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ブラック・スワン 【感想】

2011-05-13 21:43:24 | 映画
今日、天気予報が大ハズレ。
夜、仕事帰りにドシャブリに見舞われる。

そんな中、映画を観にいく。
最近行く機会がホントに増えたユナテッドシネマ浦和。
駅前というアクセスのよさと、視聴環境のクオリティの高さ、
そして毎週金曜日1000円均一という、何とも有難い料金設定がその理由だ。

今日のお目当ては「ブラック・スワン」。

上映前の予告編で、来月から公開される待望の新作「Xメン」がやってて、早くも興奮。
前作のスピンオフ「ウルヴァリン~」はイマイチだったが、
次のXメンではマグニートー(金属操り男)が再登場。
彼の若き日を描くとあって、テンションが上がる。公開したら速攻だな。。。

で、「ブラック・スワン」。
本作を知った当初、主役のナタリー・ポートマンがあまりタイプではなかったので、
個人的にはさほど興味はなかったが、アメリカでは本作を昨年のベストワンに挙げる人も多く、
オスカーノミネーションもされてたし、よほど面白いのだろう。。。と期待していた。

本作は聞いていたとおり、サイコ・ホラー映画だった。

話はきわめてシンプル。
「白鳥の湖」の主役に抜擢されたがナタリー・ポートマン演じるバレリーナ(ニナ)が、、
潔白な白鳥の他に、官能的な黒鳥を演じるにあたって、ひたすら苦悩する話だ。

「苦悩」というか、精神崩壊していく過程を描くのだが、
ニナの追い込まれようが尋常じゃなく、完膚なきまでにイジメられる。
その過程の描写は、時に痛く、時に気持ち悪く、時にエロく、なかなかエグい。

痛いのと気持ち悪いのは嫌いだが、終始クギづけで見入る。
それは、ニナと同様、観ているこっち側も幻想と現実の狭間を彷徨う錯覚になる、
監督アロノフスキーの演出力と、主役ナタリー・ポートマンのパフォーマンスによるものだ。

本作は、監督アロノフスキーの初期作「レクイエム~」と前作「レスラー」の
良いトコどりをしたようなクオリティで、アロノフスキーの真骨頂といえそう。
「レクイエム~」のような圧倒的な破壊力をもって破滅に向かうエネルギーと、その見せ方の巧さ。
「レスラー」で見せた、登場人物と設定描写のリアリティが融合している感じだ。

そして、本作でオスカーを受賞したナタリー・ポートマン。
賞レースでは、この前見た「キッズオールライト」のアネット・ベニングが対抗馬とされていたが、
その結果は明らかだったよう。主演男優のコリン・ファース同様、鉄板であったことに大納得。

彼女のフラットな体系、常識人で、人が良さそうな性格(先入観?)といい、
大人のナタリー・ポートマンにハマる役はこれで最初で最後でないかと思える奇跡のマッチング。
(新作の「抱きたいカンケイ」はハズレ役の模様だが)
そして、ナタリー・ポートマンの文字通り「入魂」のパフォーマンス。
本物のバレエダンサーに合わせた見事な体系つくり。薄そうだが強靭と思われる肩甲骨よ。
踊り1つで、喜怒哀楽を表現するバレエダンサーのしなやかさ。
そして、悪霊にでも取り憑かれたような狂気っぷり。
トランス状態ともいえるか、途中、ナタリー・ポートマン自身、本気で死ぬんじゃないかと思った。。。
いろいろと衝撃的で、ある意味、俳優(女優)という表現者の可能性を再認識した。

脇役のキャスティングもよい。
ヴァンサン・カッセル、年取って、甘さが抜けて渋さが出てきた。
本作での女好きっぽいバレエの監督にぴったり。
ミラ・クニスもゴーイングマイウェイで色っぽいバレエダンサーを好演。
出番少なしだが、枯れたウィノラ・ライダーも印象的。
表情といい、声の出し方といい、日本の桃井かおりとカブる。

本作、日常の感覚がなくなる世界観と、
ナタリー・ポートマンのパフォーマンスみたさにリピーターも続出しそう。

だけど、個人的には本作を見たことで、
当分、とり皮を食えなくなりそうだ。。。

【85点】










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