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台湾を行く~犬と猫と鳥と

2013-01-29 | お出かけ

日本だろうがどこだろうが、犬猫鳥を見かけるとシャッターを押します。
所変われば動物代わる。
日本では見られない動物の生態が見られれば旅は尚楽し。

というわけで、今回の台湾旅行で撮ってきた動物の写真をお届けします。
といっても、アメリカの自然保護区にいるような貴重な鳥動物などではなく、
その辺の野良犬野良猫野良鳥ですので念のため。



全く関係ない話からですが、1月1日の台湾のテレビニュースでは、
なんと紅白歌合戦でMISIA(米希亜)が砂漠の歌姫になった!
というニュースが流れておりました。
どの辺がニュースなんだかさっぱりわかりませんが、台湾って、
結構日本の芸能界に精通しているんですね。

こんなニュースを見ながら元旦、台南に出発。
台南に着いた次の日、さっそく以前お願いした「飛虎将軍廟」を見学。
そのあとタクシーで、オランダ統治時代の古城、ゼーランンジャ城、
そしてプロビデンジャ城を観に行きました。

 

みなさん、昔々、台湾はオランダに支配されていたって知ってます?
大航海時代(15世紀)にポルトガル人が発見し
「イル・フォルモサ」(美しい島)と名付けたのが台湾。

その後オランダ人がこの地にやってきて植民地支配を計画。
当初、彼らは住民を比較的良く扱い住民も好意的だったのですが、
城塞の完成とともにオランダ人たちは本性を剥き出して圧政を加え始めました。
歴史を紐解くまでもなく、当然の世界の常識からして自然の成り行きです。
人頭税(人間の頭数に応じて課税する)によって重税を取立て、台湾人を人間扱いしない、
ただ搾取するだけの典型的な植民地として、オランダはこの地を経営しました。
そして大陸から大量の漢人を呼び寄せます。
先住民と移民の対立を利用した分割支配を行うためです。

台湾中興の祖といわれる鄭成功(成功大学の成功です)がオランダを制し、
台湾人の手にこの地を取り返すまでの38年間、この城は使用されていました。

この鄭成功についてはまた別にお話ししたいことがあります。

このお城のある地域は、昔はもっと海がせまっていたそうですが、
今は工場や住宅街がある比較的にぎやかな街ができていました。



このゼーランジャ城一帯を記念館とした一角の道向かい。
向こうのほうに「屋上の上に増築した家」がありますが、これも
台湾でしばしば見かける建築様式(?)でした。



シュールです。

「台湾って地震なかったっけ」
「あったよねえ」
「あれ、もしかして台の上に家乗っけてるだけなんじゃあ・・・」
「おまけにあれ、二階建てじゃね?」
「震度3クラスで土台ごと確実に落ちますわ」

息子はこの家の写真を撮りまくり、しばらくipodの壁紙にしていました。
日本人は目をむきますが、電車の窓から見ていると、
こういう「セカンドハウス」が散見されました。
わたしは結構な数の国に旅行で訪れましたが、今まで
(たとえ地震が無い国でも)こういうデンジャラスな家は見たことがありません。

 

他の建築施工例。


それはともかく、お城の周りをぶらぶら歩いていると、



台湾の、中の下、くらいの家かな。
日本と大きく違うのは、ベランダや窓ばど、足場のあるところには、
高層階であっても必ずこのような鉄格子がはまっているところ。
日本がいかに犯罪の少ない国かということでしょうか。


二階だけが妙に汚いアパート。
もう少し歩くと・・・・



猫発見。
暇に任せて観察しまくります。

 

「なかなか美人さんですなあ」
「全然逃げないね。どう見ても野良だけど」
とか言っていたら、目の前でグルーミング開始。

目の前でわいわいやっているのに全く動じません。



ふと視線を感じて見ると、そこには同じ柄のオスが。
「似てるけど、こっちの方が少しかわいくない」
「弟じゃない?」

 

少しずつ近づいてきてこちらを監視しております。

中国語で「猫」は「まお」と読むのですが、面白いのは三毛猫のことを
「花猫」とかいて「ファーマオ」って言うんですね。
昔習った中国語テキストには黒猫が出てきて「小黒」(シャオヘイ)という名前でした



あんまり動じないので、頭の一つも撫でさせてくれるかと思いました。
しかし、野良にしては太ってますよね。

台湾のペット事情というものはよくわからないのですが、
少なくとも猫は台北では外には出さないのではないかと思われます。
一度、台北の繁華街で、車から、真っ白な猫に縄をつないでいる人を見ました。
一緒にちゃんと歩いてくれるような動物ではないと思うんですが・・・。



猫はこれを含めて三回しか目撃しませんでした。



本物ではありませんが。
これいいなあと思ったのが、台湾の街角にどこにでもある「貸自転車」。
どういう仕組みかわかりませんが、自動販売機のようなものがあり、
一時的に借りることができます。
玉山銀行というのが、ずっとこの招き猫をキャラクターにしています。
そういえば招き猫って、日本発祥じゃなかったですか?



お次は鳥。
ハトはどこにもいます。これは高雄の駅前ロータリーのハト。



白いハトが一羽紛れ込んでいるのを発見。



お城の庭にいたハト。
ドバトは日本のと一緒ですが、この山鳩っぽいのは、
日本と若干違う種類のような気が・・・。




このスズメの写真は前にも挙げましたが、台北の街中のスズメ。
みんなが下を覗き込んでいるのがかわいい。



台南の駅にはホームにスズメがしょっちゅう来ていました。



この台南駅は統治時代の日本が作ったもので、
今でも、日本の駅そのままのたたずまいを残しています。
台湾第二の都市、高雄駅は2002年に地下鉄乗り入れのため、
全面的な再開発が始まったので、やはり日本統治時代の駅舎は廃止。
ただし、歴史を物語る貴重な駅舎なので、博物館として保存するそうです。





ホームで発見、迷彩服を着た陸士長(たぶん)。
台湾は徴兵制です。
来年には廃止されるということですが、今現在は「良心的徴兵拒否」が認められていて、
教育、介護、医療の仕事に着くことで免除されるのだそうです。




切符売り場。
今でもこんな駅、日本のあちこちで見かけますよね。



自動改札の機械ももしかしたら日本製?



という感じで何かと日本そっくりの台湾の鉄道ですが、
こういう木材を放置して朽ちるがままにしているのは日本ではありえない光景です。

ついでに、ホームの向こうに見える台南駅駅舎は、まさに日本の統治政府が作ったもの。
いまだにそのまま使用されています。
台南航空隊のみなさんもこの駅舎を見た、ということなのですよ。
この駅舎についてはまた別の日にお話しすることにして・・。





 


ホームに来るスズメを電車待ちの時間撮っていたら・・・・・



動くものを目の端に認め、ふと線路に目をやり、びっくり!
犬の群れが線路をうろうろしている!



皆、地面を探すように見ながら歩き回っています。
これは・・・日本ではありえないなんてレベルではありません。
いろんな意味で。



毛色はともかく、顔つきが日本の犬と明らかに違います。
はっきり言って、怖い。
皆犬相が獰猛です。



野良犬、というより「野犬」と言った感じ。
ここを根城にしているのだと思いますが、いくら電車が通らないからと言って、
台鉄もここまで放置するというのはいかがなものでしょうか。
きっと夏には匂いとかいろいろ大変なことになっているのではないかと。





なんか本当にピクサーのアニメのようにしゃべりだしそうな風情なんですよねえ・・。
この二匹など、まさに会話をしながら歩いているようです。

「最近どうやねん」
「どうやて、まったくワヤや」みたいな。
(台南なので大阪弁)





中には線路でじっと動かない犬も。
「死んでるんじゃない?」と言いながら観ていたら、



眼を開けました。



この犬も死んだように動きませんでした。
そこまでくつろげるものなのか、ここは・・・・。
それともこちらは本当に死んでる?



あまりに非日常的な(われわれには)光景に、大騒ぎ。
「電車にひかれないの?」
「食べ物なんかどうしてるんだろ」
「あああ、あんなところで『俺たちの旅』ごっこしてるよ~(画像)」
「なにそれ」
「中村雅俊のテレビドラマ。みんなで線路の真ん中歩くの」
「知らん。なんでそんなの知ってるの」
「再放送で見た」





絶対会話してますよねー。
真ん中の犬はシェパードの血が入っているな。



総じて台湾の野良犬はワイルドです。
でも、こんないかにも野犬、って感じの犬が首輪をしていたり、



飼い犬っぽいのが野良犬だったり。

日本の人たちが連れているような洋犬を散歩させている人もないではありませんが、
ごくごくわずかです。
小さい愛玩犬は比較的よく見ましたが、レトリバーとアフガンを台北で一回ずつ見ただけ。
もしかしたら日本人であった可能性もあり。



一度はバイクの足元にテリア系の犬を乗せている女の子を見ました。
これ、落ちないのかしら。
首に縄をつけてるけど、かえって危なくないかな。



犬に洋服を着せる人はここにも。



ゼーランディア城の近くにあったお寺の屋根飾り。
言ってはなんだが、我々には手間暇かかっているわりに「美しい」とあまり思えません。
細部に凝りすぎて、ただ圧倒的なだけなんですよね。
感覚が違うんでしょうが。

このお寺の近くを歩いていくと、道の向こうにお墓がありました。
異国の墓地というのは非常に興味をそそられるものです。



しかし、なんというんでしょうか、台湾の墓地というのは・・・・。
落ち着かないというのか、整理がなっとらんというのか、
どこのを見てもこのアトランダムな、カオスな配置なのです。
いうてはなんだが、先ほどのお寺の飾りのような、心がざわざわさせられる感覚。
どうやら火葬もしないようですね。



アメリカの墓地は整然と緑に囲まれて、特に東部には公園のような美しい緑に
静寂のなかにも明るさがある、非常に敬虔な気持ちになりやすいものですが、
・・・・・いや、まあ、台湾のお墓の風情に文句を言うわけではありませんが。



ここには大東亜戦争にこの地方から参加し戦死した台湾人のお墓があるようです。



こういうものを見ていると、またもや眼の端に動くものを捕えました。
「犬だ」
「なんでこんなところに」
「飼い主が死んだので墓守りをしている犬?」

そういえば、イタリアで死んだ飼い主に葉っぱなどをお供えしている猫がいると
そんなニュースがありましたが、そういう感心な忠犬なんでしょうか。



と思ったらこのお墓の上にも忠犬発見。

「あれも飼い主が忘れられなくて、お墓の上で・・・・」
「じゃないんじゃない?さすがに」

先に歩いて行ったTOと息子が
「わああ!」
大きな声を出すので行ってみると



もしかしたら、みなさんここに住んでらっしゃいますか。



棺?の上は日当たりが良くて暖かいんですよ(たぶん)。




なんと、この辺の野良犬は墓場を根城にしている模様。
おまけにこの犬、耳が片方ないよ~。



この犬も耳が欠けてるよ~。
犬というより、コヨーテみたいな顔してるし、人間だったら指が無い人たちみたいな感じ。
しかも、こうやってじっと人を見るので、少し、どころかかなり怖い。








台湾の犬は精悍というか、ハードボイルドな感じです。
日本の甘やかされている飼い犬どもに向かって、

「けっ!人間のイヌが!」

と唾を吐きそうなくらい、ヤクザっぽさと凄味が漂っています。
猫にはなごんだわたしたちですが、群れをなす野犬はかなり恐怖を感じました。


とはいえ、人間と犬が仲良くしている様子はこんなところにも。



仲がいいというより、ただお弁当の端っこを分けてもらえるので近くで寝てるだけなのかもしれませんが。



烏山島ダムの料金ゲートにいた犬。
いかにも病気という感じの、ぼさぼさした毛並。
しかし、どうもなにか食べ物を貰っている様子でした。




一度、ホテルの隣の名門大学、成功大学キャンパスを歩きました。
台湾の犬おばさん発見!

日本には猫おばさんはいても犬おばさんはいません。
野良犬がいないんだからいなくても当たり前かと思われます。
野良猫のえさやりが時として地域住民の顰蹙を買うわけですが、
台湾でも野良に餌をやる行為は顰蹙なのでしょうか。
おばさんは顔バレしないようにか、大きなマスクをして自転車で乗り付け、
犬に餌を与えていたと思ったら疾風のように行ってしまいました。
やはり人目をはばかる行為なのかもしれません。



しかし、このおばさんのおかげか、学生も餌をやるのか、
ここの犬は肥満と言っていいくらい皆まるまると太っていました。
飼い犬ではないけど「学内犬」って感じです。

昔行ってた我が大学にも一時白い犬がいたなあ。
学長の名前付けられて、いつも眉毛描かれてたっけ。



日本でも昔は野良犬が存在したそうですが、今はこのような、
野犬化している犬を見るだけで不思議な感覚がするくらい町から姿を消しました。
台湾は写真でもお分かりのように、日本とそっくりな景色があちこちに見られますし、
先端では急成長している国ではありますが、それでもこういう光景を目の当たりにすると、
先進国と中進国の違いといったものを強く感じます。

お出かけから帰ってきて、ホテルの高層階から台南駅の線路を見降ろすと、
それまでは全く気付かなかった犬たちの姿が、今度ははっきりとわかりました。

それまで線路を見ても全く目に入らなかったんですね。