ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

モーツァルト:3台のピアノの為の協奏曲(2台のピアノ版)ヘ長調 K.242 by ブリュッヘンほか

2010-03-10 | CDの試聴記
眼がかゆい。
ほんとに、かゆ~い。
それから鼻も当然のようにムズかゆい。
そういえば、喉まで変だ。
私の場合は、なかでも眼の痒さが一番辛い。
眼球を取り出して、冷水でじゃぶじゃぶ洗いたくなる。
飲み薬を朝夕欠かさず飲み、眼薬は2種類使い分けて、鼻炎用スプレーも強めのものを処方してもらっているにもかかわらず、状態がちっとも良くならないのだ。

花粉大魔神との付き合いは、かれこれ20年以上になるだろうか。
「花粉症は、文明人しか罹らないんだぞ~」と強がりを言ってみるのだけど、なぜかむなしく響く。
こんなひどい症状から逃れられるのなら、文明人でなくてもいい。
原始人で結構。私の場合、むしろ原始人の方に惹かれるものが多いのに・・・
あ~、何とかしてくれ~。

さてこんな「エブリデイ ブルー」の状態の中、飲み薬よりも多少は聴き目があると信じているのが、私の大好きなこのコンチェルト。
もともと3台のピアノのために書かれたコンチェルトだが、2台のピアノ用にモーツァルト自身が編曲も行っている。
このディスクの演奏も、その2台のピアノ版だ。
冒頭3小節の強奏のあと、一転してノンヴィブラートで弾かれる弦の透き通るような美しさを聴くだけで、忽ちこの演奏に心を奪われてしまう。
さすがブリュッヘン!
そして、肝心の2台のピアノも即興精神にあふれた素晴らしい演奏。
カニーノは以前ハイドンの室内楽だったと思うが、その躍動感に満ちた表現力に大いに感心した記憶がある。
ただ、もう一人のバリスタの方はというと、名前すら聴いたことがなかった。
しかし、ここでは、カニーノとともに自由で闊達な素晴らしいモーツァルトを奏でている。
いやー、素晴らしい。
二人のやりあう光景が眼に浮かぶようだ。
私はすっかり魅了されてしまった。
ライブだけに多少の疵はある。しかし、そんなものを遥かに超えたかけがえのない魅力・愉悦感をこの演奏はもっている。
今までブレンデルとクーパー女史がマリナーと協演したディスク(フィリップス盤)を愛聴してきたが、このブリュッヘンとカニーノ達の演奏は、モーツァルトの天真爛漫な性格の描写という点でさらに上を行っているように感じる。

今回は詳しくは書かないが、プログラムの最初で演奏されたアイネクライネは「こういうアプローチもあるのか」と感心させられるし、メインの40番も、ブリュッヘンの指揮者デビュー時に聴かせてくれた伝説の名演奏と比べても何ら遜色がない。
素晴らしいモーツァルトだと思う。

<曲目>モーツァルト作曲
■セレナード第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
■3台のピアノの為の協奏曲(2台のピアノ版)ヘ長調K.242「ロドュロン」
■交響曲第40番ト短調
<演奏>
■ブリュッヘン指揮
■オランダ放送室内フィルハーモニー管弦楽団
■B.カニーノ&A.バリスタ(P)
<録音>2006.7.2 アムステルダム ライブ録音
コメント
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