ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

2013年度第一空挺団降下初め「我が丈夫は天降る」

2013-01-18 | 自衛隊

こういうイベントから帰って来るたび、巷にあふれるバズーカみたいなレンズで撮った写真と、
ツァイスレンズ搭載とはいえ、小さなデジカメで撮った写真の明らかな差に、
「一眼レフで撮ってみたいなあ」
と、ついついカメラの商品比較ページなどを開いてしまったりするのですが、
ここでふと我に返り、当ブログの「本来の目的」は決して写真そのものではなく、
それを見たことを皆様にお伝えすることなのだから、と思い直すわけです。

しかもですね。
そもそもよく考えたら、エリス中尉、買って半年になろうとしているのに、
いまだにカメラの説明書を一度も読んだことすらなかったんですねー。
これでまともな写真が撮れたら誰も苦労せんわ。

今回も、実は取り扱いがわかっていないための失敗を幾度となく繰り返し、
こんな体たらくでは、せっかくのツァイスがすすり泣くのではないか、
といつものようにイベントから帰ってきて深く反省したエリス中尉、
意を決してちゃんとマニュアル、読みました。

次のイベントからはもう少しましな写真をアップできると皆さまにお約束します。

というか、こういうのの使い方、教えてくれる教室みたいなものはありませんか?
(あくまでも他力本願優先のエリス中尉である)

さて、それはともかく、空陸からの偵察隊侵入、陸戦隊の配置に続き、
いよいよ空の神兵、落下傘部隊である第一空挺団が
*:.。..。.:*・キタ*・゜゜・゜(゜∀゜)゜・*:.。. .。.:*・゜゜・*!!!!



第一空挺団のシンボルともいうべき、輸送機C-1登場。
見た目がいかつくて鈍重にも見えるのっそりした体躯でありながら、
意外と敏捷性があって90度の旋回が可能。

「走る鳥的」とエリス中尉命名してみましたが、なぜか心惹かれる
「キモかわいさ」を持っています。(よね?)

航続距離を長くすることに対し、覇権主義的だと当時も左派勢力が騒いだので、
それに配慮して硫黄島や沖縄に行くのさえ増槽が必要になってしまいました。
当時の首相、佐藤栄作が、野党の批判をかわすためにこんな先を見ない仕様にしたのです。
そもそもも運用されてすでに30年以上にもなるご老体ですから、
今後少しずつC-1は置き換えられて引退していくようです。



使用されたC-1は4機。
一回につき10名が降下します。
ぱらぱらとC-1が卵を産むように空に落下傘を撒いていく感じ。
そして冒頭写真は全員が「産み落とされた」瞬間。
10の落下傘が一列に並びます。



赤いのは救命具であるという話でしたが、確かめてません。
ちなみに、わたしはこの降下初めを初めて見たのでよくわからなかったのですが、
なんでもフリーフォールで空挺団団長が降りるのは初めてだったという話です。
これって、毎年恒例、当たり前の行事じゃなかった、ってことですか?

だとしたら団長、漢だなあ。



きっと二番目の飛行機のどれかが、エリス中尉の後ろに立っているおばちゃんの息子、
「マサル」であると想像する。
自分の息子が空挺団にいるって、母親としてはどんな感じなんだろうなあ。


実は、このイベントに参加するにあたって、付近のホテルを予約することを考えました。
ホテル探しをカード会社のデスクにお願いしたのですが、
「付近のホテルはどこも満室で・・・・幕張まで行けばあるということですが」
「いや、幕張から行くなら家から行ってもあまり変わらないかもしれません」

思ったよりこれは人気のある行事だったのね、とその時は思ったのですが、
よく考えたら、たとえば二番機から降下したマサル(三曹)のご家族のように、
前日、大阪市浪速区から上京して、そこからさらに電車を乗り継いで、
息子の晴れ姿を見に来ているような人たちはホテルに泊まるしかありませんものね。



同じような写真が続きますが、飛び降りた瞬間の隊員の態勢、
どれもすごいことになっているのをお見せするため。
これ、頭が下になってませんか?



しかも、ほとんど間を開けずきっかりと同じ時間で飛び出していく・・。
そして、等間隔に傘の花が咲いていきます。



ところで、この降下中、ずっとアナウンスは
降下の瞬間がわかるような「降下降下降下!」という合図を出していました。
実際の隊員の降下とそのアナウンスがぴったりリンクしていたのはなぜでしょうか。
このあたりのシステム、どなたかご存知ないですか?




足の先に何かぶら下がっています。
最初は一緒に落下するのですが、途中で紐を伸ばし、この状態になります。

ところで、みなさん、指揮官降下のとき、つい脳内で円博志「夢想花」
が流れてしまったエリス中尉ですが、この日流されたBGMに関しては、
並々ならぬ興味と関心をもって注意深く耳を傾けていたのです。



ただでさえ流れてくる音楽を聴きたくなくても聴いてしまうのが音楽関係者の習性ですが、
果たして降下の際、どんな音楽が使用されるかは特に重大な関心事であったわけで。

そして、流れてきたのは

「He's A Pirate」(彼こそ海賊~パイレーツオブカリビアン)!

これははまっていましたよ~。
それから、おお、と思ったのが

「坂の上の雲」テーマソング

自衛隊でどうやら最近多用されているこの「坂の上の雲」。
やはり海軍の話だから?
そして「地獄の黙示禄」でおなじみ

「ワルキューレの騎行」

そして・・・

「空の神兵」!! ♪ .∵・(゜∀゜)・∵. ♪

これが流れたときに、一字一句違わす心の中で一緒に歌えてしまった人間は、
この時習志野演習場にいた観客の中でもおそらくエリス中尉だけであったのでは、
と自負するくらいわたくしこの曲に思い入れがあります。
これがいまだに第一空挺団の事実上の隊歌だと聞いたときからです。

よもやまさか、妙なクレームに屈したりしてやめてしまっていないだろうな、
と心配していたので、いや、心から安心しました。

実は・・・それどころか、どさくさにまぎれて、結構軍歌がバンバン流れていたのは
ここだけの話(´・ω・`)


「我がますらおは天降る 我が皇軍は天降る~わがこうぐんは~♪」



チヌークから戦闘物資が落とされます。
この間、BGMにかぶせて、各部隊間の通信もすべてアナウンスされます。
「何とか部隊どこそこに配備」「了解!」

幼き日、一度でも戦争ごっこをしたことのある男の子なら、ワクワクしてしまうでしょう。



次々と地面に降りた部隊と、いつの間にか終結した部隊が。
しかもこのひとりひとりが自衛隊最強精鋭です。



チヌークから落とされた武器?を取りに行く。



こちらは降下隊員が足の先に吊るしていた物資を外しています。



当たり前ですが常に移動は全力疾走。
2日寝ないで何十キロも装備を担ぎ行軍する訓練もある部隊。
俗に「最狂の部隊」と呼ばれる所以です。



こここれは、どう見ても、銃・・・・?
いまさらですが、降下隊員は今フリーフォールではなく、
「飛び降りれば自動的に傘が開く」やり方で降下しています。
たぶん、「空の神兵」で見たように、Dカンを降下口に引っかけて
飛び降りると同時に傘が開くのでしょう。



マサル「おかん、見てるか~?!」



どうも、物資と人間は変わりばんこに降下しているようです。





きっと風圧に耐えるのも大変なのでしょうね。
なんでも、雪が振ると、彼らの迷彩服は「雪上迷彩」になるそうです。
雪が残っている習志野で「雪上バージョン」をやってくれたらぜひ見たい。



完全に頭が下になっている・・・・。
飛び降りるとき、C-1の時速は200キロを超えています。



4機のC-1が20人ずつ、総勢80名の隊員が降下を終わりました。



続いてC-47Jがジープを輸送してきました。
軽装甲機動車を運んでいないのはもしかして「リスク軽減」?
なんでも、過去、これに失敗して車をダメにしたことがあるとかないとか。
確かに突風でも吹いたら一発でひっくり返りそうです。



120ミリ重迫撃砲ももれなくついてきます。
このあと接続してセットで使用するためです。



おじさん、邪魔 (´・ω・`)
なぜ最前列なのに立つ(怒)



無事に降ろされた車を確保する。



そして、チヌークの後部から・・・・・・・



ロープを伝って何人も降りていきます。
ということは、ひとつ前の写真は全員安全ベルトの類いはしていないと。



UH-1登場。
なんでも対戦車用の地雷を撒いていたようです。



緑のテントは偽装用。
テントの下で迫撃砲を準備しているのが見えます。



フライング・エッグ。



ニンジャ。
それにしてもみんなここぞと思いっ切り派手に飛んでませんか?



コブラが二機で攻撃。



ここでちょっと休憩。
前列にいた人の斬新なヘアスタイル。(前頭部)



敵陣に向かって迫撃砲を撃ちまくり。



派手に火の手の上がる敵陣地。
中国からも韓国からも新聞の取材が来ていたようですが、こういうイベントを
彼らはどういう気持ちで眺めるのでしょうか。
特に中国からの記者は。



狙撃手が乗っています。
どうやら負傷者が出た模様。



ヘリのテールの上部に見えているのが
「負傷兵とそれを運ぶ戦友」の図?
これだけやって負傷者が一名とは、すごいなあー(棒)



そこに出てきたのは、PAC-3。
そう、ここには空自の基地もある、と最初に説明しましたが、
空自の対空ミサイル部隊もここ習志野には配置されています。



これはすごい。
チヌークの先に狙撃手が数人。
ヘリの動きに合わせてロープの先はブランコのように大きく揺られます。
ジェットコースターどころではないスリルで、高所恐怖症の人なら死ねるレベル。

 

四人います。
これ、こちらがターゲットにならないのかしら・・・。
右はカメラを傾けて撮ったのではありません。

そして見事敵を制圧。

終了の合図です。

次から次へといろいろあって、シャッターを切るのに夢中、
いろいろ状況説明もしてくれているのですが、そっちに気を取られると
目の前では次の展開が・・・、といった調子で、
あっという間に終わってしまいました。

訓練そのものは30分くらい。
そんなに早く終わる?という感じですが、あの日本海海戦も、
結局30分で勝負がついたと言います。


あと一日、訓練後の模様をお伝えしようと思います。