国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

慶応塾長の日経テレ東大学出演と西日本有力6私大の2000年代の附属小学校新規開設から見る関西還都

2022年05月14日 | 京阪奈学研都市への遷都
今後早慶、GMARCHや関関同立といった文系学部中心のマンモス私立大学が旧帝大のような理系学部中心の中規模大学に再編され授業料が無料化され附属小中高校からの推薦入学が事実上禁止される、文系学部の世渡り志向の教育は附属高校以下の段階に移すという私の想像が正しいのなら、附属小学校を開校する首都圏マンモス私大が増えそうなものだ。しかし、実際には新規開校は早稲田実業の初等部(2002年)、慶応横浜初等部(2013年)の二つだけ。青山学院は従来からあった渋谷の初等部の他に浦和と横浜に初等部が2019-2020年にできたがこれは従来からあるキリスト教系の小中高一貫教育学校を係属化したものであり新規開設では無い。立教は従来からあった池袋の男子小学校と三鷹台の立教女学院小学校を特に増やしていない。学習院初等科もそのまま。庶民派大学の法政・明治・中央はいずれも小学校は開設していない。 これとは対称的に、関西地区では関関同立4大学全てが2006-2010年に附属小学校を開設している。名古屋市の南山大学は2008年に、福岡市の西南学院は2010年に小学校を新規開設している。西日本の有力6私大全てがこの期間に小学校を新規開設してゼロから6に増えた。一方、首都圏有力7私大の附属小学校の新規開設は早慶2校だけ。青山学院大学の係属化された小学校2校を含めても、5校から9校への増加にとどまる。これは、近未来に京阪奈学研都市への還都が行われて東京一極集中が終わり、後継者に世渡り志向の教育を受けさせたい企業経営者などの富裕層の多くが関西に移住することを示している。同志社大学は本キャンパスが京都御所の北隣、教養部が私が新たな御所と想像する京阪奈学研都市内の祝園分屯地の北方にある点が注目される。キリスト教大学のままでは難しいので脱キリスト教した上で皇族の教育を行う教育機関として学習院の後継学校になるのかもしれない。南山大学と西南学院の事例からは、名古屋と福岡にも、官公庁や大企業本社などの中枢機能の東京からの移転が起きることが示唆される。 . . . 本文を読む
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山口県長門市での2016年安倍プーチン会談は、阿武町への露海軍の寄港地建設とシベリア鉄道延伸が目的?

2022年05月07日 | ロシア・北方領土
ロシアにとって、シベリア鉄道の延伸区間が本州日本海側にできるメリットは何だろうか?それは、シベリア鉄道が極東で中国国境沿いを走っており安全保障上問題があることに関連すると思われる。バム鉄道は国境から少し離れているが沿海州の鉄道には直接連絡していない。中国が将来ロシアに軍事侵攻してシベリア鉄道を一部でも占領すれば沿海州はウラジオストクの海軍を含めて孤立してしまう。その時、バム鉄道に連絡する日本の港から非軍事用の物資を沿海州に輸送できれば、ロシアの沿海州防衛には有用だろう。 更にもう一点は、対馬海峡の入り口にロシア海軍の軍港を確保したいのではないかと想像する。在日米軍は佐世保と横須賀に海軍基地を保有しているが、これは対馬海峡と東京という戦略的拠点を支配する目的である。在日・在韓米軍が去った後のロシア極東では、対馬海峡という戦略的拠点の支配権が問題となる。事大主義の統一朝鮮はロシアに味方しない可能性がある。1861年にロシアと英国の両方が対馬占領を狙った様に中露両国が対馬を奪い合う事態が起きかねない。2016年12月15-16日のプーチン訪日は山口県長門市と東京の2カ所で安倍首相との会談が行われた。長門市が選ばれたのは安倍首相の故郷だからと説明されてきた。しかし、長門市には湯谷湾という日本海側には稀な天然の良港がある。ここにロシア極東海軍の寄港地・補給基地を設け、そこまでシベリア鉄道を延伸する計画があり、その計画を県知事や長門市長を説明するためにプーチンが長門市を訪問したのではないか。そして、中国国境に近すぎる危険なウラジオストクからロシア太平洋海軍の本拠地を引き上げ、もっと安全なソビエッカヤガバニ/ワニノか樺太に本拠地を移すと想像する。そして、冬期に流氷で母港が使用困難になる時期は湯谷湾に寄港することも考えられる。 冷戦時代にソ連海軍はシリアのタルトゥース港とベトナムのカムラン湾に補給基地を設置していた。冷戦後にカムラン湾の租借契約は更新されず、唯一タルトゥース港のみが維持されたが、この港は2011年に開始されたシリア内戦でロシアがシリアを支援する重要な拠点になっている。今後米英の世界覇権が崩壊して中露両国の力関係が世界を支配する時代に移行するならば、対馬海峡の入り口に位置する湯谷湾のロシアにとっての重要性は飛躍的に高まるだろう。 . . . 本文を読む
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