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第一空挺団降下初め「優しくなくては空挺団ではない」

2013-01-20 | 自衛隊

観衆が降下並びに訓練を見守った土手の上からフィールドに続く道、
そこで人がせき止められているのを見て、下に行けることを知りました。
間近でヘリや戦車を見るチャンスです。



これらのヘリにも近づけるのですが、一人立っている隊員が
「準備が整うまでお待ちください」
そう言われたらたとえ仕切りがなくとも誰もそこから動きません。
さすがは日本人。

準備をしている間近寄っていいのはPAC-3と戦車など。



戦車の周りに人が集まっています。






戦車は洗車中。
先日訪れた台湾では、タクシーやパトカーが全く洗車していないらしく、
やたら汚い車が走り回っていたものですが、さすがは日本。
泥だらけでも当たり前の戦車を使用後にきれいにするとは、びっくりです。



まだ顔に迷彩が残っています。

さて、そうこうしているうちにフィールドに自由に行けるようになりました。
そして何気なく下を見てみると・・



こんなものが落ちていました。
これなんですか?
なんか弾薬関係か薬莢ではないかと思うんですが。
拾って帰ればよかったかなあ。



ただのトラックに見えますが、これでもちゃんとした武器。
「94式近距離地対空誘導弾」。
誘導弾の発射装置です。
防衛省の研究部門が開発し、東芝が製作しました。

「どのくらいの距離を飛ぶんですか」
こんな質問をしていた人が横にいましたが、
「それは機密事項ですので」
とあっさり言われていました。
そりゃそうでしょうな。




これは・・・トラックにはさすがに見えません。
96式装甲車。


それでは、フライングエッグから近づいてみることにしましょう。






いきなり中を覗き込んでみると、パイロットのヘルメットが・・。



輝け!みちのくと書かれたシール。



後部を見られるように開けてくれています。



写真を撮ってみましたがこれがなんなのか見当もつかず。
なんでこんな見るからに柔らかそうな素材のものがヘリに内蔵されているのか。
もう少し粘ったら、自衛官が横に立って説明してくれたんですが・・。
このあと資料館である「空挺館」に行きたかったので我慢しました。

空挺館、結局行けなかったんですけどね。



テールローターは目立つように白と赤でペイントされています。



お次。
真ん前から見るとわかりにくいですが、OH-1,ニンジャです。
このニンジャは「観測ヘリ」。
どうして観測ヘリに宙返りしたりするような機能が搭載されているのか。
武器を積んでいないので、できるだけ逃げ足を早くしたとか?

 

サーチライトに隠れミッキー発見。



この角度からが非常にかっこいい。
あまりにもヘンタイ的な動きをするので、アメリカ軍が驚いたというのは本当かな。



UH-1J。
これはパイロット二名に加え、11人乗ることができます。

 

「微笑んでいる」といった意味が分かっていただけたでしょうか。
これは・・・・カエル?亀?

右側はAH-1Sの後ろ姿。
やたら薄いのに、両脇にものすごい武器を抱え込んでおります。



何しろこのコブラ、用途は対戦車ヘリです。
このいかつい装備はこのヘリが「ガンシップ的なもの」を目指したから。



AH-64D、アパッチロングボウ。
近くで見ると、ローターの上の鏡餅というかちょんまげがでかい。
この形状のものをレドームと言いますが、この大きなレドームが
このアパッチの大きな特色になっています。

このヘリも戦闘用なので武装がものすごいです。
このヘリはたとえ20ミリ弾くらいのものが命中しても30分飛び続けられるのだとか。
どういう仕組みなんでしょうか。



アパッチ、後ろ姿。
こうしてみるとレドームの大きさと機体の幅、ほぼ同じくらいですね。



展示の一番端にあるCH-47チヌークに近づいてみました。





ローターの角度が完璧に下向き。



先についているとんがった針先には、
安全キャップをつけていました。
ロープが張られているので近くには近寄れないのですが、
それでも万が一のことを考えてのことだと思われます。



これはなんでしょうか?

これ、チヌークのローターのエッジです。
どうも、中が空洞になっているように見えるのですが・・・・。



真後ろから写真を撮ってみました。
これもカエル?



中が見えるように後ろのハッチを開けています。
内壁は緩衝材のようなものを貼りつめている模様。
万が一の時にもけがをしないように。



脚立は何のために?
それからあの、椅子とかないんですか?
皆どうやって離陸の時とか体を固定しているの?



窓が一つだけドーム型のガラスです。
おもに上空を見るためかと思われます。
空気抵抗を防ぐためか、この出っ張った窓ガラスは一つだけ。



ここで、PAC-3のところへ行ってみます。



隊員がブルーのマフラーをしていますが、迷彩が微妙に違うのは、
彼らが陸自ではなく空自の隊員であるからです。
空自のブルーなのですね。

隊員さんが抱っこしているのはママに連れてこられたお嬢ちゃん。
パパと記念写真です。
それまでの厳しい表情が破顔一笑、すっかり「パパ」の顔。



警備だろうが戦車隊だろうが、つかまえては質問するおじさん。
どの自衛隊イベントにもいます。



各機の前では隊員が子供たちのためにヘルメットを被らせるサービス実施中。



ヘルメットが大きすぎて、全く顔が見えなくなり、隊員さんも思わず大笑い。



このように立っていますが、何か聞けば一生懸命教えてくれます。
ただし武器の性能に関して根掘り葉掘り聞いても答えてくれません。



ここは「体験コーナー」。
落下傘の降下部隊が背負うパラシュートを背負わせてくれます。



「お、重い!」
訓練ではこれ担いで走ったりするんでしょうねえ・・・。

 

先の震災での第一空挺団の活躍ぶり。
会場のモニターに流されていた空挺団紹介のビデオでは

「強くなければ空挺団ではない」
「賢くなければ空挺団ではない」

そして、

「優しくなければ空挺団ではない」

この三つのモットーが彼らの活動とともに紹介されていました。
軍隊が「優しいこと」を強調する国、日本。
確かに世界レベルで見る限り、少し不思議な傾向ではあります。

しかし、国を守る義務を負って「ことあれば生命の危険を顧みず」任務にあたる、
責任感の源はどこかというと間違いなく「人を愛する」ことなのです。
逆に言うと、人が愛せなければ戦うこともできないと言いましょうか。




74式戦車の前では隊員さんがヘルメットを被らせてあげるサービスをしています。
そこにやってきたのはお兄ちゃんと妹。
お兄ちゃんには自分のを被らせてあげるよ、と隊員さん。
この期待に満ちた子供の目をご覧ください。



じゃ一緒に写真撮る?



女の子はピースサイン。



じゃ、敬礼してみる?
「敬礼!」
隊員は陸自式、男の子は海軍式敬礼です。
この隊員さん、なんかいい感じですね。

この二人があまりにかわいいので、しっかり連写してしまいました。
わかりにくいように写真を小さくしてみましたが、
それでも二人のキラキラした目はお分かりいただけるかと思います。

小さい子がカメラでヘリを撮っていると
「一緒に撮ってあげようか?」と声を掛けてあげている隊員もいました。
つれなく、「いい」と一言で断わられていましたが。

全てが終わり、空挺館をぜひ見学しようと、出口に向かいます。
HPに「三時締切で空挺館が公開されている」と書いてあったので、
またもや歩いて演習場を出ました。



演習場の駐車場内から出口まで延々と続いた車の列はほとんど動きません。

この演習場と習志野基地は隣と言えば隣同士なのですが、何しろどちらも広いので、
歩いて移動すると優に20分以上かかります。

やっとのことで、到着すると、



あれ?誰も入って行けないみたい。



習志野基地正門。
なんと、警備の隊員によると空挺館の入館受付は2時で終了していたとのこと。
10分ほど遅れたので入れませんでした。

残念。

でも、これで来年またここに来る目標ができました。
少し様子もわかりましたし、その頃にはもう少しカメラも使いこなせているでしょう。

今度は準備を万端整えて臨みたいと思います。

とにかく噂の第一空挺団の頼もしさを目の当たりにして大興奮の一日でした。
来年もまた来るぞ。