クーチミラン

根を、張るときと花の咲くとき

私が最大の感謝を捧げている写真暗室用品

2024年06月04日 | ブログ

私が最大の感謝を捧げている写真暗室用品(写真1及び2)があります。もし、この器具に出会わなければ写真暗室作業に入門することもなかったし、没頭することにもならなかった、だろうと思います。その意味からしても“救いの女神”と云っても足りないくらいで、銀塩関係から完全に遠ざかった現在でも尚、その恩恵は心の中に強く、強く根付いています。

                                   写真1       写真2                                                                                                                             

写真1がフィルムを巻くリール、写真2がそれを収納するタンクです。これらはフィルムを現像する時に使うものですが、実によく考えて創られています。これが素晴らしいのです。リールにフィルムを巻くとき一番外側の溝から挿入し、その後はフィルムを少しずつ送り込んでいきます。フィルムは次第にリール中心部へと巻き込まれていき弛みが発生することもありませんし、従って完璧な状態で現像に備えられます。フィルム現像は真っ暗闇での作業で、安全灯も使えませんので100%勘に頼ることになりますが、それを容易にしてくれます。しかもこの器具は35mm版フィルムだけに使えるのでなく、それより面積が広いブローニ版にまで使用可能なのです(写真1で、3個のリールの内、中央は35mm版用、右端がブローニ版用)。写真2では左端の1個はフィルム1本現像用、中央は2本、右端は3本用ですがどちらも1度で現像を済ませられます。(タンクに貼ったシールの数字はそれには無関係です)この器具は相当長期に亘って探した結果、偶然に出会ったものですが、それまでは下に添えた写真に在るものを試していました。左側はプラスチック製のベルト様式でフィルムを沿わせて巻いていく方法、右側はステンレス製でリール中心部から外側に向かって巻いていく方法の物です。前者では現像中に水疱が発生したりすることが雑誌に記載ありましたし、後者では使用してみて、ちゃんと巻けたかの不安が常に付きまとう他、最後に、ちゃんと巻けたかの確認をすることも出来ません。そういう経緯を経て冒頭の器具に辿り着きました。