イスラーム勉強会ブログ

主に勉強会で扱った内容をアップしています。

預言者伝82

2015年01月23日 | 預言者伝関連
244.礼拝を重要視すること、そしてアブーバクルの礼拝引率:
  アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は痛みがひどくなると、彼は「人々は礼拝を済ませたのか」と尋ねました。われわれが「いいえ。あなたがいらっしゃるのを待っています!」と答えると、「水桶に水を入れてくれ」とおっしゃいました。水が持って来られると、沐浴を済ませたアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は出かけて行かれたのですが意識を失ってしまいました。それから覚めると再び「人々は礼拝を済ませたのか」と尋ねたので、われわれは「いいえ。あなたがいらっしゃるのを待っています!」と答えました。人々はイシャーの礼拝のためにアッラーの使徒が現れるのをマスジドでずっと待っていたのでした。そこでアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は人々を引率して礼拝させるためにアブーバクルを送りました。ただアブーバクルは繊細な人だったので、ウマルに、「あなたが引率して礼拝しては」と言いましたが、ウマルは、「私よりもあなたが相応しい」と言いました。それから数日の間、アブーバクルが礼拝のイマームを務めました。

  アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)はわずかな回復を得ると、アル=アッバースとアリーに助けられながら、ゾホルの礼拝に出かけました。アブーバクルは彼の姿を見つけると、彼の後方に着こうとしたのですが、アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は後方に移ってはいけないと合図しました。彼は、移動を手伝っていた二人にアブーバクルの隣に自分を座らせるよう命じました。そしてアブーバクルは立った状態で礼拝を開始し、隣のアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は座って礼拝に入りました。

  ウンム・アル=ファドル・ビント・アル=ハーリスは言いました:アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)がマグリブの礼拝時にアル=ムルサラーティ ウルファーをお読みになるのを聞きましたが、それ以降、アッラーが彼を捕らえ給う時が来るまで、私たちを引率して礼拝することはありませんでした。

245.別れの説教:
  アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は説教台に座っていた時、次のようにおっしゃいました。頭を縛った状態で:「まことに、アッラーのしもべのうちに一人のしもべが、現世とアッラーの御許にあるもののどちらかを選ぶよう迫られたが、彼は彼の御許にあるものを選んだ」とおっしゃいました。アブーバクルはこの言葉の意味を理解しました。つまりアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)はご自身のことをおっしゃっているのだと。そしてアブーバクルは泣いて、言いました:「いいえ、われわれの命と子どもをあなたのために捧げます」。

  アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は言われました:「落ち着きなさい、アブーバクル。私にとって人々の中で最も人格的にも金銭的にもアブーバクル以上に信頼出来る者はいない。人々の中から親友を選ぶとしたら、私はアブーバクルを選ぶだろう。ただ、イスラームにおける関係の方が優れているが」。

  そしておっしゃいました:「人々よ、アブーバクルの戸以外のマスジドの全ての戸を閉じなさい。」。

246.アンサールのための遺言:
  アブーバクルとアル=アッバースが泣いているアンサールの集まりに通りかかったときのことです。アブーバクルは、なぜ泣いているのだ?と彼らに尋ねました。彼らは、われわれは、預言者様(アッラーの祝福と平安あれ)の集まりを(恋しいと)思い出しているのです、と言いました。アブーバクルはそのことをアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)に知らせたところ、痛みを抑えるために頭を縛って表に出て、説教台に上りました。この日以降に彼がそこに上ることはありませんでした。まずアッラーを讃えて彼はおっしゃいました:
  「おまえたちにアンサールに良くするよう遺言する。まことに彼らは私の側近であり、近しい人たちである。彼らはすでに課せられたことを全うし、残るのはその報いである。だから、彼らのうちの善人を受け入れ、罪人は大目にみるように」。

(参考文献:①「預言者伝」、アブー・アルハサン・アリー・アルハサニー・アンナダウィー著、ダール・イブン・カスィール出版、P399~400)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする