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ブルーバレンタイン 【感想】

2011-06-01 23:55:34 | 映画
今日は1日である。
毎月やってくる映画の日で、どこの映画を観ても基本1000円だ。ありがたい。

会社帰り、何年かぶりに日比谷のシャンテシネに行く。

お目当ては「ブルーバレンタイン」だ。
そんな目立つプロモーションもしていない映画だし、
公開から一ヶ月以上経っているので、
1000円の日といえど、結構空いてるのかなと思っていたが、
前列の3列を除いてほぼ満席でびっくり。
映画のジャンルはラブストーリーだが、カップルで観に来ている人は少ないようだ。
まあ、カップルで観に来るには不適切な映画であると思うが。。。

観る映画を選ぶ基準の1つに「好きな俳優が出ているから」というのが当然ある。
私にとって本作はまさにそれ。
ライアン・ゴズリング、ミシェル・ウィリアムズという、
大好きな俳優が夢の共演を果たしている。
本作への期待もあり、昨年一度、会社のPCの壁紙を
ライアンとミシェルが抱き合っているシーンに変えたのだが、
遠目に見た時、想定以上にエロかったため、早々にやめた。

本作は、ある男女の出会いと別れを描いた話だ。
崩壊する現在とラブラブだった過去を交互に見せる構成が本作の特徴だ。

「結婚」は引き算だから、倦怠期を迎えて離婚する・・というあらすじは、
よくありがちな話だと片付けてしまいそうになるが、
そこを真正面から描いている点に新鮮味を感じた。

劇中、禿げてダメ夫になったディーンの存在が、妻のミシェルにとって疎ましく思われ、
別れるきっかけになったのかな?とか短絡的に考えてしまったりしたが、
幼い愛娘を前にして、どうもそれだと、2人が別れる動機としては弱い。
観ていて、2人が別れる明確な理由が見当たらないのだ。
しかし、傍目から観て確実性がなく理解できないところが、夫婦の「リアル」なのだろうか。
今でいうと逮捕された内田裕也を見放さない樹木希林の理解しがたい感情にも似ているか。。。

本作はそういった男女のリアリティを追求してか、特に目を見張る展開の面白さはないのだが、
生々しさを表現する演出と、やはりライアン~、ミシェル~という実力派俳優のパフォーマンスが
なんといっても本作の見所である。

ライアン・ゴズリング
本作で、ちょい太って、頭髪が薄くして(たぶん抜いてる)オヤジオーラを放つ傍若無人な男を熱演。
キラキラと光る魅力的なイケメンだった結婚前とのギャップがすごい
「きみに読む物語」から彼のファンになっているが、以降「ステイ」「ハーフ・ネルソン」、
「ラースとその彼女」と出演。いずれも小粒作品だが、よい仕事の選び方をしているなという印象。

ミシェル・ウィリアムズ
ピチピチだった女子大生から、結婚生活に疲れ、肉体の弛んだママをこれまた熱演。
感情の起伏に圧倒的なリアリティあり。生活感のある濡れ場が相変わらず似合う。
本作でオスカー候補になったので、ホント嬉しかった。

ハッピーだった過去のシーン。運命的な出会いから、2人の燃え上がる感情、鼓動、体温が伝わる。
一方現在のシーン。感情がすれ違い、互いの関係が音を立てて崩れる様がヒリヒリと痛い。

「演技がウマい」とかいうより、「とある夫婦のドキュメンタリー映像を見ている」、
という表現の方が適当かも。

ラストシーンも美しい。

公式サイトのキャッチコピーのように、
「愛を知る誰もが経験のある、しかし誰も観たことないラブストーリー」、
まさにそんな感じの映画だった。

【70点】










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