国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

「天気の子」の東京水没や「ここにいてはダメ」との江東五区水害ハザードマップの意図は何か?

2019年08月24日 | 日本国内
江東五区には西暦2000年以降に大江戸線環状部建設・つくばエクスプレス建設・半蔵門線押上延伸・日暮里舎人ライナー建設、千代田線綾瀬北綾瀬間支線の本線直通化などにより多くの新駅が設置されている。しかし、それらは全て墨田区・江東両区と足立区に属する。葛飾区の新駅は1991年開設の北総線新柴又駅が最後である。江戸川区に至っては、1986年の都営新宿線船堀~篠崎間延伸、1988年の京葉線開業が最後である。乗客増加にも関わらず鉄道輸送力の増強がないために、東京メトロ東西線やJR総武線快速・緩行の混雑率は首都圏の上位10位前後に含まれる状態になっている。更に、川崎から汐留に至る東海道貨物支線の旅客化、つくばエクスプレスや東急目黒線の様な列車長編成化などの輸送力増強の可能性や計画もない。横田基地を封じ込めるためと思われるJR中央快速線の混雑や並行する京王本線・西武新宿線の通勤時間帯の所要時間増加を除くと首都圏の主要鉄道路線は着実に線増による輸送力増加が行われているのに、江戸川区では30年間以上それが行われていないのだ。これは、水害の危険性を理由に住民の転出を推進する計画があるために鉄道の増強を見送ってきたことを示唆する。 江東五区の中でも墨田区や江東区は江戸時代からの市街地を有しており、江戸の文化を継承する地域として維持される必要があると思われる。また、足立区は上流に位置する為に高潮の危険は無く、洪水時にも予想浸水期間がやや短い。しかし、葛飾区や江戸川区には江戸時代の文化的遺産も無く、洪水時の予想浸水期間はやや長い。特に江戸川区は東京湾と江戸川と荒川に挟まれた事実上の川中島であり、洪水でも高潮でも大きな被害が予想される。江戸川区に標的を絞った住民の転出推進計画を住民の反感を増幅させないように注意しながら実行する意図と想像する。 原発立地道県では原発事故時の避難計画の必要性を県庁・道庁が認識している。これは実際に避難を行う目的では無く、原発事故により故郷が福島県のように大打撃を受けることを住民に理解させて原発の危険さを周知し将来の廃止につなげるための世論醸成が政策目的と思われる。同様に、東京都は江戸川区に特に焦点を当てて水害防止を目的に住民の転出を推進する意図と思われる。将来的には江戸川区は大部分を無人の遊水池や農地に転用するのが望ましいと思われる。 . . . 本文を読む
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