簡単に感想を述べてみます。
舛添氏当選は自公はじめ連合も支持とあって、事前に優位が伝えられていましたが、そのとおりになりました。したがってこの結果には驚きはありません。「やっぱりな」というところでしょうか。
ただし、その票差はやや意外でした。反原発を掲げた宇都宮氏、細川氏、それにその他の反原発候補を加えても舛添氏には及ばなかったからです。
ということは、選挙戦に入ってからもいわれ続けた「反原発候補の統一、一本化」がもし実現していたとしても、舛添氏には及ばなかったということになります。
宇都宮氏と細川氏の順序も、私は細川氏の方がやや多いのかなと思っていましたが、それほどの大差ではなかったものの宇都宮氏のほうがが上回りました。
細川氏は大物とはいえ、その年齢、政界からの離脱の期間などがマイナス要因に働いたのと、急ごしらえの立候補という感が否めなかったのもその伸びが少なかった原因ではないでしょうか。
本人よりも、支援者のほうが目立ったのも特色ですね。小泉氏、瀬戸内氏、吉永氏などがそれでした。
今回の選挙での私のいちばんの注目点は、田母神氏がメディアなどの事前の予想をも越えて票を伸ばしたことにあります。しかも、その支持者は若年層に多いらしいのです。
はっきりいって、氏のこれまでの言動などからして、かつての選挙だったらせいぜい一万票台ぐらいのいわゆる泡沫に近い結果しか得られなかったものと思われます。
それがここまで支持を得るところに、ヘイトスピーチの横行などと相まってこの国の新しい胎動があるようで、とても不気味な気がします。
ハンナ・アーレントが分析したように、自分たちの代弁者を現実の中に見いだせないがゆえに、ある種の極論を選択し、もってナチス登場の露払いをしたいわゆる「モッブ」といわれる層との類似性をそこに見出してしまうのです。
しかも現政権はそれらを容認し、利用すらする姿勢を示しています。
安倍氏が強硬な姿勢を示し続ける背後には、彼らへの配慮すらみてとれるように思います。
最後に、舛添氏の公約を改めて掲げておきましょう。
【選挙公約】
母親の介護の苦労が私の政治の原点だ。医療や介護は自治体がきちんと対応すべきもので、東京でも社会保障政策をしっかりやる必要があ る。地域のコミュニティー内で住民の身近な生活の支援をどうするかが課題だ。東日本大震災もあり、震災に打ち勝つ強靭(きょうじん)な街づくりが必要だ。 危機管理を含めた防災都市を目指す。
これ自身に異論はありません。ぜひともちゃんと実践していただきたいものです。
もうひとつ、氏はその選挙演説のなかで、『原子力に依存しない社会をつくる』と繰り返し述べています。こちらの方も是非とも実現してほしいものです。
なお、私のブログのコメントに、「都知事選 予想通りの結果になった。これで、反原発の馬鹿どもも、少しは大人しくなるだろう。」(原文のママ)というものが寄せられましたがいささか品が悪いので、そのエレガンスさをもって特色とする私のブログにはふさわしくないと思い、掲載いたしませんでした。
「大人しくなる」かどうかは、反原発の志をもつみなさんの選択にお任せしたいと思います。
ちなみに、私はあまり「大人しく」ならないことを申し添えておきます。
舛添氏当選は自公はじめ連合も支持とあって、事前に優位が伝えられていましたが、そのとおりになりました。したがってこの結果には驚きはありません。「やっぱりな」というところでしょうか。
ただし、その票差はやや意外でした。反原発を掲げた宇都宮氏、細川氏、それにその他の反原発候補を加えても舛添氏には及ばなかったからです。
ということは、選挙戦に入ってからもいわれ続けた「反原発候補の統一、一本化」がもし実現していたとしても、舛添氏には及ばなかったということになります。
宇都宮氏と細川氏の順序も、私は細川氏の方がやや多いのかなと思っていましたが、それほどの大差ではなかったものの宇都宮氏のほうがが上回りました。
細川氏は大物とはいえ、その年齢、政界からの離脱の期間などがマイナス要因に働いたのと、急ごしらえの立候補という感が否めなかったのもその伸びが少なかった原因ではないでしょうか。
本人よりも、支援者のほうが目立ったのも特色ですね。小泉氏、瀬戸内氏、吉永氏などがそれでした。
今回の選挙での私のいちばんの注目点は、田母神氏がメディアなどの事前の予想をも越えて票を伸ばしたことにあります。しかも、その支持者は若年層に多いらしいのです。
はっきりいって、氏のこれまでの言動などからして、かつての選挙だったらせいぜい一万票台ぐらいのいわゆる泡沫に近い結果しか得られなかったものと思われます。
それがここまで支持を得るところに、ヘイトスピーチの横行などと相まってこの国の新しい胎動があるようで、とても不気味な気がします。
ハンナ・アーレントが分析したように、自分たちの代弁者を現実の中に見いだせないがゆえに、ある種の極論を選択し、もってナチス登場の露払いをしたいわゆる「モッブ」といわれる層との類似性をそこに見出してしまうのです。
しかも現政権はそれらを容認し、利用すらする姿勢を示しています。
安倍氏が強硬な姿勢を示し続ける背後には、彼らへの配慮すらみてとれるように思います。
最後に、舛添氏の公約を改めて掲げておきましょう。
【選挙公約】
母親の介護の苦労が私の政治の原点だ。医療や介護は自治体がきちんと対応すべきもので、東京でも社会保障政策をしっかりやる必要があ る。地域のコミュニティー内で住民の身近な生活の支援をどうするかが課題だ。東日本大震災もあり、震災に打ち勝つ強靭(きょうじん)な街づくりが必要だ。 危機管理を含めた防災都市を目指す。
これ自身に異論はありません。ぜひともちゃんと実践していただきたいものです。
もうひとつ、氏はその選挙演説のなかで、『原子力に依存しない社会をつくる』と繰り返し述べています。こちらの方も是非とも実現してほしいものです。
なお、私のブログのコメントに、「都知事選 予想通りの結果になった。これで、反原発の馬鹿どもも、少しは大人しくなるだろう。」(原文のママ)というものが寄せられましたがいささか品が悪いので、そのエレガンスさをもって特色とする私のブログにはふさわしくないと思い、掲載いたしませんでした。
「大人しくなる」かどうかは、反原発の志をもつみなさんの選択にお任せしたいと思います。
ちなみに、私はあまり「大人しく」ならないことを申し添えておきます。
>只今さん
戦後形成されて以来、保革の相違はあれ、この国のコモンセンスというか共通感覚としてあったものが急速に壊れ始めているのでしょうか。
その意味では、安倍氏のいう「戦後レジームからの脱却」は成功しつつあるのかもしれません。
しかしそれは、田母神支持者たちが先陣を切りながら突き進むなかで、もはや保守ですらない自民党などがそこで提起されたものを制度化してゆくというとても危険な道のような気がします。
しかし都知事選には、「宇都宮か田母神か」と迷った人が多くみられたとのこと。
そして「リベラル」「中道保守」の多くは今や、ほとんどが高齢者!
この責任!
それはやはり、私たち高齢者なのでしょう。
しかしそれは政党機関誌だから仕方ないとしても、
田母神候補に61万票、それも若者が投じたということに驚きはしなかったのでしょうか。
『中日・東京新聞』は、例えば「格差」の不満、それを忘れるための排外主義の増大といったことが背景にありはしないかと、呼び水しています。
ましてや革新政党を名乗る政党は、何故! と驚ろきたじろいがざるを得ないと思うのですが……