昨日続きを書こうと思ったのですが、あの日の余韻が強すぎて何もする気が起きませんでした。
今日になって、ようやく少し落ち着いたので、感想の続きを。
実は今回のルツェルンのコンサートは、随分迷ったあげく、あえてチケットを買わなかったのです。
これは、ひとえにプライス。
器楽のコンサートで、最高席が50,000円は少しばかり異常。
アーティストやプログラムには大いに惹かれるけど、この点で諦めていました。
しかし、転機が訪れました。
それは、前にも一度書きましたが、トイレに掛かっているグラモフォンのカレンダー。
10月はアバドだったんです。
ふと、考えました。
「アバドは大病を克服してから、音楽が変わった。明らかに豊かに温かくなった。
そんなアバドの指揮姿、音楽をこれから何回体験できるんだろう。
今観ておかないと、きっと後悔する。大丈夫か?」
まさに神の啓示、いや悪魔の囁きでした。
そうだ、何としても聴かなきゃ。
次は演目です。
今回の演目は2種類。どちらにするか。
ポリーニとのブラームスの2番も聴きたい。絶対聴きたい。
しかし、私が「アバドは変わった!」と実感させてくれたマーラーの6番に、結局方針を決めました。
そして、公演のなんと2日前にチケットを手に入れました。
席は、もちろんP席。
そして、13日を迎えたのです。
当日のプログラムは2本立てでした。
前半が、モーツァルトのコンサートアリアを3曲。
後半が、メインのマーラーの第6番。
<日時>2006年10月13日(金)19:00
<会場>サントリーホール 大ホール
<曲目>
■モーツァルト: コンサート・アリア
「わが憧れの希望よ!…ああ、お前は知らないのだ、その苦しみがどんなものか」K. 416
■モーツァルト: コンサート・アリア
「私はあなた様に明かしたい」K. 418
■モーツァルト: コンサート・アリア
「わが感謝を受けたまえ、やさしい保護者よ」K. 383
■マーラー:交響曲第6番 イ短調「悲劇的」
<出演>
■ソプラノ: ラヘル・ハルニッシュ
■指 揮:クラウディオ・アバド
■管弦楽:ルツェルン祝祭管弦楽団
前半のソリストは、若きソプラノのラヘル・ハルニッシュ。
ハルニッシュを初めて聴いた(観た)のは、1999年7月にザルツブルクで行われたカラヤン没後10周年のレクイエムです。もちろん実際に現地で聴いたのではなく、BSの衛星中継で観たのですが、ハルニッシュはレクイエムの前に演奏された「聖墓の音楽K42」と「ラウダーテ・ドミヌムK339」のソリストだったのです。
そのときのハルニッシュからは、「若いけど、声質が透明で、歌そのものが非常に安定している」という印象を受けていました。
そして、そのとき指揮をしていたのがアバド。
やはりマエストロのお気に入りのソプラノなんですね。
さて、この日ステージに登場した彼女は、とにかく細い!そしてキュート。
まことに残念なことに、P席の私には、歌っている間中、ほとんど背中しか見えないわけですが、演奏が終わって挨拶をする仕草もほんとにキュートでした。
スイス生まれのキュートなソプラノというと、私の永遠のアイドルであるエディト・マティスを思い浮かべますが、彼女も近い将来、きっと大ブレイクすることでしょう。
演奏もとても素敵でした。
聴いていて、とても安心感のある歌手です。
サプライズもいいけど、モーツァルトには、この感覚が重要だと思います。
何より私の大好きなK418が聴けたので、それだけでも大満足。
そして、オーボエの表情が何とも見事で、私には夢見るようなひとときでした。
その絶妙のオーボエを吹いてたのは、バンベルク響のカイ・フレムゲン。
後ろから見ると、吹いている表情・仕草が、あのアルブレヒト・マイヤーにそっくり。最後まで、ずっと錯覚を覚えながら聴いていました。
後半のマーラーとの対比という意味でも、前半のモーツァルトは大正解だったと思います。
さて後半は、あのマーラー。
(時間切れになってしまいました。これからポリーニ・マイヤーたちの室内楽を聴きに行きます。続きは(その3)で書きます)
今日になって、ようやく少し落ち着いたので、感想の続きを。
実は今回のルツェルンのコンサートは、随分迷ったあげく、あえてチケットを買わなかったのです。
これは、ひとえにプライス。
器楽のコンサートで、最高席が50,000円は少しばかり異常。
アーティストやプログラムには大いに惹かれるけど、この点で諦めていました。
しかし、転機が訪れました。
それは、前にも一度書きましたが、トイレに掛かっているグラモフォンのカレンダー。
10月はアバドだったんです。
ふと、考えました。
「アバドは大病を克服してから、音楽が変わった。明らかに豊かに温かくなった。
そんなアバドの指揮姿、音楽をこれから何回体験できるんだろう。
今観ておかないと、きっと後悔する。大丈夫か?」
まさに神の啓示、いや悪魔の囁きでした。
そうだ、何としても聴かなきゃ。
次は演目です。
今回の演目は2種類。どちらにするか。
ポリーニとのブラームスの2番も聴きたい。絶対聴きたい。
しかし、私が「アバドは変わった!」と実感させてくれたマーラーの6番に、結局方針を決めました。
そして、公演のなんと2日前にチケットを手に入れました。
席は、もちろんP席。
そして、13日を迎えたのです。
当日のプログラムは2本立てでした。
前半が、モーツァルトのコンサートアリアを3曲。
後半が、メインのマーラーの第6番。
<日時>2006年10月13日(金)19:00
<会場>サントリーホール 大ホール
<曲目>
■モーツァルト: コンサート・アリア
「わが憧れの希望よ!…ああ、お前は知らないのだ、その苦しみがどんなものか」K. 416
■モーツァルト: コンサート・アリア
「私はあなた様に明かしたい」K. 418
■モーツァルト: コンサート・アリア
「わが感謝を受けたまえ、やさしい保護者よ」K. 383
■マーラー:交響曲第6番 イ短調「悲劇的」
<出演>
■ソプラノ: ラヘル・ハルニッシュ
■指 揮:クラウディオ・アバド
■管弦楽:ルツェルン祝祭管弦楽団
前半のソリストは、若きソプラノのラヘル・ハルニッシュ。
ハルニッシュを初めて聴いた(観た)のは、1999年7月にザルツブルクで行われたカラヤン没後10周年のレクイエムです。もちろん実際に現地で聴いたのではなく、BSの衛星中継で観たのですが、ハルニッシュはレクイエムの前に演奏された「聖墓の音楽K42」と「ラウダーテ・ドミヌムK339」のソリストだったのです。
そのときのハルニッシュからは、「若いけど、声質が透明で、歌そのものが非常に安定している」という印象を受けていました。
そして、そのとき指揮をしていたのがアバド。
やはりマエストロのお気に入りのソプラノなんですね。
さて、この日ステージに登場した彼女は、とにかく細い!そしてキュート。
まことに残念なことに、P席の私には、歌っている間中、ほとんど背中しか見えないわけですが、演奏が終わって挨拶をする仕草もほんとにキュートでした。
スイス生まれのキュートなソプラノというと、私の永遠のアイドルであるエディト・マティスを思い浮かべますが、彼女も近い将来、きっと大ブレイクすることでしょう。
演奏もとても素敵でした。
聴いていて、とても安心感のある歌手です。
サプライズもいいけど、モーツァルトには、この感覚が重要だと思います。
何より私の大好きなK418が聴けたので、それだけでも大満足。
そして、オーボエの表情が何とも見事で、私には夢見るようなひとときでした。
その絶妙のオーボエを吹いてたのは、バンベルク響のカイ・フレムゲン。
後ろから見ると、吹いている表情・仕草が、あのアルブレヒト・マイヤーにそっくり。最後まで、ずっと錯覚を覚えながら聴いていました。
後半のマーラーとの対比という意味でも、前半のモーツァルトは大正解だったと思います。
さて後半は、あのマーラー。
(時間切れになってしまいました。これからポリーニ・マイヤーたちの室内楽を聴きに行きます。続きは(その3)で書きます)