国際情勢の分析と予測

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新学習指導要領の解説書では韓国への配慮で「日本固有の領土」との表現は見送り:この「配慮」の目的は?

2008年07月31日 | 韓国・北朝鮮
7月14日に文部省が発表した新学習指導要領の解説書では、初めて竹島問題が明記されたが、韓国への配慮で「日本固有の領土」との表現は見送られた。一方の韓国側では、日本の配慮は考慮されず、反日感情が高まっている。一見無意味に見える日本側のこの「配慮」の目的は何だろうか? 世論というのは熱しやすく冷めやすいものである。今は盛り上がっている韓国の反日感情も、何カ月か経てば元に戻っている可能性が高いだろう。だからこそ、日本政府は韓国世論をもっと興奮させるために二の矢、三の矢を放たねばならない。そして、韓国側の更なる対抗処置を引き出し、竹島問題での日韓両国の対立をエスカレートさせる必要がある。 7月26日の産経新聞では、故エリツィン・ロシア大統領が北方領土四島全ての返還を日本に約束したことが報道されている。今になってこの北方領土返還の約束が報道されるのは、北方領土返還が近づいていることの兆候ではないかと考えられる。もし北方領土返還が発表されると、北方領土問題が明記された新学習指導要領解説書は書き換えを迫られる。文部省は北方領土問題関連の記述を削除し、竹島関連の記述だけを残すことになるだろう。その時には、韓国が首相の竹島派遣や軍事演習などで対立を煽っていることを理由として、「竹島が日本固有の領土であるが韓国に不法占拠されている」と記述内容が強化されるのではないかと思われる。それは、韓国世論を刺激する二の矢、三の矢として有効に機能することだろう。日本政府は韓国世論を二段階に分けて刺激し反日感情をより煽る目的で、7月14日にはわざと「日本固有の領土」という表現を見送ったのだと私は想像する。 . . . 本文を読む
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