から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

ロッキー1 【感想】

2015-12-28 08:00:00 | 映画


「クリード」を迎えるにあたり、復習のためシリーズを見直すことにした。なお「5」は見てない。
まず、シリーズのスタートであり最高傑作であるパート1から。

場末の三流ボクサーであった「ロッキー」が、世界チャンプの話題作りのためにマッチメイクされ、タイトルマッチに挑むという話。ロッキーの相手は雲の上のような別次元のボクサーだ。その現チャンピオン「アポロ」との実力差についてはロッキーも最初から理解していて、勝利できるとは考えていない。だけども、ロッキーにはその試合にかける理由があった。敗北することに慣れ、町のチンピラ稼業に成り下がった自分。失ったアイデンティティーと取り戻し、愛する人に自身のプライドを証明するためにそのリングに立つのだ。「リングに立ち続けることができたら」と挑んだ試合でロッキーは文字通り完全燃焼を見せる。その熱源は不屈の魂だ。何度も倒されても立ち上がる勇気に胸が熱くなる。その結末から、サクセスストーリーを超えたメッセージが響く。

30年も前の映画なのけども今観ても色褪せることがない。キャスティング、脚本、演出、音楽、撮影、ロケーション、すべてにおいて素晴らしい。これが1億円足らずの低予算で作られた映画とは思えない。映像特典でのスタローンによる製作インタビューを聞いて、この映画がいかに奇跡的な産物であったことがわかる。当時、役者として不遇だったスタローンが俳優人生を賭けた映画であり、予算不足によるワンテイク撮影の連続に、ゲリラ撮影に近いロケが続いた。投げられたリンゴはロッキーへの応援ではなく、投げつけられたものだったという。そして、あの時代のフィラデルフィアの風景が染み入り、ロッキーの心象風景とも重なる。生卵5個一気呑み、片手ジャンプ腕立て、加速し続けるランニング、ロッキーステップの駆け上がりと、映画史に残る名シーンのオンパレードだ。
そして改めて観て感じたのは、ロッキーというキャラの魅力だ。ボクサーなのに虚勢を張ることはなく、等身大の自分を隠そうとしない。粋なジョークを挟みながら、誰に対してもオープンで紳士的だ。そして愛する女に一途という男気がある。いやはやカッコいい。
ロッキーシリーズはある意味で、本作がすべてのような気もする。やっぱ傑作。

【95点】

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