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船舶への落雷

2011年10月25日 08時25分50秒 | 雷日記
こんにちは、落雷抑制システムズの松本です。

昨日、一番多かったのが「船舶への落雷」での検索でした。一日遅れですが、船舶への落雷について話題にします。大海原では、船のマストは一番高い構造物ですからマストへの落雷はよくあります。昔、木造の帆船であった時代には、特に被害が多く、英国海軍ハリス提督によれば1799-1814年の16年間に軍艦150隻への落雷があり、8隻のうち1隻には火災が発生し水兵70名が死亡。10隻は完全に破壊されてナポレオンとの戦いの戦列から離れた軍艦もあり、戦艦レジスタンスは、落雷で自爆したそうです。【雷の科学 高橋劭 東京大学出版会】

木造船は、インピーダンスが高いので、落雷すれば大きな電圧が発生して大きな被害が生じます。海での落雷事故が少なくなったのは鉄鋼船になり、落雷があっても「木」よりは「鉄」の方が雷電流をスルリとながしてしまうようになったからです。しかし、落雷自体が減っている訳ではなく、ある船会社では世界中で運用している約3百隻の船舶のうち、約1割は毎年落雷を受けるとの話しでした。FRPでできたヨットもインピーダンスは高いでしょうが、マストがアルミなのでそのまま避雷針の様なものです。マストから海へアースを導通させておいた方が落雷のあった時に被害は軽いかと思います。

鉄鋼船でも船の周りは塗装されていて海水と絶縁状態で、船でのアースは取れないのではという質問を受けたことがありますが心配ご無用です。船のスクリューは「アルミ青銅」などの銅合金で、船体の鉄板とは毎水の中でまるで電池のような状態になります。これで船体が腐食するのを防止するために電気防食などしていますから、船体と海との間での導通は十分に確保できます。

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