新作DVDレンタルにて。
朝鮮王朝末期、圧政で民衆を苦しめる貴族に立ち向かう義賊たちの活躍を描く。随所に西部劇映画への明確なオマージュを提示する。正義の味方が悪を懲らしめるプロットは、西部劇と同じだが、アジアの時代劇との親和性は低い気がして、下手な真似ごとに見えてしまった。ワイヤーアクションを多用した豪快なアクションを楽しめるが、その描写にツッコミどころも多く、盛り上がりにいささか水を差す。物語の中心にあるのは、主人公である、復讐に燃える屠者から義賊になった男と、冷徹で非情、敵なしの剣豪である武官との対決だ。倒されるべき本作の悪役は後者の武官であるが、とても魅力的なキャラクターとして描かれており、主人公を完 全に食っている。武官の生い立ちに物語を遡るなど、主人公の背景描写よりも深く描きこまれており、監督の狙い通りのようだ。武官を演じる、カン・ドンウォンの淡麗なルックスと美しい所作、運命の悲哀を十分に感じさせる熱演が脳裏に残る。対照的にハ・ジョンウ演じる主人公にはもう少し違う魅力を持たせても良かったかも。
【60点】
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