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建物への落雷を防ぐには 水平型PDCE

2016年07月07日 09時00分00秒 | 雷日記
こんにちは、落雷抑制システムズの松本です。

最近のビルにはあまり避雷針は見当たりません。2003年のJIS規格の改定で「回転球体法」という考えが導入されました。 これは、雷撃の先端が地面の近所に降りてきたとき、次にどこに向かうかは、この雷撃点を中心に同じ距離にあれば、どこにでも向かう可能性があります。 2次元の平面で言えば中心から半径 r の円周上のどこかです。 しかし、我々の生活している空間は、3次元の空間なので、次の落雷ポイントは、半径r の球体のどこかです。 半径は、クラスにより20m から 60m までですが、これを60mとした場合、ビルの高さが20階建ての60mとすると、屋上の縁が半径60mの球体と触れますから、そこが次の落雷ガ向かう可能性が高いと言えます。 ということで、屋上の周囲に手すりのようにグルリと配置したものを「棟上げ導体」と呼んでいまして、最近は、この棟上げ導体に落雷を招いています。 屋上の面積が広ければ屋上の中央付近に突針のポールを建てます。

しかし、雷様は気まぐれで、必ずしもこの棟上げ導体に落ちずにその下のコンクリートに落ちて、コンクリを破壊することがあります。 そこでこの棟上げ導体に着目しました。 この棟上げ導体自体をPDCEの構造にすれば、屋上への落雷を防げことができます。 棟上げ導体をPDCEと同じ構造にするというのは、PDCEを玉ねぎ、マッシュルームと見立て、これを薄くスライスします。 中心部のスライスをそのまま水平に伸ばせば「水平型PDCE」の完成です。 頭の中では簡単にできるのですが、実際に製造するとなるとアルミの型押し成形という手法が必要になり、アルミサッシの製造方法と同じなのでアルミサッシの製造メーカさんに相談しましたが、受雷部として使用するにはそれなりの厚さが必要ですので、価格もそれなりのものになります。また、現状のままであっても、落雷が発生するのは四隅である事が多いようで、屋上の四隅にPDCEを配置するのも手段の一つです。

水平型PDCEを現在、改良すべく放電実験などもしながら最適な形状/構造、製造方法も模索しています。 企業規模が小さいというのは短所ばかりではありません。 開発から製造、営業に至るまで一人で関われるのはとても面白い事なのです。 大企業では全体の一部しか担当できないことも全てに関われるというのは楽しいことです。 もちろん、弊社にも専門家がいますので、その専門家のアドバイスを得ながらやっています。

高層ビルでは、屋上付近のみならずビルの側面への落雷もありますが、この水平型PDCEをビル側面にグルリと配置することで落雷し難くすることも可能です。 高層ビルには昨日の風力発電や本日の水平型PDCEなど、新しいアイデアを試みるチャンスが沢山あります。 使っていただけるかどうかは分かりませんが、新しいことが色々あってワクワクします。

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電話 045-264-4110
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