考えた次第です。
でも相当量のソフトがあるので、果たしていつ終わることやら・・・。また長い間かけてせっせと録画した大量のビデオテープ群は?いや、もっと深刻なのは、ハードが動くかどうかすら心配なVHDのソフト。
あー、もう悩ましい限り!考えるのも嫌になってきます。
こんなときは、やっぱりバッハ。
今日聴いたのは、パリ生まれの名花アンヌ・ケフェレックが初来日の時に録音したバッハのアルバムです。
J.S.バッハ作曲
■パルティータ第5番ト長調 BWV.8292
■パルティータ第2番ハ短調 BWV.826
■半音階幻想曲とフーガ ニ短調 BWV.903
<演奏>
アンヌ・ケフェレック(p)
<録音>
1975年11月11日&12日、世田谷区民会館
ほんと素敵な演奏。
彼女のバッハは初めて聴きましたが、すっかり魅了されました。
こんなに瑞々しいバッハはそうは聴けないでしょう。
冷たいレモンを口に含んだ時のような感覚、といえば何となく想像いただけるでしょうか。
パルティータ第5番の冒頭を聴いただけで、その特長はすぐに分かります。
テンポが実にいいのと、アーティキュレーションがどんなときでも適切なので、音楽が常に躍動感に溢れています。
パルティータ第2番の第一曲シンフォニアも、グラーヴェ部分で必要以上に劇的な表現はみせません。だからこそ、続くフーガが音楽として見事に息づいていくのでしょう。
サラバンドでは、もう少し切なくなるような緊張感にとんだ表現を私は好みますが、ケフェレックはここでも過度の表現をあえて避けているようにみえます。でも一見そっけなく弾かれているようで、かえって内に秘めた叙情性が自然に滲み出てくるから不思議なものですね。
終曲カプリッチョは、ポリフォニーの綾を見事に描ききった素晴らしい演奏。
最後の半音階的幻想曲は、ピアノという楽器の機能を存分に使って、文字通りファンタジックな名演奏。続くフーガも神秘的な主題の提示に始まり内的緊張感に満ちあふれていました。
さすがにグールドのような凄みを持った演奏ではありませんが、決してべたべたせず透明感があってかつ暖かい。
これって、私の理想のスタイルです。
それからこの録音で使用されたベーゼンドルファー・インペリアルの深みのある音色もたまらなく魅力的で、このケフェレックの名演奏に大きく貢献しています。
私の大切な1枚になりました。
この人、盤歴は70年代半ばからですが、ちょうどあのころから幅をきかせ始めたコマーシャリズム・ピアニストの嫌味がありません。きっちりきれいに弾いていながらイマジネイションを作曲家から引き出す、今の時代では貴重な存在です。
ケフェレックは今年もラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンにやってきて、モーツァルトのピアノ独奏曲のほぼ全曲を演奏するみたいですね。昨年のベートーヴェンの時もとても聴きたかったのですが、今年は大好きなモーツァルト・プログラムなのでなんとか一日はどっぷり浸かりに行きます。ただ私の場合、ケフェレック以上にペネティエがお目当てなので、彼女の協奏曲(5/6の3:15PMより、ジュノームを演奏します)を聴くことにしました。とても楽しみです。
いつもありがとうございます。
おっしゃるとおり、最近復刻されたものです。
かつて諸井誠さんの「ピアノ名曲名盤100」でもとりあげられていたディスクで、是非聴いてみたいと思っていたものでした。
彼女は当時27歳、ジャケットの写真も本当に清楚で魅力的です。
30年も前の録音ですが、演奏・録音ともまったく色褪せていません。
>ケフェレックは今年もラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンにやってきて・・・
そうだったんですか。私も行きたくなってきました。
いつもありがとうございます。
ケフェレックのモーツァルトは、たしかNHK教育テレビでもやっていましたよね。音がクリアでほんと綺麗です。
ベーゼンドルファー・インペリアルの日本での録音といえば、かつて宮沢明子さんが入れたものがありましたが、今回のケフェレックのバッハのほうが私にはしっくりきます。
30年前の録音でこれだけの音が聴けるんですね。
正直驚きました。
是非実演も聴いてみたいと思います。
というわけで、旧年中は大変お世話になりました。今年もどうぞよろしくお願い致します。治療は順調に継続中ですが、しっかり治したいと思います。
こんばんは。
お身体大丈夫ですか?
こうやってコメントいただけるということは、順調な証しと考えていいですか?
ただ、くれぐれもお大事になさってくださいね。
ケフェレックのバッハはきっと癒しの効果もあると思います。
機会があれば是非お聴きになってください。
>こんなに瑞々しいバッハはそうは聴けないでしょう。冷たいレモンを口に含んだ時のような感覚、といえば何となく想像いただけるでしょうか。
全く同感です。ライナーには当時28歳の、あからさまに美しい彼女の写真がふんだんに掲載されていますが、容姿そのまんまのピアノ。こんなパフォーマンスが1975年に我が国で録音されたことは、大いに誇りに思っていいでしょう。
今年のラ・フォル・ジュルネではモーツァルトのソナタの連続演奏会があります。関西在住の私にはそのすべてを聴くなどということは夢のまた夢なのですが、romaniさんには是非とも代わりに行っていただきたく思います。
ご存知かもしれませんが、彼女のモーツァルトのピアノ曲集はラ・フォル・ジュルネのプロデューサー、ルネ・マルタンと関わりのあるフランスのミラーレ(MIRARE)から出ています。我が国ではアンボヮズィ・レーベルが日本語解説を付けて販売しています(MIR9913)。とくに短調で書かれた作品を集めたこのディスクは一向に衰えない彼女の魅力的な写真(真っ赤なドレスが眩しい!)に収められており、最初の師レリア・グッソウばりの素直な感情の流れが見事にモーツァルトの魂にシンクロしている、現代では得がたい名演奏となっています。
早速ありがとうございます。
ライナーの彼女の写真、ほんと素敵ですね。思わず私も見とれてしまいました。
ラ・フォル・ジュルネなんですが、プレオーダーでは既に完売でした。他のコンサートは結構チケットが残っていたのですが・・・。やっぱり、みんな知っているんですね。
一般発売の時にリトライしてみます。
彼女のモーツァルトのピアノアルバムの件、詳しく教えていただき感謝です。
MICKEYさんにこんな風に紹介されると、絶対手に入れたくなりました。探してみます。
ケフェレックは、わたくしも「別枠予算」で購入しているという、まあ、ファンです(笑)・・・この人のもつ雰囲気とか「世界」というものが、確実にありますね。わたくしも好きです。
いつもありがとうございます。
遅くなってしまいましたが、今年もよろしくお願い致します。
ケフェレックは以前から好きなピアニストではあったのですが、このバッハには正直参りました。
30年前にこんなスタイルのピアノを弾く人がいたんですねぇ。
ジャケットの写真も美しいし、どきどきしました。
どうやら私も、遅まきながらファンになってしまいました。