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72章解説【4】

2013年10月04日 | ジュズ・タバーラカ解説
23.「ただし、アッラーからの伝達と彼の使信だけは別である(私はそれらのみを有する)。そしてアッラーと彼の使徒に背く者がいれば、まことに彼には火獄の火があり、彼らはそこにいつまでも永遠に(留まる)」。
24.やがて、ついに彼らが自分たちに約束されたもの(懲罰)を見た時、彼らは、誰が援助者に関してより弱く、数に関してより少ないかを知るであろう。
25.言え、「私には分からない、おまえたちに約束されたものが近いのか、それともわが主がそれに(猶予)期間をもうけ給うのか」。
26.(アッラーは)隠されたものを知り給う御方。それで彼は御自身の隠されたものを誰にも明かし給わない。
27.ただし、彼(アッラー)が使徒として満悦(選出)し給うた者は別である(そのような使徒には明かし給う)。彼(アッラー)は彼(使徒)の前にも後ろにも見張り(天使)を伴わせ給う。
28.彼(アッラーもしくは預言者)が、彼ら(使徒たち)が彼らの主の使信を確かに伝えたことを知り給うためである。そして、彼(アッラーもしくは預言者)は彼ら(使徒たち)の許にあるものを取り囲み、あらゆるものの数を計算し給うた。

 「ただし、アッラーからの伝達と彼の使信だけは別である(私はそれらのみを有する)。そしてアッラーと彼の使徒に背く者がいれば、まことに彼には火獄の火があり、彼らはそこにいつまでも永遠に(留まる)」。
24.やがて、ついに彼らが自分たちに約束されたもの(懲罰)を見た時、彼らは、誰が援助者に関してより弱く、数に関してより少ないかを知るであろう。」

 アッラーはその預言者(祝福と平安あれ)に、彼の民に次のように言うように命じ給います:至高なるアッラーが遂行するよう命じ給うたアッラーの使命を述べ伝えることだけが己を救うのだ、ということです。アッラーと彼の使徒に背く者には、火獄の炎があり、彼は来世でそこに永遠に留まるのです。罪人たちが-主が彼らに約束し給うている-罰を目の当たりにするとき、彼らの弱さの本当の姿が現われます。その日、彼らの援助者は何の役にも立ちませんし、それどころかその日彼らは少数で、アッラーの数え切れない群衆の前では存在しないに等しくなります。

 そして至高なるアッラーはその預言者(祝福と平安あれ)に、彼の民に自分は不可視界について知らないこと、その一つは最後の日についてのことであることを知らせるよう命じ給います:

 「言え、「私には分からない、お前たちに約束されたものが近いのか、それともわが主がそれに(猶予)期間をもうけ給うのか。(アッラーは)隠されたものを知り給う御方。それで彼は御自身の隠されたものを誰にも明かし給わない。ただし、彼(アッラー)が使徒として満悦(選出)し給うた者は別である(そのような使徒には明かし給う)。彼(アッラー)は彼(使徒)の前にも後ろにも見張り(天使)を伴わせ給う。」

 「私には分からない、おまえたちに約束されたものが近いのか」の意味:おまえたちに約束された現世における罰もしくは来世における罰が近いのか、それとも私の主がそれに「期間」:つまり長い期間、を設け給うのか分からない。つまりアッラーのみが不可視の情報と審判の起きる最後の日について知り給うということです。しかし不可視について一つだけアッラーは例外を述べ給うています:「ただし、彼(アッラー)が使徒として満悦(選出)し給うた者は別である」つまり、アッラーがその使命と預言者性のために選らび給うた者は別で、その者には彼が御好みの不可視界の情報を与え給うということです。やがて情報を与えられた者は不可視界の情報を語ることでその預言者性が証明され、また奇跡にもなります。至高なるアッラーは使徒たちを天使の護衛で囲み、彼らを守らせ給います。

 次の御言葉でこの章は締めくくられます:
 「彼(アッラーもしくは預言者)が、彼ら(使徒たち)が彼らの主の使信を確かに伝えたことを知り給うためである。そして、彼(アッラーもしくは預言者)は彼ら(使徒たち)の許にあるものを取り囲み、あらゆるものの数を計算し給うた。」

 【この本の解説】アッラーの使徒ムハンマド(祝福と平安あれ)が、過去の預言者たちがアッラーによって述べ伝えるよう命ぜられた聖法を自分たちの民に確実に述べ伝えことと、アッラーがその知識によって使徒たちの許にあるものを取り囲んだことを知るためである。また至高なるアッラーは御自身が創造し給うたものを数え給い、被造物で数えられないものはなく、アッラーに隠されるものもない、という意味です。
 (文頭の代名詞「彼」がアッラーに帰るという解説も他にあります。)

参考文献:ルーフ・アル=クルアーン タフスィール ジュズ タバーラカ/アフィーフ・アブドゥ=アル=ファッターフ・タッバーラ薯/ダール・アル=イルム リルマラーイーンP102~103)
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