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平成26年度富士総合火力演習~人員過積載の榴弾砲

2014-08-30 | 自衛隊

総火演の本番は10時からということになっています。
わたしたちが到着したのは7時だったわけですが、
すでにこのときにはリハーサルは始められていました。
もしかしたら「初弾はマルシチマルマルだ!」(当ブログ過去ログより)
だったのかと思われます。



おそらく近距離火力の標的であろうと思われる敵機動車。
(ジープかな)

こういうのを見ると共産党が発狂しそうですね。
ちなみに共産党は総火演の次の日待ってましたとばかり

「国民の税金4億円が2時間で総火演のために使われた!」

と非難声明を出していましたが、これ、そうなんですか?
総火演にはわたしが知る限りわたしの参加した予行演習日、
別の予行演習日と合計3日が費やされているわけ。

2時間で4億ガー!というといかにも瞬時に消えてなくなった、
という風に刷り込めるのかもしれないけど、これもしかして
じつは、全日程合わせて4億なんじゃ・・・・。

だとしたらむしろ少なすぎないか?

たとえばわたしが先日見に行った大曲の花火大会。
これには一晩で4億近くが費やされているのですよ。
総火演と違うのはこれらはスポンサーと観客から
お金を取って賄われていることなんですが、それじゃ
たとえば入場券を販売したらあなたがた一体何といいますか?

それに、花火大会の2時間と予行本番合わせて3日分の
一国の軍隊の軍事演習実弾発射が同じって・・・・・
これはどう考えても

「こんなに安くで押さえるなんて素晴らしいコスパだ」

と褒めていいくらいだと思うんですけどね。



89式装甲戦闘車

いわゆる歩兵戦闘車です。
1989年制式ということはもう25年経っているわけですが、
これが日本が採用した最初の歩兵戦闘車。

ただ兵員を輸送するに留まらず、強力な火砲を持つ、
というのがこの歩兵戦闘車の一般定義です。



軽装甲機動車というのはちょっとハードユースなハマー、
という感じの歩兵機動車ですが、(でも愛称はラブだったりする)
一応これでちょっとコンビニ行って来る、というのは可能です。

派手なので隊員は嫌がるようですが。

武装はないのですが、このように上部ハッチから乗り出して
機関銃や小銃を据え付け、射撃することができます。



この日の軽装甲機動車からはこのように
84mm無反動砲(カールグスタフ)を構えた隊員が確認されました。

この姿勢で下半身はどうなっているのかというと、
ターレットの下にブランコのようなベルトがあって、
そこに座っているのだそうです。

結構安定が悪そうだけどいくら無反動砲でも大丈夫なのでしょうか。



無反動砲には榴弾、対戦車榴弾、照明弾、発煙弾など
4種類の弾種が運用できます。

本日使用するのは榴弾です。
これは手動で狙いをつけるわけですから、射手の能力が問われそうです。



無反動砲の的は緑に白十字?

おそらく十字の焦点に狙いをつけるのだと思いますが、
そうするとだいたいその後ろに飛ぶわけですね。



地面を砲弾がえぐった瞬間。

これものすごい大きさの穴になってませんか?
対戦車用かなあ・・。



弾着したあとも地面で赤く光っています。

これ・・・燃えてるんだろーか?(ヒロミゴー禁止)



砲撃終わりー。



このラヴの旗が赤なので砲撃待ちと思い、ずっとシャッターを構えていたのですが、




発砲。

シャッターが遅れました。
音が聞こえた瞬間はもう実際には射出された後ですからね。
音を頼りにしていて撮れるわけがないのです。



戦車隊射手の基本スタイル。

ヘルメットに赤カバー、透明の眼鏡(サングラス不可)、
そしてヘッドセット。



陣地変換。

なんか違和感のある眺めだと思ったら砲身を
敵地方向に向けたまま移動していたのでした。



これは96式装輪装甲車?

青ヘルメットは何をする人でしょうか。



203mm自走榴弾砲。

よいこのみんなは、どうして戦車みたいに隊員が中にいないのか分かるかな?

この移動中に皆が上に乗る様子はかっこいいですが、
これは実は榴弾「砲」であって人員輸送のためにできていないので、
乗り込むスペースがないってことなんですね(T_T)

wikiには5人しか乗れない、とありますが、
どう見ても8人は乗っていて過積載状態です。



この榴弾砲は航空機でも運べるように小型に設計されています。

なので、砲撃には13名必要なのに、全員乗れないのです。

通常はあぶれた8名は別の車で一緒に移動するそうですが、
この演習では最初から最小人数で砲撃を行うようです。

木の枠を持って走っている人がいますが、弾薬の枠でしょうか。



いつの間にかブルドーザーのスコップのような部分が降りてきて、

地面に設置されました。
砲撃したとき反動で車両が後ろに下がるのを防ぎます。
これを英語でspade、日本語では駐鋤(ちゅうじょ)といいます。



後ろに手を組んだ隊員が砲手でしょうか。

202mm榴弾砲は砲撃に13人も必要な割には
小さいので弾薬が2発しか携行できないそうです。



青いヘルメットの人は大きな青い旗を広げています。

これはどんな意味があるのでしょうか。
そもそも誰に向かって合図しているのか。



今から弾薬を装填するようです。




尾栓が開いています。

もちろんファインダーをのぞいているときには気づきませんでした。
写真を拡大して初めてわかることも多いです。

昔はこの尾栓が開いたままちゃんと締めずに点火すると、
先日話題になった日向の砲塔爆発みたいな事故になりましたが、
きっと今では締めないと発射できない仕組みになっていると思われます。



これも拡大してみなくてはわかりませんが、左手をハッチにかけて

立っている隊員は右手に砲尾のハッチから繋がった鎖を持っています。
これがチェーンランマ(鎖の装填装置)でしょうか。



作業が終わった隊員は順次不動の姿勢で待っています。




と思ったら155mmの砲身がいきなり火を噴きました。

どこが次に撃つか旗だけでは全然わからないんですけど。



とかなんとか焦っていたらわたしの見ていた榴弾砲が射撃。

間髪入れず赤い旗を取っています。



砲尾のハッチを開いているところ。
ほとんど砲撃が終わった次の瞬間の動作です。



一部アップしてみました。

中から白い煙が噴き出しています。
赤の旗を緑に付け替える作業も瞬時に行います。



車体からアームが降りてきて、その先端に

ネットのようなものに弾薬を入れているようです。



アームが上がって行き、そこから装填されるようです、

弾薬を上と下で受け渡しするのは危ないからってことでいいですか。



二弾目の弾込め完了。



最初に「リハーサルだから空砲に違いない」と書いたのですが、

榴弾砲も迫撃砲も全て実弾でやっています。
ここだけでなく、フィールドに配置された他の榴弾砲からも
次々に発射されるのであたりが曇ってきてこんなになりました。



煙って何をしているかほとんどわかりゃしねえ(笑)


しかし青ヘルが青い旗を片付けているので陣地変換の準備でしょう。



今まで何処にいたのか、いつの間にか11人がいます。

おそらく操縦席に後二人が乗っているものと思われます。



またしても木の枠を持って走っている人が・・。

あまりの速さに画像がブレてしまっています。

しかし、13人の共同作業とは、人出が要りすぎないか?
と思ったら、やはりこの榴弾砲はもう開発国のアメリカでも全て
引退してしまって使われておらず、日本でもそろそろ引退が
ささやかれている型だそうですね。

なんと1956年に開発が始まり、日本でのライセンス生産が始まったのも
83年ということですから、それも当然かと思いますが・・。



でもこの、兵員山積みで走って行く様子が何とも言えず

前時代的な風情があってよろしいじゃないですか。

冒頭写真なんか見てもこういうのかっこいいと思いません?
もし後継型を開発するとしても、今の技術なら13人もの砲員を

必要としなくてもすむようになるんでしょうね。

ただ個人的な好みだけで言わせて頂くと、現実の防衛という点から見て
取りあえず危急を要しない火砲に関しては、一つくらいこういう装備が
残っていてもいいんじゃないかと思います。

個人的な好みで武器を語るなと言われそうですが。



続きます。