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イスラーム勉強会ブログ

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預言者伝78

2014年11月21日 | 預言者伝関連
235の続き:
  アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は礼拝を終えるとラクダに乗り、アラファの丘へ移動しました。ラクダに乗ったまま彼は日没になるまで祈願し続けました。貧者が食べ物を求めるような仕草で、胸のあたりまで手を挙げて、祈り続けました:『アッラーよ、まことにあなたは私の言葉を御聞きであり、私がどこにいるかを御覧であり、私の見えないところも見えているところもすべて御存知で、私のことであなたに隠れていることは一つもありません。私は惨めな貧者、助けを求める懇願者、恐怖に震える者、己の罪業を認める者です。貧者の懇願をいたします。惨めな罪人としてあなたに縋ります。盲目の恐れる者として祈願いたします。その首はあなたのために垂れ下がり、そしてその瞳はあなたのために涙で溢れる者として。あなたのために体も鼻も謙虚に従います。アッラーよ!わたしのこの祈りで私を不幸な者とし給わないでください。わたしに、お優しき、慈悲深きお方であってください。責任を持つ者たちの中で最も良き者よ、与える者たちの中で最も良き者よ。』

  そこで次の聖句が啓示されました:『今日、われはおまえたちにおまえたちの宗教を完成させ、おまえたちにわれの恩顧を全うし、おまえたちに対して宗教としてイスラームを是認した。』(食卓章3節)陽が暮れる頃になると、アラファを離れて、ウサーマ・イブン・ザイドを後ろに乗せて静かに出発しました。お乗りになっていたラクダの綱を体にしっかりと引っ張っておられたため、ラクダの頭が彼の座っていたところに届きそうでした。そして、『皆、静けさを保つように。』と言われました。アッラーの使徒はこの移動中にもタルビヤ(アッラーフアクバル・・・と巡礼者が唱えるフレーズ)を唱えて、ムズダリファに着くまで続けておられました。その後、呼びかけ人にアザーンを行わせました。続いてイカーマを唱えられ、荷を降ろし、家畜を座らせる前にマグリブの礼拝を行いました。人々が荷を降ろすと、アッラーの使徒は礼拝への呼びかけをさせ、イシャーの礼拝を行いました。そして黎明を迎えるまで眠られました。

  黎明の時間に入るとすぐに礼拝を行いました。そしてラクダに乗ってアル=マシュアル・アル=ハラーム(マッカ東方にある巡礼者用のテント地)に向かいました。そこでキブラに向き、祈願、タクビール(アッラーフアクバルということ)、タハリール(ラーイラーハイッラッラーということ)、ズィクル(祈念、唱念)を始めました。空が明らむと、つまり陽が昇る前になって、アル=ファドル・イブン・アッバースを背後に乗せてムズダリファを出ました。彼(アッラーの祝福と平安あれ)はその間ずっとタルビヤを唱えていました。またアル=ファドルに投石のための7小石を集めさせました。ムハッスィル(地名)の中ほどに着くと素早く移動されました。なぜなら昔、象の民が罰を受けた場所だったためです。ミナーに着くと、ジャムラトゥ=ル=アカバに行って、陽が昇ってから、ラクダに乗ったまま投石を行い、タルビヤを止められました。

  そしてミナーに戻り、人々に修辞に富んだ説教をされました。説教の中で、の日の神聖さや行ってはいけないこと、そのアッラーの許での価値、マッカが他に秀でて神聖化されていることをお知らせになりました。またアッラーの書に従って人々を導く者に聴き従うことを命じました。また彼から祭儀を引き継ぐこと、彼の死後にお互いの首を切り落とし合うような不信仰者に戻らないこと、彼の代わりに宣教することを命じました。そして説教の中で彼(アッラーの祝福と平安あれ)は言われました:

  『おまえたちの主を崇め、5(つの礼拝)を行い、(ラマダーン)月に斎戒断食し、指導者に従いなさい。そうすれば、主の楽園に入るだろう』そこで人々に別れを告げた時、人々は、『別れの巡礼』と言いました。

  次にミナーにある場に移動し、63頭の雌ラクダを屠りました。その数はご自分の年齢にあわせたものでした。残りの37頭(計100頭)はアリーに屠らせました。全てのが終了すると、床屋を呼んで、頭髪を剃りました。剃られた髪の毛は彼に続く人たちの間で分けられました。続いてラクダに乗ってマッカに移動し、訪問のタワーフ(周回)を行い、ザムザムの飲み場に行き、立って飲まれました。そして同日中にミナーに戻り、一泊しました。朝になると陽が傾くのを待って、陽が傾いてから歩いて投石に行かれました。まず最小のものから、次に中、最後に最大つまりジャムラトゥ=ル=アカバで投石しました。なおアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)はミナーで2つの説教をされました。一つは既述のの日と、二つ目はの日の翌日です。

  3日間のタシュリークの日に投石を行うまで遅らせました。そしてマッカに向かい、別れのタワーフを深夜に行いました。そして同行者たちに出発を知らせ、マディーナに向かいました。

  ハンム池に到着すると、アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は説教し、その中でアリーの徳について言われました:『わたしが誰かの保護者であるとしたら、アリーもその者の保護者である。アッラーよ、彼を援助する者を援助し給え。そして彼に敵対する者に敵対し給え。』

  ズ=ル=ハリーファに着くと、そこに一泊しました。マディーナが目に入ると、3度、タクビールを唱えられて、『ラーイラーハ イッラッラーフ ワハダフ ラー シャリーカ ラフ、ラフルムルク ワラフルハムドゥ、 ワフワ アラー クッリ シャイイン カディール、アーイブーン ターイブーン、アービドゥーン、サージドゥーン、リラッビナー ハーミドゥーン、サダカッラーフ ワアダフ、ワナサラ アブダフ、ワハザマルアハザーバ ワハダフ』と言われてから昼間のうちにマディーナに入られました。

(参考文献:①「預言者伝」、アブー・アルハサン・アリー・アルハサニー・アンナダウィー著、ダール・イブン・カスィール出版、P388~391)
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