私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

ホソバセセリ Isoteinon lamprospilus

2022-07-10 17:48:22 | チョウ・ガの仲間
2022年7月10日(日)

ホソバセセリ Isoteinon lamprospilus

20220709 前翅長20mmほど

昨日、午後から一つ用件を終えた後、ついでに周りを散策してて草むらに見つけた。
「何となく今までと少し違ったセセリチョウかもしれない」と思い、念のため軽く撮影。


知人に確かめると
「それ、なんぼでも見たことのあるヤツじゃないかな?」とのこと。
「そうなん? だったら、もう記録済みなんだろうなあ」と、自分の朧がかった記憶にしょんぼりしつつ帰宅。

過去の記録を確かめてみた。
ダイミョウセセリ


キマダラセセリ


チャバネセセリ


コチャバネセセリ


イチモンジセセリ?


あらら、まだ一度も撮影してない初物のセセリチョウだった。
何となく感じた異質さが、たまたま当たってた。

関東以南に多いやや南方系、山間部ではよく見かける普通種だけれど開発が進むにつれ姿を消してく、いわば人里になじまないセセリチョウだそうだ。

セセリチョウの仲間は普段花のあるとこなら大概見かける。
そして、その小ささと地味な茶色で、よく蛾と間違えられて気持ち悪がられたりもするけど・・・
私は大好きだ。
もちろんチャドクガのように被害を被ったとき以外は、蛾も好きだけど。

もしよかったら、もう一度上記したセセリチョウたちの頭部と大きな黒目を注視してみてほしい。
その愛くるしい表情(?)は、なんとなく「モモンガ」に似てるように思うのだ。

もちろん私も虫調べなんか始めて数年の素人だから、知らないうちはとりたてて興味のない蝶だったから
何事も「知ろうとする」「関心を持つ」「記録する」ことで「気持ちは大きく変わってく」ものだと、つくづく思わされるよね。
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ブッポウソウ Eurystomus orientalis 子育て中

2022-07-08 16:06:57 | 鳥類
2022年7月8日(金)

ブッポウソウ Eurystomus orientalis

20220708

「設置した巣箱に今年ブッポウソウが営巣しました」
「今週末くらいが見頃です」
と、知人からのメールに応じて、小雨のなか出かけた。

簡易な観察小屋でしばらくじっと待ってると
『ゲッ、ゲッ、ゲッ』という鳴き声が聞こえて・・・
小枝のすき間の向こうの木に止まってるのがわかった。

何かセミのような昆虫をくわえてるみたい。

カラスより少し小さく、青羽に赤い嘴と脚が映える。
美しい鳥だ。
日本へは繁殖のためにやってくる夏鳥だ。

と、巣箱へと飛んできた! 入った!


と、数秒も待たずに飛んでった!

私の腕とデジカメではとても太刀打ちできない。

子育て中のエサやりは頻繁なはずなのに、巣箱へ来る回数が少ないかも・・・
きっと、観察小屋にいても人の気配に神経質なんだろうな。

それでもじっとしてたら、エサの虫を獲るためかこんもりした木で何か突っついた後
巣箱へとやってきて・・・

エサやり後、1羽は枯れたアカマツの低めの位置へ


もう1羽は別の枯れたアカマツのてっぺんへ


どうやら定位置がそれぞれあるようだ。

勝手な想像だけど
てっぺんで辺りを見張ってるのがオスで
藪近くの低い位置に止まってるのがメスなのではないかなあ?

オスメスともに同じ体色・体型だからよくわからないけど・・・

ちなみに、ブッポウソウは漢字で『仏法僧』と書く。
それは、夜「ブッ・ポウ・ソウ」と鳴く(かなあ?)コノハズクと
勘違いされたまま命名されたためらしい。

誰一人いない観察小屋で、じっと過ごすのも心の栄養になるなあ。
残念なのは、巣箱が自然遊歩道のすぐそば。
なので、迷惑かけないよう今日はいつもの虫探し散歩は取りやめだ。

※追記:20230524 電線にてブッポウソウ
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コウボウムギ Carex kobomugi

2022-07-06 15:45:50 | 植物
2022年7月6日(水)

コウボウムギ Carex kobomugi

20220410

丈は30cmほどだろうか。
所用で出かけた香川県のとある浜辺一面に咲いていた。


初めて見る海浜植物だったから、穂のようすとか


まだ、花穂の出はじめとか


何枚か撮って、すぐ調べてみた。

コウボウムギは多年草で、北海道から九州まで自然の浜辺に広く分布するカヤツリグサ科の海浜植物だと知った。
漢字では『弘法麦』と書く。

弘法といえば『弘法も筆の誤り』ということわざもある。
この和名はどうやら弘法大師の筆に由来しているみたいだ。
また、弘法大師といえば、香川県に『うどん』を広く普及したことでも有名だ。

ならば、その『さぬきうどん』とやらを食べて帰ろう。
と、帰路、製麺所を兼ねた老舗の有名店である「大喜多うどん店」へ寄り道した

ら・・・


閉店中

営業時間を過ぎた夕刻だっただけじゃなくて、土日は営業してないらしい。
この日は日曜日だったもんな。
手強いぞ、さぬきうどんの名店は・・・

さてさて、県下(広島県)でのコウボウムギについても調べてみた。
初めて見たのも無理はなくて、広島県ではほぼ生えていないらしいのだ。
数年前、とある島嶼部の浜辺で確認されるまで、自生の報告はないみたい。

どこの海水浴場も、わざわざ砂を入れて造成してるしな。
広島県で大きな被害となった西日本豪雨災害、今日でちょうど4年。
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ウデワユミアシサシガメ Polytoxus armillatus ? の捕食

2022-07-04 12:53:19 | カメムシ・アメンボなどの仲間
2022年7月4日(月)

ウデワユミアシサシガメ Polytoxus armillatus かな?

20220630

知人とナイトウォーキング中、集会所の灯り近くの白壁で
たくさん飛来していたキイロカワカゲロウを捕食していた。

体長は8mmほど。
湿地性のサシガメで、赤黒のコントラストが鮮やか。
なので、後で調べるのがやっかいだと知りつつ、撮影してしまった。
普段は、湿地性の植物の根元でじっと獲物を狙ってるらしい。
だから、余計人目につかないまま、ネット上にもあまり書かれておらず
地域によってはレッドデータ記載種になったりしてるみたい。

サシガメの仲間だから口吻を刺し込みカゲロウの体液を吸ってる。

これが似たような水生昆虫タガメだったら「ヒーヒー喜ぶ人」も多かろうけどね。

で、コイツの特徴を調べてみた。


 前肢が弓なりに曲がってるから『ユミアシ』
 3対の脚に黒い帯があるから『ウデワ』
ということで、わかりやすい形態的特徴をそのまま和名のウデワユミアシサシガメにしてるみたい。

 胸部の1対のトゲはトゲでなかなかの特徴だよなと帰宅後驚いた。

でも、命名に種の特徴が記されていることはとても良いと思う。

例えば、最近、コガタブチサンショウウオが2つの別種にわけられ
この和名は九州に生息するものに残され
近畿・東海に生息するものには『マホロバサンショウウオ』という名がつけられた。
そりゃ命名権は発見・解明し論文記載したお方にあるんだろうけど
私個人の考えとしては、せめて『マホロバブチサンショウウオ』と、系統や特徴を少し残しておいてほしいと思うもん。

ま、コイツをみつけて撮影して
田んぼ周りのツチガエルやスッポン、稲を上ってく幼アマガエルなんかを見てまわって
戻ってきても、まだじっと吸ってたから、夏休みなんかの親子観察に「灯りを訪ねる夜散歩」はもってこいなんじゃないかなあ。
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アカネズミ Apodemus speciosus 幼体?

2022-07-02 11:42:01 | 哺乳類
2022年7月2日(土)

アカネズミ Apodemus speciosus?

20220511

眼が大きく少し飛び出てる感じなので、ヒメネズミではなく
アカネズミの幼体なのだろうか?

だとすれば、ほぼ全土に生息する日本固有のネズミだ。

友人の夜散歩中に足元に現れ、じっとしてたそうだ。


何ともうらやましく、心がいやされる話だ。

ま、コイツに出くわして「キャーッ!」とか言いそうになるお方には
ミッキーマウスはどうしたものか?
また、トムとジェリーでは、トムの味方をする方がよろしいものか?
と、そうした矛盾をあらためて問いかけたいものである。

なんてなことをそのうち書こうとしていたら・・・
福山大学の佐藤淳教授たちが次のような論文をつい最近プレスリリースしていた👇
瀬戸内海にはやはり古代河川が存在した~アカネズミのゲノムからわかった島嶼形 成史~

お~っ!
アカネズミのゲノム分析からも
かつて瀬戸内海が陸地であり
西に備後・安芸に端を発し伊予を経て九州へと向かう豊予川と
東に備前・土佐に端を発し淡路を経て紀州へと向かう紀淡川に2分されてたことがわかるんだわ!

ついでに調べてみたら、キシツツジという西日本の川沿いに咲く希少ツツジにも大きく2つの遺伝子があって
その分布はアカネズミの論文とほぼ同様の結果になるらしい👇
希少な花「キシツツジ」の不思議

豊予川と紀淡川という2つの川の存在は、純淡水魚類の世界では地理的分布などをもとに
古くから知られていたことなんだけれど、こうして哺乳類や被子植物の遺伝子分析からも裏付けられるような時代になったんだなあ。

ま、淡水魚類相でいえば
岡山県の旭川・高梁川、広島県の芦田川なんてのは
河川争奪なんかがはたらいて、西に流れたり、東に流れたりとしてたかもしれんな、などと思ったりもしたりして・・・

現生の生き物たちは過去の地史を知る手がかりになるんだから、大きなロマンだよね。
やたら人間の個人の都合で、環境を壊したり、移動させたり、持ち帰ったりはいかんと思うな。
戦争は、その最たるものだ。
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