ネイビーブルーに恋をして

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2014年大曲花火大会

2014-08-25 | お出かけ

我が家の恒例行事となった秋田県大曲の花火大会に行きました。
アメリカから帰国して一日を置き陸自の総火演、次の日には
元陸幕長の職場訪問、そして週末には花火大会。


忙しいわー寝てないから辛いわーと(元ネタ知りません)
自慢をする気はありませんが、時差ボケや急激な環境の変化も伴い
まさに怒濤の一週間でございました。

総火演シリーズの幕が切って落とされたばかりですが、
取りあえず週末のこの花火大会についてご報告です。

昨年のこの大曲花火大会エントリは、大会2週間くらい前から
大量の閲覧数が毎日上がってきていました。
それもこれも出発の飛行機に乗り遅れた失敗談、
さらには驟雨に襲われたことからの反省点を盛り込み
「教訓付き」としたせいだと思います(笑)



今年もどうなることやら、と一抹の不安を覚えつつ、

当日の朝を迎えました(わりと本当)

朝焼けがきれいだったのでカメラのテストを兼ねて一枚。

花火の撮影は特殊なので、設定始め注意事項、コツなど、
一年経ってさっぱり脳内から消え失せたそれらの情報を
もう一度確認するだけで前日まる一日かかりました(笑)

レリーズやリモコン機能を使って撮ればよい、というのを読んで
前日にはそのリモコンボタンをアメリカからの荷物の中を全て点検し
探し出すことに3時間費やしたり・・・orz

全てを付け焼き刃で乗り切り、事が終われば速やかに忘れ去る、
という場当たり主義も少し考えものですね。



秋田行きと沖縄行きが早くも満席になっています。
搭乗した便に乗っていた殆どは花火客だったのではないでしょうか。


さて、当ブログを2年前から読んで下さっている方は、
この行事に参加した我が家が2年連続で羽田に定刻に到着できず、
いずれもわたし一人が家族に遅れて現地に到着した、ということを

もしかしたら覚えておられるでしょうか。

さすがに今年同じ轍を二度踏んで三度目を繰り返すわけにはいきません。
いくらそれがブログネタになるといっても物事には限度があります。


そこで万全を期すためわたしたちは駐車サービスを利用する事にしました。


これは、出発の前の時間を指定し、業者に到着デッキまで
車を取りにきてもらい、次の日到着したら持ってきてもらうという
繁忙期の空港利用で酷い目に遭ったことのある人には願ってもないシステムで、
しかも一泊駐車場に停めておく値段とそう変わりない料金設定。

駐車場で空きスペースを探してぐるぐる走り回り、やっと停めた場所から
重い荷物を持って移動せずにすむだけでもありがたいサービスです。


このサービスをする会社のHPを貼っておきますね。


ドリームパーキング

わたしたちは余裕を見て出発時刻の1時間半前に業者に車を渡し、
初めて無事に3人揃って飛行機に乗ることができました。

「なんだか順調すぎて・・・怖い(笑)」
「なんか忘れ物とかしてない?心配になってきた」

参加開始以来波乱続きだったので、「幸せすぎて怖い」状態。



しかしながら何事も起こらず、怖がっているうちに無事に秋田に到着。
ホテルに早めに投宿し、駅ビルにある主催者おススメの比内地鶏のお店で、
美味しい親子丼に舌鼓を打つという余裕まで。



しかもホテルの部屋で集合時間の4時まで仮眠を取り、

体調を整えて出動、という余裕ぶり。

余裕がありすぎて怖い。


待ち合わせ場所の秋田駅には早く到着しました。
駅構内で見つけた、秋田の有名なお祭りである竿燈まつり

提灯がたくさんついた巨大な竿を持つ技が描かれた看板。


わたしたちがアメリカにいる間、TOはこれに行ってきたそうですが、
練り歩く団体の中でひときわ目立っていたのが自衛隊チームで、
何が違うというと、ただ歩いているだけなのに

全員動きに異常にキレがあり見事に統制が取れていた

ということでした。
お祭りといえばねぶた祭りにもTOは誘われて行ったそうですが、
自衛隊のねぶたを見せてもらったところ、それは
どう見ても明治時代の兵隊さんを象っていて、わたしが

「これって・・・青森第5連隊じゃないの?八甲田山の」
「あ・・・」(絶句)

ということがありました。
映画「八甲田山」にも遭難者の記憶のなかにねぶたが登場しましたが、
青森の自衛隊ですからねぶたに慰霊の意を込めるのかもしれません。



新幹線で大曲まで移動します。

車窓からは米どころらしく見渡す限り田んぼが広がり、
一羽の白鷺が飛び立っていました。



大曲に到着。

乗ってきた新幹線「こまち」。



大曲の駅から会場の河原までは約30分歩きます。

途中まではタクシーに乗ることも出来ますが、
交通規制されているところまでです。

去年わたしは日が暮れてから到着したので涼しかったのですが、
一昨年は強烈な太陽と不快な湿度に耐えながら歩いた記憶があり、
この日の涼しさは大変ありがたかったです。



途中で花火が行われる河原に流れる川の橋をわたります。




途中の酒屋さんで飲み物をまとめて購入。

最初から持つと重たいので、できるだけ会場の近くで冷たいのを買います。

酒屋さんの奥にあるサントリーの(動いてない)時計つきポスターは
もしかして、サミー・デイビスJr.?(しかも若い)



共産党や社民党のポスターもそこそこ見ましたが、
このお宅は熱心な自民党支持、しかも粋な(笑)ポーズを取る
安倍総理のカレンダーが・・・。
というか、こんなもの作っているのか自民党・・。 



もしかしたら築100年?という倉や民家がちらほら。



会場到着前から昼花火の音が聞こえていましたが、
着いたころには終わりかけていました。 



席についてまずパノラマで会場を撮影。




桟敷席は一マスいくらで購入しますが、毎年

あっという間に売り切れてしまうそうです。
わたしたちをご招待して下さるのが提供花火のスポンサーで、
こういう企業には優先的にマスが確保されます、

枡席もその周りの野外席も買えない見学者は、下手すると
何日も前から河原にテントを張って場所を確保する人もいるそうです。




2年前は早く来て昼花火もフルで観ましたが、暑い割に

あまり面白くないので主催者の方が去年からやめました。



昼花火は煙を観るようなもので
せいぜいこんな感じ。

指定された枡席に陣取り、一マスを家族3人にもらって、
そこにゆったりと荷物を置きカメラをセットして待ちます。

始まる前にお手洗いに行こうとしたらものすごい列で、
わたしは仕方なく会場を出たところにある仮設トイレまで出ました。
おかげであまり待たずにすんだのですが、帰り道に
枡席のIDパスが首から無くなっているのに気づきましたorz
おかげで再入場するのに苦労しました。


(教訓)
枡席の方、会場を出るときパスは必ず衣服の中に仕舞いましょう。
それから、トイレには普通のティッシュと除菌濡れティッシュを持って行くように。


自衛隊の仮設トイレのような至れり尽くせりの設備ではありませんから、
出た後手を洗うこともできません。(わたしは万全の体制でしたが)




取りあえず2014年度大曲花火大会の始まり始まり~。
まずは皆のシルエットを入れて適当に撮ってみました。

続いて真剣に撮った花火画像をどうぞ。



こういう形に上がる花火を「芯入り割物」といいます。
この花火大会は花火師たちのコンペティションなので、
最初にこの芯入り割物、4層以上の円を描くものが上げられます。

これはよく見ると赤の部分に乱れがありますね。




続いて「自由玉」というのを上げます。

芯入り割物と重複しない自由なものをもう一発上げます。






微妙な色に挑戦した花火もあります。



こういう一斉に小さな花が咲くタイプを千輪といいます。

ちゃんと茎も表現されているものが多い。



煙が綿毛のように糸を引くタイプもあります。
こういうものはだいたい規定の後に続く「創造花火」に
プログラムとして組み込まれます。



点数を付けるにはいい花火の基準があるのですが、

この菊と呼ばれる割物は、まず均整の取れた真円であること。

それで言うと少しこれは中心が歪ですか。

シャッターを押すタイミングも少しの差で開き方が変わってきます。
これは少しだけ早かったかもしれません。



創造花火にはテーマがあります。
これは「ブリリアントカットダイヤモンド」という演技に現れた
四角い花火。



層が三つなので「三重芯変化菊」




ブルーグレーの色が花火で表わせるとは。




これも「千輪」です。




今年はバルブ撮影、露出はF13~16でやってみました。

バルブとはボタンを押している間シャッターが開く機能のことです。
勿論マニュアルモードでISO感度は160。(これより低くならないNIKON1(T_T))
前日苦労して探し出したリモコンですが、電池を替えたのに
作動が不正確で、しかも処理に時間がかかるため(なんで?)
全く役に立たないことが早々にわかり、結局手動で全部乗り切りました。 
来年はレリーズを購入して行こうかと思ってます。行くならですが。



創造花火では速射連発で打ち上げるものが多く、

一つの意匠に他の花が重なってきたりします。

こういうのは、いくつもの花火玉を何十本もの筒に装填し、
導火線によって打ち上げるのです。



創造花火で「氷上のプリンス~決めろ四回転~」

というタイトルのチームがありました。
これは間違いなく浅田真央ちゃんのことだと思うのですが、
「四回転」はこの煙がクルクルと螺旋を描くことで表現していました。



こういう何かを形作るものは「型物」といいます。

文字や星型、ひまわり、蝶、魚、スマイルマーク、
最近ではキャラクターなどもあり平面や立体構造で表わされます。

これは円の中のハート形。



並んだ小輪の花も定番です。




火花が星のように光って露を表現しています(たぶん)




いくつかのチームが必ずおこなうのがナイアガラ。

滝のように空から光の筋がなだれ落ちてきて壮観です。





小さな花が散って行く様子を表わすことも多いですが、

その表情を表現するのも腕の見せ所です。



これは大変お上手な彼岸花。




大変お上手な四重芯菊もの。

わたしがもう少しシャッターを空ける時間が長ければ
花弁の先端に光の変化ができてもっと綺麗だったのですが。

でも本当に花火の写真は難しいです。

 

綿毛のような尾をひくものを「綿菊」というそうですが、
横向きの花を表現したものもありました。 









一つ一つの線が玉のなかに組み込まれている火薬です。

この辺りになって来るとわたしも要領が分かってきて、
かなり的中率が上がってきました。



百発百中、とは言いませんが、少なくとも

規定の花火はほぼ逃すことなく撮れるようになってきます。

花火は練習ができないので、たいてい最初のほうのは
失敗が多くなってしまいます。



玉の中から光が「生えてきた」感じでこういうのは面白いですが、




これなどはもう一息広がりが欲しいところです。

バルブ撮影したのがなにぶん初めてだったので、この辺は課題です。



しかし、こういう花ものは合格かな。




 

すごいなあとおもったのがこれ。

正面から見たところと、横向きの花の組み合わせ。



小花は開いたと思ったらすぐに散りながら光を急激に失うので

シャッターを押すのが遅いとこうなってしまいます。






茎を表現したものはたくさんありますが、ここは葉を付けています。




何を表わそうとしているかは分かりませぬが・・。





下の方の光が何本かたちのぼっていきます。




三脚を立ててブレがないように撮影しましたが、
時々光の筋がこのように震えることもあります。


さて、日本の花火というと世界一との賞賛をほしいままにしていますが、
その中でも特別といわれるこの大曲花火の中興の祖である花火師が、
まだベルリンの壁があった時代、ドイツに行って花火を上げています。

西ベルリン市で行われる花火大会のその前日、彼は
記者会見でこう言いました。

「ベルリンは地上に壁があるが空に壁はない。
日本の花火は何処から観ても同じように見えるので、
西の方も東の方も楽しんで観て下さい」

この言葉を次の日ベルリンの全ての新聞がトップ記事にし、
そのため当日の観客は150万人を超したということです。





コンペティション花火のあいだにスポンサー花火といわれる

企業団体がお金を出して上げさせるプログラムは
花火師たちの腕の見せ所。

ふんだんに火薬も使えるので皆張り切ります。
前にも書いたことがありますが、こういうときに企業は
一つのプログラムに対しだいたい300万円前後をスポンサードします。
わずか数分で消え去り跡形も残らない花火に何百万円。

しかし、瞬間何百万もの人々の目をひき、心を奪い、賞賛を集め、
ついでにスポンサーの名前にも注目が集まります。

思うにこの世で最も粋なお金の「燃やし方」ではないでしょうか。