昨日、小菅優さんのピアノリサイタルへ行ってきました。
5月のラ・フォル・ジュルネで2回ばかり室内楽は聴いたのですが、小菅さんのソロは今年初めて。
夏の軽井沢で何としても聴くつもりだったのですが、日程があわず遂に師走になってしまいました。
大ファンだと公言しておきながら、年間1回もソロを聴かないなんて許されるはずもありませんから、まずはよかった・・・(笑)
<日時>2007年12月9日(日)15:00開演
<会場>彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール
<曲目>
■バッハ: インヴェンションとシンフォニア BWV772-801
■リスト: ピアノ・ソナタ ロ短調 S178
■リスト:ノクターン“夢のなかに” S207
(アンコール曲)
■ショパン: エチュード ハ短調 作品25-12
■ショパン:夜想曲第20番 嬰ハ短調 遺作 「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ
前半はバッハ・後半はリストという、非常に主張のはっきりしたプログラミング。
12月に入ってコンサートツアー真っ最中の彼女ですが、この日のプログラムだけ少々違ったようです。
バッハの2声のインヴェンションを、三声のシンフォニアとあわせてコンサートで全曲演奏するなんて、小菅さんクラスのピアニストとしては珍しいことだと思います。
しかし、このインヴェンションとシンフォニアは、彼女が子供時代からバッハの素晴らしさに触れた原点ともいうべき作品だそうで、その思いは演奏からも伝わってきました。
豊かな響きに支えられたバッハで、小細工をしない真摯な演奏が、私にはとても好ましく感じました。
二声の後半(第11曲のト短調あたりから)、そしてシンフォニアがとくに良かったなぁ。
三声のシンフォニアを聴きながら、その奥に、ずっと平均律の響きを聴いていたような気がします。
さて、後半はリストのソナタ。
結論から言うと、素晴らしい技術と表現力で、見事なリストだったと思います。
全体の造型がしっかりしているので、ときに熱く燃えるような表現をしても、その部分だけが浮き上がってしまうことがありません。
弱音のはっと息をのむような美しさも、実に印象的。
最後に冒頭のテーマが戻ってくる少し前あたりから、私はぞくぞくしながら、全曲をダイジェストシーンのように回想し続けていました。
そして、最後の音が消え、一瞬の静寂の後、続けて“夢のなかに”が演奏されました。
プログラムをみたときは、そのまま「ロ短調ソナタ」で終わったほうが良いようにも思いましたが、これはこれで素晴らしい効果があったように思います。
アンコールはショパンの作品を2曲。
とく1曲目のエチュードが素晴らしかった。16歳時のCDとは随分違いました。
策を弄さない思い切りの良さと、情念の迸りのようなものが随所に感じられて、私は大変感銘を受けました。
ブラヴォーの声がかかっていましたが、当然でしょう。
終演後は、サイン会があると聞き、長い列に並んで恥ずかしながらCDにサインをしていただきました。
2週続けて、幸運にも、私が最も大きな期待を寄せている二人のピアニストの演奏を聴くことが出来ました。
いずれ劣らぬ逸材ですが、完成度ではガヴリリュク、今後どんな風に変貌を遂げるかという期待度で小菅さん、といった印象でしょうか。
10年後、2人のコンサートチケットは、きっと倍の値段になっていることでしょう。
ところで、この日は、いつもお世話になっている桜桃さんご夫妻もコンサートに来られていて、演奏の合間にはワイン片手に(いや違った!桜桃さんは、じっと我慢の珈琲で、まことに申し訳ありませんでした)、楽しくお話をさせていただきました。
また、是非次の機会も宜しくお願いいたします。
5月のラ・フォル・ジュルネで2回ばかり室内楽は聴いたのですが、小菅さんのソロは今年初めて。
夏の軽井沢で何としても聴くつもりだったのですが、日程があわず遂に師走になってしまいました。
大ファンだと公言しておきながら、年間1回もソロを聴かないなんて許されるはずもありませんから、まずはよかった・・・(笑)
<日時>2007年12月9日(日)15:00開演
<会場>彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール
<曲目>
■バッハ: インヴェンションとシンフォニア BWV772-801
■リスト: ピアノ・ソナタ ロ短調 S178
■リスト:ノクターン“夢のなかに” S207
(アンコール曲)
■ショパン: エチュード ハ短調 作品25-12
■ショパン:夜想曲第20番 嬰ハ短調 遺作 「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ
前半はバッハ・後半はリストという、非常に主張のはっきりしたプログラミング。
12月に入ってコンサートツアー真っ最中の彼女ですが、この日のプログラムだけ少々違ったようです。
バッハの2声のインヴェンションを、三声のシンフォニアとあわせてコンサートで全曲演奏するなんて、小菅さんクラスのピアニストとしては珍しいことだと思います。
しかし、このインヴェンションとシンフォニアは、彼女が子供時代からバッハの素晴らしさに触れた原点ともいうべき作品だそうで、その思いは演奏からも伝わってきました。
豊かな響きに支えられたバッハで、小細工をしない真摯な演奏が、私にはとても好ましく感じました。
二声の後半(第11曲のト短調あたりから)、そしてシンフォニアがとくに良かったなぁ。
三声のシンフォニアを聴きながら、その奥に、ずっと平均律の響きを聴いていたような気がします。
さて、後半はリストのソナタ。
結論から言うと、素晴らしい技術と表現力で、見事なリストだったと思います。
全体の造型がしっかりしているので、ときに熱く燃えるような表現をしても、その部分だけが浮き上がってしまうことがありません。
弱音のはっと息をのむような美しさも、実に印象的。
最後に冒頭のテーマが戻ってくる少し前あたりから、私はぞくぞくしながら、全曲をダイジェストシーンのように回想し続けていました。
そして、最後の音が消え、一瞬の静寂の後、続けて“夢のなかに”が演奏されました。
プログラムをみたときは、そのまま「ロ短調ソナタ」で終わったほうが良いようにも思いましたが、これはこれで素晴らしい効果があったように思います。
アンコールはショパンの作品を2曲。
とく1曲目のエチュードが素晴らしかった。16歳時のCDとは随分違いました。
策を弄さない思い切りの良さと、情念の迸りのようなものが随所に感じられて、私は大変感銘を受けました。
ブラヴォーの声がかかっていましたが、当然でしょう。
終演後は、サイン会があると聞き、長い列に並んで恥ずかしながらCDにサインをしていただきました。
2週続けて、幸運にも、私が最も大きな期待を寄せている二人のピアニストの演奏を聴くことが出来ました。
いずれ劣らぬ逸材ですが、完成度ではガヴリリュク、今後どんな風に変貌を遂げるかという期待度で小菅さん、といった印象でしょうか。
10年後、2人のコンサートチケットは、きっと倍の値段になっていることでしょう。
ところで、この日は、いつもお世話になっている桜桃さんご夫妻もコンサートに来られていて、演奏の合間にはワイン片手に(いや違った!桜桃さんは、じっと我慢の珈琲で、まことに申し訳ありませんでした)、楽しくお話をさせていただきました。
また、是非次の機会も宜しくお願いいたします。