から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

さよなら渓谷 【感想】

2014-02-15 00:34:54 | 映画


今週は発狂しそうなほど仕事がシンドかった。
考えても正解が出ない苦しさと、片付かない仕事量による疲労。
毎年恒例の仕事の繁忙期だが、ミスも続いて自分にキレる。最悪。
今日は豪雪だ。会社を出たのが9時で、自宅到着は11時過ぎ。
明日は2週間ぶりの休みだ。ゆっくり寝る。。。

で、溜まっていた映画の感想を残す。新作DVDレンタル。

さよなら渓谷 【70点】
「これぞ日本映画の旨味」といった、味わい深い人間ドラマ。
学生時代、女性に集団レイプをした男と、その内縁の妻の物語。
足し算も引き算も、掛け算も割り算もできない映画。ラストカットが象徴的。
この映画の答えが出ないというより、答えを出すことをためらってしまう。
被害者が負った傷と、加害者が負った傷が対峙する。憎しみと償いが交錯。
倫理的、常識的にはとうてい計れないのが男女の関係なのだ。
互いを求め合うセックスシーンの生々しさが印象的。久しく邦画になかった画だ。
主演の真木ようこの迫力が凄い。賞レースを総取り。いつからこんな女優になったのだろう。
とても興味深い物語だ。久しぶりの読書。原作を読んでいる。

コンプライアンス 服従の心理 【65点】
バーガーショップで、警官と名乗る男からの電話に、従業員たちが翻弄される話。
実話をベースにしており、同一犯による同じ事件が複数あったとのこと。驚愕。
傍からみると「なぜ疑わない?」だが、人間心理の支配は想いのほか容易なのか。
犯人の目は、まず人選びに始まる。その選択を見誤ると失敗する危険性を孕む。
見方を変えれば、犯人の綱渡りに近い犯罪行為を追った物語といえそう。
惜しむらくはその犯人が犯行に至った背景、歪んだ性癖の核心に触れてほしかった。
店長演じたアン・ダウトが見事。プライドに執着するオバサンをリアルな歪さで体現。

V/H/Sシンドローム 【60点】
POV&モキュメンタリーのホラーオムニバス。まずまず。
傑作「クロニクル」で印象づけられたPOV映像の可能性。
本作を観ても、お金がなくても面白い映像が撮れる時代になったのだなーとしみじみ。
本作の監督たちは、皆きっと若い人たちなのだろう。画に勢いを感じる。
その一方で、POVならではのグラグラ映像が結構不快で気になる。集中できない。
中盤以降のオムニバスでようやくホラーを楽しむ。1話目の吸血鬼、惜しいなー。

25年目の弦楽四重奏 【65点】
小品ながら想定以上に面白かった。音楽家という人たちは良い意味で異質だ。
弦楽四重奏団のリーダーが引退宣言をしたことで平穏だったチームに小波が立つ様を描く。
共感しうるリアルな人間模様を描いたドラマであると同時に、
あまり馴染みのない音楽家の価値観・世界観を丁寧に描いたのが良かった。
やはりフィリップ・シーモア・ホフマンのパフォーマンスが素晴らしい。
彼の悲報を知ったのは、この映画を観た2日後。今でもショック。
映画界はあまりにも惜しい逸材を失くしたのだ。



コメント
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