ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

ニーノ・ロータ ハープ協奏曲他

2005-05-07 | CDの試聴記
評価の定まった偉大な作曲家の作品をじっくり聴くことと平行して、数年前から、隠れた名曲というのでしょうか、あまり知られていない曲・メジャーではない曲を見つけてはぼちぼち聴いております。
シンフォニーではパリーやラフ、室内楽・弦楽アンサンブルではシュポア、フンメル、個別の作曲家ではステンハンマル(この人は相当メジャーになりましたね)あたりが最近のお気に入りです。
そんな中、素敵な1枚を見つけましたのでご紹介します。
ちなみに、このCDは「2004年廃盤(輸入盤含む)CD大ディスカウントフェア」というセールがインターネット上で行われたときに、輸入盤としてゲットしました。

<曲目>
ニーノ・ロータ作曲
交響組曲「道」
ハープ協奏曲
トロンボーン協奏曲

<演奏>
ジェニファー・シュヴァルツ(Hp)
アラン・トゥリュデル(Trb)、
ヤンニク・ネゼ=セガン(指)
モントリオール州メトロポリタンオーケストラ

ニーノ・ロータといえば、言わずと知れた映画音楽の巨匠です。
ゴッドファーザー、ロミオとジュリエット、太陽がいっぱい等枚挙にいとまがないくらい数多くの映画で、大変印象的な曲を作曲しています。
このアルバムでは、そんな映画音楽の名作の中からフェリーニ監督の「道」をテーマにした交響組曲、それとハープ・トロンボーンのための協奏曲が納められています。

1曲目の交響組曲「道」は、どの曲も魅力的で、ジェルソミーナのテーマはやっぱりとびきり印象に残ります。
また、3曲目のトロンボーン協奏曲も上品な良い曲なのですが、今日本当にご紹介したかったのは、2曲目のハープ協奏曲です。
これは素晴らしい曲です。

第1楽章は、バロック音楽のようなさわやかな出だし。冒頭のハープのアルペッジョが美しい。ファイナルファンタジーというゲームが好きな方なら分かると思いますが、そう「クリスタルのテーマ」に良く似ているんです。バッハのブランデンブルク風のテーマにのせて、転調を繰り返しながらハープとオーケストラのかけあう様がとても楽しめます。
第2楽章こそ、この曲の白眉です。前の楽章とうってかわって重厚な響き。途中弦楽器とハープで荘重に奏でられるテーマが本当に美しい。その後ハープのオブリガードをともなってそのメロディはオーボエ・フルートに引き継がれ、徐々に高揚していきます。その頂点でトランペットが鳴り響き、急に光がさしこんだように一瞬明るい雰囲気に包まれます。しかし、その後すぐに先ほどの荘重なテーマが弦楽器とティンパニで重厚に響くと、感動で胸がいっぱいになります。
ここまで書いてきて、ハタと思いついたのですが、この楽章はそのままの形でNHKの大河ドラマのテーマに使えます。絶対ぴったりです。
第3楽章は、弦楽器がユニゾンで音階風のパッセージを一気に弾ききった後、ハープとフルートが小鳥のさえずりのような愛らしいテーマを奏でます。音階風のパッセージと、愛らしいテーマが交互に現われますが、ハープの扱いがとにかく見事です。

というわけで、この曲は私にとって宝物です。
ロータのアルバムは、他に5~6枚持っているのですが、また聴き直したくなりました。
ちなみにこのCDは輸入盤なので、なかなかお勧めしにくい部分もあるのですが、可能であれば是非聴いていただきたいと思います。大推薦盤です。

参考までにレーベルとCD番号を記載しておきます。
<ATMA> ACD2 2294
コメント (2)
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