国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

山崎拓訪朝の謎と「金正日による金日成暗殺」疑惑

2007年01月13日 | 韓国・北朝鮮
産経新聞の社説は山崎氏が拉致被害者の身代わりとなって北朝鮮に残留する計画があることを予告しているのかもしれない。拉致被害者は北朝鮮にとっては国家滅亡を避けるための人質であり、それを手放す見返りとして山崎氏という別の人質が手に入るならば拉致被害者の帰国承認はあり得るだろう。更に、北朝鮮に人質として残留する山崎氏が裏で日米両国政府と北朝鮮政府の間の連絡係となり、米国が切望する在韓米軍の撤退と中国が切望する親北朝鮮勢力による半島統一の両方を実現するという陰謀シナリオも考えられる。いずれにせよ、13日の北京での山崎氏の会見内容が非常に注目される。 荻原遼氏の「金正日による金日成暗殺説」「敵対階層の多く住む咸鏡道への食糧配給を停止して餓死させた」との仮説はなかなか説得力があるのだが、一部に腑に落ちない面もある。1994年7月7日に金日成の別荘での会議に出席していた政府高官が金正日の厳命で全員平壌に戻ったという記述からは、北朝鮮政府高官が金日成の路線より金正日の路線を支持していたことが伺われる。韓国からの食料援助に依存し中国のような改革開放政策を始めれば、住民の反乱で北朝鮮政府が倒れて自分達が殺されること、生き残っても韓国の植民地的地域として強い差別を受けることを恐れていたからだろう。更に、北朝鮮が崩壊して韓国の支配下に入ることは韓国の影響力拡大を恐れる中国にとっても、韓国から撤退したい米国やその同盟国の日本にとっても好ましくない。韓国が北朝鮮を影響下に置くことを一番望むのは、ユーラシア大陸の端にシーパワーの橋頭堡を置いてランドパワーを包囲し対立・戦争を起こすことを目指す国際金融資本陣営だろう。 従って、金日成は国際金融資本・英国・韓国の側についたが、日本・中国・米軍などの反国際金融資本陣営は金正日を支持しており、北朝鮮政府高官の多数派が金正日を支持したことで金日成が殺されたという宮廷クーデターが考えられる。1995年以降の日本は破綻した朝鮮総連系金融機関への公的資金導入や北朝鮮への食料援助を実行しており、これは密かに反国際金融資本陣営の味方となった北朝鮮への援助とも考えられる。表向き反日的な江沢民政権の本拠地である上海に日本から多額の投資が行われ、ODAも継続されたことは、反国際金融資本陣営の味方となった江沢民政権への援助ではないかという私の疑念と同様である。 . . . 本文を読む
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