アバド&ルツェルン祝祭管弦楽団の来日公演、3つめにして最後のコンサートに行ってきました。
2回に分けて書きます。
<日時>2006年10月19日(木)
<会場>サントリーホール 大ホール
<曲目>
■ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調
■ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」
<演奏>
■ピアノ:マウリツィオ・ポリーニ
■指 揮:クラウディオ・アバド
■管弦楽:ルツェルン祝祭管弦楽団
前半は、ブラームスの大曲、ピアノ協奏曲第2番。
ピアノソロはもちろんポリーニ。
室内楽の時も感じたのですが、初めて見るポリーニは少しだけ背中が曲がっているような・・・
やはり彼もそれなりに齢をとったということでしょうか。
今年73歳になる9歳年長の盟友アバドの方が、ずっと若々しく見えました。
さて冒頭のホルン、相当緊張しているはずですが、さすがにばっちり!
オーケストラの力強いトゥッティを導くという重要なミッションをおびたポリーニのピアノは、力一杯弾いてくれてはいるのですが、私には心なしか空回りしているように感じられました。
また、2階席の3列目にしては、音が思ったほどこちらに飛び込んでこない!
そんなこともあってか、かつてウィーンフィルを相手にアバドとポリーニが繰り広げた、燦々とふりそそぐ太陽のような明るさ・伸びやかさは感じられなかった。
うーん!期待があまりに大きかったので、少し戸惑っております。
スケルツォは第一楽章から続いてアタッカで始まりました。
第1楽章と比べると、ピアノもオケも音楽が活き活きとしている!
とてもいい感じになってきました。
ポリーニが、立ち上がらんばかりにしながら、渾身の力を込めて弾いている姿を見るだけでも感動ものです。
しかし、もしこの楽章までで終わったとしたら、私の印象は「オケもピアノも全力で頑張っていたよ!」で終わっていたかもしれません。
劇的に変わったのは、第3楽章。
独奏チェロが静かに弾きはじめます。
何という美しさ!
ブラームス屈指の名旋律を、ブルネロはこれ以上ないくらい美しく歌い上げます。
バックハウス&ベームVPO盤のチェロを超えているかも・・・
バトンを受けた弦と木管(弦にぴったり寄り添うファゴットがとくに印象的)の表情が、これまた絶妙です。
凄い演奏を聴ける予感に、鳥肌がたってきました。
そして、ゆっくり・静かに登場するポリーニのピアノ。
あの硬質なイメージはありません。しかし、美しい音!
個々の音というよりも、フレーズとしてとらえたときの音の美しさが、私の胸に染みます。
この楽章の後半で再び冒頭のテーマをブルネロが弾きはじめると、うるうるしちゃって、もうだめです。最後までその状態が続いてしまいました。
齢のせいか涙腺が弱くなってきたなあ。
やはり第2楽章までは、少し無理をしていたのではないでしょうか。
第4楽章、まず何といっても冒頭のポリーニの表情が最高。
付点音符を軽やかに、しかも活き活きと表現していきます。
こんな素敵な第4楽章の出だしをかつて聴いたことがあったかしら。
これでこそ、グラツィオーソ!
オケ(とくに木管)とピアノの、それこそため息がでるようなやりとりを夢うつつで聴いているうちにエンディング。
3楽章以降は、まさに私の理想の演奏でした。
そして後半はいよいよブルックナーだったのですが、こちらは明日書くつもりでおります。
2回に分けて書きます。
<日時>2006年10月19日(木)
<会場>サントリーホール 大ホール
<曲目>
■ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調
■ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック」
<演奏>
■ピアノ:マウリツィオ・ポリーニ
■指 揮:クラウディオ・アバド
■管弦楽:ルツェルン祝祭管弦楽団
前半は、ブラームスの大曲、ピアノ協奏曲第2番。
ピアノソロはもちろんポリーニ。
室内楽の時も感じたのですが、初めて見るポリーニは少しだけ背中が曲がっているような・・・
やはり彼もそれなりに齢をとったということでしょうか。
今年73歳になる9歳年長の盟友アバドの方が、ずっと若々しく見えました。
さて冒頭のホルン、相当緊張しているはずですが、さすがにばっちり!
オーケストラの力強いトゥッティを導くという重要なミッションをおびたポリーニのピアノは、力一杯弾いてくれてはいるのですが、私には心なしか空回りしているように感じられました。
また、2階席の3列目にしては、音が思ったほどこちらに飛び込んでこない!
そんなこともあってか、かつてウィーンフィルを相手にアバドとポリーニが繰り広げた、燦々とふりそそぐ太陽のような明るさ・伸びやかさは感じられなかった。
うーん!期待があまりに大きかったので、少し戸惑っております。
スケルツォは第一楽章から続いてアタッカで始まりました。
第1楽章と比べると、ピアノもオケも音楽が活き活きとしている!
とてもいい感じになってきました。
ポリーニが、立ち上がらんばかりにしながら、渾身の力を込めて弾いている姿を見るだけでも感動ものです。
しかし、もしこの楽章までで終わったとしたら、私の印象は「オケもピアノも全力で頑張っていたよ!」で終わっていたかもしれません。
劇的に変わったのは、第3楽章。
独奏チェロが静かに弾きはじめます。
何という美しさ!
ブラームス屈指の名旋律を、ブルネロはこれ以上ないくらい美しく歌い上げます。
バックハウス&ベームVPO盤のチェロを超えているかも・・・
バトンを受けた弦と木管(弦にぴったり寄り添うファゴットがとくに印象的)の表情が、これまた絶妙です。
凄い演奏を聴ける予感に、鳥肌がたってきました。
そして、ゆっくり・静かに登場するポリーニのピアノ。
あの硬質なイメージはありません。しかし、美しい音!
個々の音というよりも、フレーズとしてとらえたときの音の美しさが、私の胸に染みます。
この楽章の後半で再び冒頭のテーマをブルネロが弾きはじめると、うるうるしちゃって、もうだめです。最後までその状態が続いてしまいました。
齢のせいか涙腺が弱くなってきたなあ。
やはり第2楽章までは、少し無理をしていたのではないでしょうか。
第4楽章、まず何といっても冒頭のポリーニの表情が最高。
付点音符を軽やかに、しかも活き活きと表現していきます。
こんな素敵な第4楽章の出だしをかつて聴いたことがあったかしら。
これでこそ、グラツィオーソ!
オケ(とくに木管)とピアノの、それこそため息がでるようなやりとりを夢うつつで聴いているうちにエンディング。
3楽章以降は、まさに私の理想の演奏でした。
そして後半はいよいよブルックナーだったのですが、こちらは明日書くつもりでおります。