かつてのひまな野球人の記

野球が好きだった医者が書きたいことを書き散らすブログ。今は保健センター教員をしつつ神経内科医と研究者もやっています。

片付けられますか?

2005年12月29日 23時25分15秒 | 一般
1日経った今日はなんというか、やっと少しずつ元に戻りはじめたと言えよう。でも、もう祖母はいない。元に戻りつつある分、かえってそれが痛いほど感じられた一日であった。
今の世の中、一人の人間の死は様々な事務手続きを必要とするらしく、それが著しく煩雑なものである。一日中その話と片付けであった。相続人の話し合いを傍らで聞いていたが、本当に面倒である。死んでしまうとこういう話が必ず起こるものらしい。今回の話し合いではいわゆる骨肉の争いというものは一切なく、それどころか互いに譲り合っているような印象を受けた。あり方としては望ましいあり方なのだと思う。問題は、対象となるものの全貌が把握し切れていないことにある。というのも、誰一人としてこのような状態を想定していなかった(間違いなく本人も)ため、どこに何があるかは本人しか知らず、1ヶ所に整理されていたわけでもないため家中を探し回らなければならなかったからである。
家の中は仏間をのぞいてすべてあの日で時間が止まってしまっていた。カレンダーも、飾り付けも、部屋の中の様子も、何もかも。あまりに突然のことだったので、すべてそのまま、日常がそのまま停止してしまったようなものである。
しかし、時間はお構いなしに流れ続ける。整理もつけなければならない。それは心がどうであれ、現実に向き合い、行動しなければならないということである。だから、片づけなければならないのだ。