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トロール・ハンター 【感想】

2012-08-21 02:01:05 | 映画
先々週になるが、好きになったDVDがあったので、感想を残しておく。

まず、同じタイミングで観た他DVDの感想。

『アンダーワールド 覚醒』 【55点】
 相変わらず好きなプロットだが、スリル、期待感が不足。
 自分の好きな1作目、2作目と比べると、小さくまとまってしまった印象。
 有機質のない近未来セットに味気なさも残った。

『預言者』 【65点】
 ジャック・オーディアールっぽい演出が随所に冴えるが、
 150分という長時間も手伝って、やや冗長で睡眠不足に効く。
 獄中の中で変貌していく主演のフランスの新星、タハール・ラヒムが素晴らしい。
 今後、要注目株だ。

『デビルズ・ダブル -ある影武者の物語』 【70点】
 面白い。事実は小説よりも奇なりとはよく言ったもの。
 史実をエンターテイメントに仕上げるハリウッドの強さ。
 善と悪の2役を圧倒的迫力で演じて魅せたドミニク・クーパーに拍手。

『フランス、幸せのメソッド』 【45点】
 セドリック・クラピッシュの新作とあって楽しみにしてたが、ラストが雑過ぎ。
 まさかの仕上がりにガッカリというか唖然。中盤までよかったのにな。。。

で、気に入ったのは「トロール・ハンター」というノルウェー発のモキュメンタリー映画だ。
映画館で観られなかったため、DVDレンタル開始日の当日、そっこう借りて観た。

そのパッケージデザインからは、明らかなB級臭が漂うが、あなどるなかれ。
「ブレア・ウィッチ〜」を始めとする、数々のモキュメンター映画の中でダントツに面白い。

本作はノルウェーを舞台に、伝説の北欧の妖精(?)であるトロールが現代に実在し(という設定)、
その駆除を仕事とするハンターの男と、そのハンターを取材し
「トロール狩り」に同行する学生たちの姿を追ったものだ。

まず、「トロール」ってのが良い。
姿形を変えて、過去のファンタジー映画に多く出てきた。
やっぱ「ロードオブザリング」のトロールが印象的だ。最近だとハリポタの最終章にも出てた。
その多くは敵役として打ち倒すべき凶暴なキャラとして描かれている。
本作も狩られる側なので、基本的な立ち位置は変わらないが、
家畜を襲う単細胞で図体のデカイ害獣として描かれている。

トロールは「森トロール」と「山トロール」に大別され(分かりにくい。笑)、
その中でも種類が分かれる。姿・形も違えば習性も異なるため、
それに合わせた対策を練らなければならない。

トロールの弱点は太陽光だ。太陽光を浴びると石化したり、体内が爆破したりする。
そこに生理学的な根拠があったり(嘘だけど)、
キリスト教の匂いになぜか敏感だったり、リアリティと虚構のバランスが良い。

深く幻想的な夜の森林や、広大で寂寥とした寒々しい平原など、
北欧ならではのロケーションは、トロールの出現に結構な説得力を持たせる。

「いくら仕事をやっても残業代が出ないんだ。やってらんねぇーよ」といった、
ハンターのおっちゃんの言動も面白い。

クライマックスでの巨大トロールとの決戦では
まだ想像力が豊かだった小さい頃に、
怪獣映画を観た時の、ドキドキ感が蘇った。

低予算だけに随所に安さと粗さはあれど、
それを補って余りある作り手の創造力に脱帽。

記憶に残る佳作だった。

【75点】


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