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KUBO/クボ 二本の弦の秘密 【感想】

2017-11-26 08:00:00 | 映画


祝日本公開。ストップモーションという制作労力を一旦無視しても、素材のリアルな質感を残したアニメーションの迫力に圧倒される。アクション描写も驚くほど躍動的で、ライカはどこまで進化するのだろう。
物語は三味線によって折り紙を自由に操ることのできる能力をもった少年の壮大な冒険を描く。旅のお供はサルとクワガタという変化球。本作はアメリカ人の手により日本のおとぎ話と神話が融合した世界が描かれるが、日本古来の文化・風景の再現は勿論のこと、侘び寂びを感じさせる日本特有の陰影が外れされることなく描かれている。本作を見た外国の人たちが日本を美しい国と思ってくれたら誇らしい。主人公のクボ少年が三味線を奏でるが、三味線の音色ってドラマチックなんだなと感じられ、その魅力に気づいた製作陣の感性はすごい。ライカの前作「パラノーマン~」同様、登場キャラクターが魅力的な個性を放っているのも特筆すべき点だ。「クレヨンしんちゃん」で馴染みの矢島晶子の好演も手伝い、優しく勇敢であるクボ少年は愛されキャラとして観客を映画の中に引き込む。ビジュアルに目を見張る一方で、脚本面はやや見劣るか。早々に明かされてしまうサルの正体には拍子抜ける。大きな冒険が展開するなか、直接的でミニマムな話に閉じてしまったのが個人的には物足りなかったが、これは好き嫌いの問題。他の制作スタジオにはない美学に徹し、無二の映像作品を創造するライカを今後も応援したい。
【65点】
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