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リンカーン/秘密の書 【感想】

2012-11-15 01:23:21 | 映画
「リンカーン/秘密の書」を観た。

大好物な吸血鬼ネタと、「ナイト・ウォッチ」「ウォンテッド」の監督、
ティムール・ベクマンベトフ(覚えられない)の新作とのことで観に行く。

本作は奴隷解放で有名なリンカーンが
実はヴァンパイアハンターだったというトンデモな話だ。

ぶっとんだお話は大いに結構。
本作については、カッコよく、男子をアツくさせてくれれば良いと
多くを望んでいなかったが、まあまあという感じだった。

ヴァンパイアへの復讐心に燃える一般人であったリンカーンは
修行により斧を自在に操る武闘家に変貌する。
それはジャッキー映画の「~拳」シリーズで、
ジャッキーが修行の果てに強くなっていく過程にも似ていて楽しい。
過去作を思い出すと「ウォンテッド」も似たような感じだったな。。。

リンカーンが破壊的なパワーを発揮するとき
「真の力は怒りではなく、真実と対峙したときに発揮されるのさ」と師匠が語る。
そういう話は、使い古された感あれど、やっぱし好きだ。

ダークな世界観とアクションシーンは期待どおり。
ハイスピードとスローモーションを繰り返して、
独特なテンポで魅せるあたりはこの監督ならでは。
リンカーンがヴァンパイアたちを斧でブッタ斬っていくシーンは爽快感あり。
爽快感がありながらも暴力シーンには重量感があるので好ましい。

物語が進むにつれてトンデモ具合がさらにエスカレートしていく。
リンカーンが大統領に上り詰めていくと同時に、
ヴァンパイアたちもアメリカで勢力を伸ばしていき
最終的には、かの有名な南北戦争に決着のクライマックスを持ってくる。
ありえない展開ながら、その時代の風土が丁寧に描かれているので、
呆れることなく、意外と楽しく見れてしまう。

最後の列車でのアクションシーンは
ラーメン二郎ばりにお腹いっぱい感(個人的には不快)があるが、
全体的には結構な仕上がり。

しかしながら、残念なのは、美術や特殊効果に予算をかけた影響か、
キャスティングがショボい。ビッグネームはいなくてももっと他の俳優がいたのではなかろうか。
とりわけ、リーアム・ニーソンを若くして気が抜けたような顔立ちの
地味すぎるベンジャミン・ウォーカーのリンカーン役がイタい。

のぼ~っとした彼のような柔和すぎる顔立ちは、
本作のような緊張感のあるハードアクションには不向き。
「ウォンテッド」のジェームズ・マカヴォイのように
キャラのギャップで見せたかったかもしれないが、その策は失敗してる。
長身のため、遠目でみるとスケール感があってカッコよいのだが、
顔を抜かれると一気に画に迫力がなくなる。
逆にいうともっとハマる人がリンカーン役をやってたら
本作は1.5倍楽しくなったと思う。残念。
リンカーンの師匠役を演じたドミニク・クーパーの方が適役とみえる。
リンカーンに似ているかは別にして。。。

本作に関係ないが、同じリンカーンでも、先週から全米で公開されたスピルバーグの最新作、
「リンカーン」(そのまま)が批評家たちの絶賛を浴びていて、今後の賞レースの目玉になる模様。
「Silver Linings Playbook(原題)」「The Master(原題)」「アルゴ」「リンカーン」と
年末に向けてオスカーコンテンダーが出揃ってきた。ワクワク♪

【60点】

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