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無理な比較

2023年10月25日 09時15分58秒 | 雷日記

こんにちは。落雷抑制の松本です。

 どんな火事でも最初は火の勢いは小さく、消火可能であっても、燃え上がってしまえば消火は困難になります。 お客様からの質問も同じで、その場でキチンとできない事はできない、その理由を説明すれば良いのですが、それができずに「持ち帰って、後で回答します」「メーカーに問い合わせてみます」などと答えると、お客様の回答への期待は高まり、その後で、やはり回答できないとなると、お客様は落胆し、製品への信頼度も落ちてしまいます。

 先日、PDCEの効果を視覚的に示すために、落雷地点の図をPDCEを設置する以前と設置した後での同じ範囲(5㎞四方)を左右に並べた図を要求された営業さんがいまして、弊社に確認すると回答したそうですが、このような図示は目で見て分かるというようにはなりません。 何故なら、PDCEは、5㎞四方というような広範囲について効果を発揮するようなものではなく、あくまでも「拠点防衛」です。 ですから、PDCEを導入する前の3年と導入した後での3年の落雷地点を比べてみても、落雷数が減少しているとは限らないのです。 二つ目の理由としては、落雷が何処に発生したかを示す図は、精度の点でピンポイントで図示されているのではなく、300m程度の誤差があります。 したがって、ある施設への落雷があったか否かは施設の所有者が、施設に落雷被害があったか/無かったかでしか判定できないのです。

 この程度の事は、その場で「できない」とハッキリと答えるのが望ましいのですが、お客様にはNOと言えない人柄が影響してしまうようです。 弊社も営業員の方のトレーニングにはたくさんの資料を作っていますが、そもそも、そういう資料の存在に気が付かない方も大勢おられますが、教育というのは本人の自発性がない限り、押し付けでしても意味がないと思っていますので、弊社の押しが弱いのも事実です。 営業で説明する製品についての事柄はいわば、海面に浮かぶ氷山のようなもので、その下の海中にある部分の方がはるかに大きく、そこは、気象学、電磁気学、建築基準法、業界の歴史、社会の動向など書ききれないほどの多数の要素を含み、どこまで学習するか否かは本人の責任です。 その見えない海中の部分がどれくらい大きいか、それを如何に上手に説明するかが営業の技量と言えます。 もちろんん、問われれば私はいくらでも応援しますが、質問もしてこない方にこちらから押しかける訳にも行きません。 営業とは奥が深い物なのです。

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