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平成26年度富士総合火力演習~迫撃砲の撃ち方

2014-08-27 | 自衛隊

先週行われた総火演の予行演習に参加しました。
前日の夜から御殿場にホテルを取り、朝の6時に状況開始したおかげで
二列目の通路側という願ってもない位置に座ることができ、撮影開始。



10時から予行演習の本番が始まるのですが、会場では

すでに予行演習のリハーサルが行われていました。
ってややこしいな。
つまりこの日の予行演習です。

このリハーサルが装備品の紹介演習なのか、それとも後半の
島嶼部に対する攻撃への対応を想定した演習のためなのか、
それは分かりませんでした。

87式偵察警戒車が三台敵の方向を向いていますが、
なんと、外側に隊員が出て不思議な姿勢を取っています。



アップにしてみました。

90式戦車は、砲塔から外に顔を出して攻撃目標を確認する、
ということを知ったばかりのわたしが想像するに(笑)、
87式という制式からも窺い知れる通りこの偵察車には
ハイテクサーチシステムやモニターがないため、おそらく
こうやってハッチの中の人に偵察内容を伝えるのではないでしょうか。

さらに調べたところ、87式偵察警戒車、通称RCVには、

車長、砲手、操縦士、前部偵察員の席の上面に各々専用のハッチがある

とのこと。
つまり、この隊員は前部偵察員で、機関砲の砲手に
現場の状況を伝えているのだと思われます。

しかし実戦でこの態勢を取るのは怖そうだな(笑)



先ほどまで前方にいた90式戦車がバックしてきました。
撃ち終わって陣地交換です。
前進のときには出ない黒煙がもうもうと上がります。



ローマ数字で「III」とあるのは、おそらくこの部隊が


戦車教導隊3中隊

であるからだと思われます。 



87式偵察警戒車ですが、ここから見ても
ハッチが二つ開けられているのに注意。
一つは偵察員用、一つは砲手用と見た。
さすがに移動中は上に乗りません。当たり前か。

正面の斜面や段に見えているマークは、
それぞれが後半の演習で実弾をぶっ放す仮想敵陣地です。
さすがにリハーサルでは実弾ではなく空砲であると思われます。



えーと・・・・この地味なジープはなにゆえに?
と思ったら、中から一人降りてきました。



走ってRCVに乗りました。
人員調整?



続いて偵察隊のリハが始まりました。
偵察用オートバイ、通称オートの偵察部隊登場。



参加人数は6名くらいだっけ?
おそらく隊員の中でも技能に優れた選抜メンバーに違いありません。



整列の合間に一瞬私語をかわしたところを撮ってやったわ(勝ち誇り)
口元を迷彩のスカーフで(暑いのに)隠しているので一見分かりませんが。



おそらくこれがオート隊隊長。
(左腕のマークから判断)

「野郎ども!いくぜいっ!」



「へい隊長ガッテンでいっ!」



一人ずつわたしの目の前のバンプをジャンプするのですが、
なかなか撮影のタイミングが合いません(T_T)
なぜ連写モードに切り替えなかったわたし?



辛うじて写っていた中で乗り手の姿勢が一番良かったもの。



全部映ったけど姿勢は上の写真の方がいいかな。

わあああ撮れない!また失敗!連写にしなきゃ!
とやっている間に終わってしまいましたorz



おつぎは96式装輪装甲車。
先日見学した広報館「りっくんランド」の庭にあった
イラク派遣のために日の丸が描かれていた、あれです。

さっきの偵察車とはホイールの数が2つ違います。
隊長らしき人がハッチから出たと思ったら、
右型のハッチが開きました。



もう一人出てきました。
右前側のハッチは操縦士で、左は車長兼分隊長であろうと思われます。
隊長は眼鏡をかけて髭を生やしているように見えたのですが
拡大したら眼鏡は透明のゴーグル(飛散物防止)、髭はインカムでした。



リハーサルですが96式は実際に砲撃をしていました。
ドンパチやって的が壊れたりしない装備は実弾でやっていたようです。
96式の武装は二種類ありますが、いま飛翔しているのは

96式40mm自動擲弾銃

の銃弾ではないかと思われます。
もう一つの武器

12.7mm重機関銃M2

とともに、社内からの遠隔操作、あるいは乗員が車外へ身を乗り出し
直接操作を行うことができます。


96式の後ろのドアが開いています。
96式装輪装甲車の第一目的は兵員輸送。
1台で輸送できる兵員数はフル装備の場合で10名、装備なしで12名。

赤や青のカバーをつけたヘルメットの戦闘員たちは
後ろのドアから走り出てきて状況を行います。



96式の中が見えるので拡大してみました。
決して狭くはありませんが、ここに12人はきつそうだなあ。
きっとエアコンもないだろうし(笑)



このときはリハーサルで何の説明もなかったのですが、

おそらくこれは発煙弾が撃ち込まれたのではないかと。

発煙弾(smoke grenade dischargers)は文字通り煙幕を張って
敵の視界を遮るものですが、この状況で発煙弾が撃たれたわけは、

随伴歩兵の進撃を援護するという意味があるのかと思われます。



掩護射撃を請け負う兵員と、銃を構え走る兵員。

彼らは81mm迫撃砲隊です。



81mm迫撃砲が撃ち込まれました。


爆発のさまを

「終わったな・・・」
「ああ・・」

といった感じで眺める隊長と操縦員。(違うと思う)



戦闘が終わり引き揚げます。

後ろのドアはステップになり、乗り込むときに便利。



終わった♪ 終わった♪

と引き揚げてくる96の隊長さんをアップ。



何もこんな大きくしなくとも・・・。

というか、隊長さん、ちょっと意外なタイプじゃありません?
戦車隊の隊長ったら、もっと獰猛な、いやなんというか
ワイルド系orガテン系or体育会系あるいはその全部、
ってイメージがあるんですが、そのどれでもないという・・。



81mm迫撃砲の陣地変換。

でもこんな無防備な車、戦地で大丈夫なのか。



迫撃砲を牽引する車も無防備といえば無防備です。
しかし迫撃砲は火力の種類としては中距離火力に属する武器で、

96式装輪装甲車などよりずっと遠くを攻撃することができます。
装甲がなくても大丈夫という設定なのだと思われます。



81mmに続いて120mm迫撃砲隊。

何となく連続写真を撮ったので

「誰にもわかる!迫撃砲の組み立てから発射まで」

まずは牽引してきた迫撃砲を車から外します。
重いので全員で協力して作業をしましょう。



ちなみに青い頭の人は旗を揚げて合図を送る係、

赤い頭の人は砲手です。
この砲手が迫撃砲を直接撃ちます。

敵陣に向けて最適な場所に動かし、セットします。



砲手を入れて5人一組で操作を行いましょう。




砲身を適度な角度に上げ、本体を固定します。

青頭の人が作業の過程を見ていますし、後ろのジープから偉い人が
見張っているので真面目にやりましょう。



3人がセッティングを続ける間に、砲手ともう一人が

右の兵員が車から出して地面に置いた木箱を取りに走ります。
このなかには迫撃砲弾が入っています。

迫撃砲弾は120mmで約18キロから20キロくらいの重さです。
これは、兵士一人で装填できる限界の大きさだと言われています。



なぜ後ろ向きの隊員が脚を掛けているのかは分かりません。

向こうの隊員は砲口に付けられた鎖のついたストッパーを外し、
右の隊員は手回しハンドルで旋回俯仰を行っているようです。

誰一人として何かしていない兵員はいません。当たり前か。



砲手がまず箱から砲弾を出します。

その間も二人の隊員が車から予備の砲弾箱を降ろします。

ちなみにこの迫撃砲を扱っているのは

普通科連隊の重迫撃砲中隊

です。



シェルが出てきました。

この黒い筒に迫撃砲が入っています。
重いので取り扱いには十分注意しましょう。




迫撃砲弾は信管が組み込まれた弾頭部分を分けた状態で輸送し、

装填直前に装着して使います。

青ヘルの右側のガタイのいい兵員はその作業をしています。




弾薬の準備が整う前に、赤ヘルの砲手が砲の前に直立します。




青ヘルがまず手を挙げて合図します。


「いまから迫撃砲撃ちま~す」



砲の向こうに回って迫撃砲弾を装填しましょう。

青ヘルはこのとき「いまから砲撃」の赤い旗を上げます。



迫撃砲弾の部分アップ。
これだけで18キロって・・。
この段階では信管が装着されているので、万が一落としたら

・・・・・・・どうなるんですかね?

やっぱり爆発する?



砲身に迫撃砲弾が埋まるように慎重に行います。
砲身の内側にはライフリングという螺旋状の切り込みがあり、
砲弾面にはこれと噛み合わせるための突起が刻まれています。



砲撃の次の瞬間。

砲手はもうすでに起立の姿勢に戻っています。
砲の周りには熱による空気の歪みが・・・。

迫撃砲の場合はあまり耳にダメージはないのか、だれも
耳を保護するような装備はつけていません。

ただ、砲弾を装填する兵員は、いくら砲身が殆ど上を向いているといっても
発射される側に立っているわけですから何かあったら危険ですね。



装填と砲撃は二発行われました。




すぐ迫撃砲のお片づけをして迅速な陣地変換に備えましょう。
ストッパーをはめ、砲を元通りに寝かせ、
砲弾の入っていた木箱を車に乗せます。



そして砲身を機動車の後ろに牽引できるように連結し、
陣地変換となります。

よくできました 



平成26年度富士総合火力演習、リハーサルまだまだ続きます。