POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 





 妻には、「今度はイタリア語なの? いくつ外国語を勉強するつもり?」と言われそうなのですが、中国語、ベトナム語、タイ語についで、イタリア語を始めました。イタリア語を始めた目的ははっきりしています。ベトナム語やタイ語のときと同じで、「リスク管理」です。表示があっても読めないのでは、単なる模様であって、「危険、近づくな!」と書かれていても「危険」と認識できず、近づいてしまうこともありえます。

 そんな場合でなくても、例えば、公共交通機関の乗り場で「運休」と書かれていても、そうとは分からず、長時間待ってしまうこともあり得ます。イタリアは何でも起こりえる国なのだそうです。交通機関のストも日常化していると書いてある本もあります。

 外国を旅行しようとするとき、現地の言葉を理解できるというのはリスク回避に大きく役立ちます。耳でも目でも理解できるようになれば理想なのですが、目と異なり、耳は学習能力が低い。幼児期にはできたはずの「音」の区別が、自国語(母語)に慣れる過程で、母語の「音韻体系」でしか聞き取れなくなっていきます。

 しかし、目にはそれがありません。そこで、まず目にイタリア語を覚えさせる必要があります。タイ語のように独自の文字を持っていると、文字と音と結びつけるにはかなりの訓練が必要ですが、イタリア語は私たち日本人が馴染んでいるアルファベットを使っています。さらに、いくつかの例外を除けば、ローマ字読みをすればよく、英語のように「フォニックス」(「文字」から「音」を知るルール)をことさら学ぶ必要はありません。

  Devo studiare l'italiano. (例文 1)

 例文1を見てみます。“studiare”は、/ストゥディアーレ/と発音します。“stu-”で、/ストゥ/、“-di-”で、/ディ/、“-are”で、/アーレ/です。イタリア語のアクセントは、圧倒的に後ろから2音節めにある場合が多く、アクセントのある音節の母音は長めに発音されます。“studiare”は、/ストゥディアレ/ではなく、/ストゥディアーレ/と/ア/を強め(長め)に発音します。“devo”は、/デーヴォ/で、“italiano”は、/イタリアーノ/です。例文1は、/デーヴォ ストゥディアーレ リタリアーノ/と読むことになります。(定冠詞 il+男性名詞 italiano → l'italiano)

 ヨーロッパ各言語の語彙は、その語源がラテン語やギリシア語であることが多く、語根が類似していることがあります。イタリア語“studiare”は、英語の“study”(勉強する、研究する)です。“studiare l'italiano”は、“study Italian”で、「イタリア語を勉強する」という意味になります。語順も英語と同じように、「動詞+目的語」になります。

 イタリア語は、英語と似たような語順をとります。例えば、「(主語)+助動詞+動詞+目的語」です。“devo”という語は、英文法でいうところの「助動詞」の働きをする動詞“dovere”(~しなければならない、/ドヴェーレ/)の「1人称単数形」です。英文法では、現在形では「3人称単数形」しか活用がありませんが、イタリア語の動詞は「人称(1人称、2人称、3人称)」と「数(単数、複数)」で3×2=6つの形があります。一般動詞には、規則変化動詞と不規則変化動詞があり、“dovere”は不規則変化動詞です。

 イタリア語の動詞は、人称・数で活用があり、語尾に変化があるということは、「主語」をわざわざ言わなくても、「主語」が理解できるということになります。“dovere”の1人称単数形の“devo”は、英語にすれば、“I must”ということになります。

  Devo studiare l'italiano.I must study Italian. (私はイタリア語を勉強しなければなりません。)

         (この項 健人のパパ)

 ※ イタリア語“dovere”は、ラテン語の“debere”に起源を持つもので、フランス語の“devoir”であり、スペイン語の“deber”にあたります。英語では「支払わなければならないもの=負債」の意味を持つ“debt”と語根を同じくします。

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 昨日(2009年10月7日)、日本テレビの「NNN News リアルタイム」の「リアル特集」では食物アレルギーに苦しむ子供達を扱った「食物アレルギー」を放映していました。私は栄養士の資格を持っており、以前から食物アレルギーに対して強い関心を持っていたので、真剣に見てました。

 食物アレルギー(food allergy)とは、特定の食物を摂取するとアレルギー症状を起こすこと、またはその体質(「食物アレルギーがある」という表現で)を言います。食物アレルギーを引き起こす食品はいろいろですが、特に小麦、そば、卵、乳、ピーナッツは発症数、重篤度からまず挙げられます。一般に、主なアレルギー症状として腹痛、下痢、湿疹、蕁麻疹、くしゃみ、咳、鼻汁、喘息発作などがあります。

 重篤なアレルギー反応は、「アナフィラキシーショック」です。血圧低下、呼吸困難などの重篤な全身症状を呈し、死亡することも少なくありません。前駆症状として、口の中に異常を感じ、口唇や手足が痺れる感じがし、顔や上半身が熱っぽく感じます。喉がつまり、胸に痛みを感じ、動悸がはやまり、吐き気なども襲います。次いで、血圧が低下し、脈拍頻数が微弱になり、チアノーゼが現れ、呼吸困難、喘息様発作なども現れます。さらには、意識消失、痙攣、失禁なども出現するといいます。

 アナフィラキシーショックは発症が非常に急激で、かつ気道の閉塞を伴います。死亡例の大多数は症状出現後30分以内です。原因食物の摂取後、薬物の服用後、ハチ類の刺傷を受けた後などに、皮膚症状、鼻咽頭症状があれば、気道の確保と酸素吸入が必須なので、直ちに病院に搬送する必要があります。それほど怖いものです。しかし、私の経験では、子を持つお母さん方にこの知識が不足している人が結構います。スーパーなどで子供が食物アレルギーを持っているにもかかわらず、子供に目を配っていずに、子供が勝手に試食をしてしまい、大騒ぎになることもあると聞きます。

 「食物アレルギーは専門医だけが診療していればよい時代ではなくなっており、一般医にも正しい知識を持って対応してもらう必要があるほど食物アレルギーの患者は増加している。乳児では約10人に1人、3歳児では20人に1人、学童では50人に1人程度と推定されている。保育園、幼稚園、学校における食物アレルギー患者への給食の対応や誤食し症状が出現したときの対応は重要である。」(「母子保健」2008年3月号より、国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部長 海老澤 元宏氏)

 食物アレルギーの子どもは、両親や親族などにアレルギー疾患を持っている人がいる場合がかなりあると言われています。そのため、アレルギー疾患を持っている人がいる場合は「ハイリスク児」と呼ばれ、原因食物を除去した食事が母親に推奨されます。しかし、必ずしもその効果が確かめられているわけではありません。妊娠中の母親が卵・牛乳といった食べ物を除去しても効果がなかったとする研究もあります。栄養の偏りを避けるには、除去が難しい場合もあります。しかし、ピーナッツについては食べなくても栄養の偏りが起こるわけではないので避けたほうがいいのかも知れません。授乳中の母親の原因食物の除去には、対立する研究成果が存在し、その効果は現在のところ不明です。最近、授乳中の母親への原因食物の除去が有効であるとする報告もあるようです。



 上の息子の生後1ヶ月の検診の際に、某乳業会社の栄養士から半ば強要される言い方で、「そろそろ果汁を与えるように。」と栄養指導を受けたことがあります。私は、これには反発を感じました。早期の離乳開始は、アレルギーを発症しやすい体質を作るのではないかと考えていたからです。一律の個人差を考慮しない、企業の販売戦略のような「栄養指導」は、当時、当たり前だったようです。

 私は、栄養士の勉強を学校でしていた頃から、妊娠中や授乳中の栄養摂取に非常に関心を持っており、さまざまな本を当時読んでいました。若い頃、突然にアトピー性皮膚炎を発症したり、慢性気管支炎になった経験がありましたから、この体質を子供に受け継ぐことを避けたいと、結婚し妊娠すると、妊娠後期から蛋白質のコントロールを実施しました。また、出産後は、すべて「母乳」で育てたので、食物感作でのアレルギーを考えて、卵や牛乳は、過剰に摂らないようにコントロールしました。

 先日、インフルエンザの予防接種にかかりつけの小児科に出かけました。そのときに、先生と20年前の離乳食の早期開始の話題が出ました。「小児科医としては、離乳食は生後6か月以降に行うことを昔から提唱していたのですよ。にもかかわらず、早期に離乳食を開始させるという行き過ぎた栄養指導が行われ、それを信じた母親が早期に離乳食を始めてしまって、子供がアレルギーになってしまう事例があったんですよ。今は、むしろアレルゲンを考慮して「ゆっくりと、個人差を重視した離乳を」と栄養指導も変ってきています。」「では、アレルギーの子供の患者さんは、少し減ってきているのでしょうか?」「そう言えば、一時期より減っているような気がしますね。」

 夫も花粉症を持っているので、私達のような夫婦からは、アレルギー体質の子供が生まれやすいと言えます。現在では、離乳開始を急がずに、「ゆっくり離乳を」という栄養指導が行われるようになったようで、ホッとしています。上の息子の赤ちゃんの頃は、「アトピー」という言葉が流行のようになっていた時期です。私には、「早期の離乳」を勧めたためにアトピー体質の赤ちゃんを多く作り出してしまった原因のひとつのような気がします。

 「減感作療法」というものがあります。アレルギー疾患に対し、原因抗原を定期的に投与し、原因抗原に対する過敏性を低下させようとする治療法です。脱感作療法、免疫療法とも言われます。食物アレルギーに対しては、原因食物を少量ずつ与え、原因食物に対する過敏性を低下させていきます(「経口減感作療法)。投与量が適切でないと症状の増悪(悪化)やアナフィラキシーショックを起こすことがあるので、細心の注意が必要です。

 「授乳中の母親が摂取した食物中のたんぱく質が原因で、離乳食開始前の乳児に食物アレルギーが起こり、湿疹ができることがあります。まだ口から食事をとっていないため、食物アレルギーに気づきにくいため、注意が必要です。」(国立病院機構相模原病院部長 海老澤 元宏氏)

 「リアル特集」によると、「独立行政法人国立病院機構相模原病院」では、経口減感作療法が行われているようです。医師のもとで行われる経口減感作療法は、現在のところ、食物アレルギーのある子供の90%ほどに効果があるようでした。特集では、牛乳2mℓで呼吸困難や蕁麻疹などのアナフィラキシーを発症する小学生の数人が、入院と治療で200mℓも牛乳を飲んでも症状が出なくなる例をみました。

 食物アレルギーは、食べたい物でも食べられない、栄養の摂取に必要な食品を食べられない、という宿命を子供たちに与えてしまいます。研究がさらに進んで、その宿命が取り払われる日の来ることを願っています。

(追記)

 「乳児期発症の食物アレルギーの大多数が適切な対応により自然寛解が期待できるのが特徴であり、大豆・小麦・牛乳・鶏卵の順で耐性が獲得されてくることが多い。しかし、幼児・学童・成人期に新たに食物アレルギーを発症してくるケースも認められ、アレルゲンとして魚類、エビ・カニ、果物、野菜などがある。果物や野菜による口腔アレルギー症候群が増加している印象を受ける。比較的稀な疾患ではあるが食物依存性運動誘発アナフィラキシーも小学生以上で魚介類・小麦などが原因として認められている。」(「母子保健」2008年3月号より、国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部長 海老澤 元宏氏)

※ 自然寛容 … 年齢とともに自然とアレルギー反応を起こさなくなること。
※ 口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome) … 果物・野菜などを食べてほぼすぐに、食べ物に直接触れた唇や舌、喉の奥が痒くなったり腫れたりする症状。原因食物は、バラ科の果物(桃、リンゴ、梨、サクランボ、苺など)、ウリ科の植物(メロン、西瓜など)などが中心ですが、キーウィ、バナナ、トマト、ジャガイモなどでも起こします。
※ 食物依存性運動誘発アナフィラキシー(food-dependent exercise-induced anaphylaxis) … 特定食物(小麦、エビ、果物など)摂取後、2~3時間後に運動するとアレルギー反応を起こす病態。アスピリン製剤の使用により誘発されやすくなるそうです。

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 日本本土に今年、台風が上陸していません。台風の上陸は1951年の観測開始以降、年平均で2.6回。1984年、1986年、2000年、それと去年の2008年は上陸しませんでした。最近では、2007年9月7日に台風9号が伊豆半島に上陸したのが最後(2007年8月29日に南鳥島近海で発生した台風9号(FITOW)は、9月7日午前2時前に神奈川県小田原市付近に上陸しました。)。

 2009年9月29日にマーシャル諸島で発生した台風18号(MELOR)が非常に強い勢力を保ったまま10月8日昼すぎに、四国から紀伊半島付近に上陸する恐れが出てきましたた。本州を縦断する可能性もあります。予報どおり上陸することになれば、2007年の台風9号以来、約2年ぶりになります。

  やや西よりの経路を辿ったのですが、2004年台風23号の経路が2009年台風18号に類似します。2004年10月13日9時にマリアナ諸島近海で発生した台風23号(TOKAGE)は、フィリピンの東海上に進み、16日15時(発生から2日と6時間後)に超大型で非常に強い勢力となります。



 「超大型」で「非常に強い」とありますが、気象庁は台風のおおよその勢力を示す目安として,10分間平均の風速をもとに台風の「大きさ」と「強さ」 を表現しています。「超大型」とは、「大きさ」を表す表現で、「強風域」の半径が800km以上あるものをいいます。「強風域」とは風速15m/s以上の強い風が吹いているか、地形の影響などがない場合に吹く可能性のある範囲です。

 風速15m/s以上では、海では波頭が砕けて、白い泡が風に吹き流されるようになります。陸では大きな木の全体が揺れ、人は風に向かって歩きにくくなり、転倒する人もでます。ビニールハウスが風で壊れ始めます。



 「非常に強い」は、「強さ」の程度で、「最大風速」で区分されます。「非常に強い」は、最大風速が44m/s~54m/sのもの。気象庁によれば、2009年台風23号は上陸時に予想される最大風速は40m/s~45m/s。最大風速が33m/s~44m/sの「強い」に分類されることになるのでしょう。



 2004年台風23号は、9月20日6時に中心気圧950hPa、最大風速40m/s、暴風半径東側330km、西側280km、強風半径東側800km、西側750kmの大型で強い勢力となって九州の南海上を北東に進み、朝には鹿児島県や宮崎県などが暴風域に入り、西日本全域が強風域に入りました。

 その後、20日13時頃、中心気圧955hPa、最大風速40m/s、暴風半径東側330km、西側220km、強風半径東側800km、西側560kmの勢力で、高知県土佐清水市付近に上陸して高知県沿岸を進み、15時過ぎ、高知県室戸市付近に再上陸しました。このため、四国地方全域が暴風域に入り、西日本と東日本が強風域に入りました。「強風」は風速15m/s以上の風をいいますが、「暴風」とは風速25m/s以上の風をいいます。



 台風のもたらす被害の多くは雨によるものです。台風23号や前線の影響による2004年10月18日から21日にかけての総雨量は、四国地方や大分県で500mmを超えたほか、近畿北部や東海、甲信地方で300mmを超え、広い範囲で大雨となりました。

 10月18日
台風23号は沖縄の南海上を北西に進み、台風を取り巻く雨雲が南西諸島にかかりはじめます。日降水量は九州南部の多い所で90mm前後となりました。
 10月19日
台風は沖縄本島から奄美諸島沿いに進み、昼前から鹿児島県(高山町日降水量189mm)、宮崎県(宮崎市146mm)、高知県(本山町117mm)で激しい雨が降ります。
 10月20日
台風は九州の南海上を北東に進み、四国(日降水量は四国地方で400mmを超えた)、近畿地方(京都府舞鶴市日降水量277mm、和歌山県本宮町264mm、奈良県上北山村日出岳320mm、滋賀県朽木村荒川206mm)に上陸、横断して東海地方(静岡県静岡市梅ヶ島294mm、岐阜県荘川村六厩290mm、愛知県津具村茶臼山238mm、三重県宮川村386mm)に進みます。
 10月21日
台風は甲信地方を通って関東地方で温帯低気圧となります。北陸地方や東北地方を中心に昼前まで雨が降り、日降水量は新潟県の多い所で50mm前後となりますが、大雨となった所はありませんでした。

 気象庁によると、今回の台風18号と規模・コースが似ているのは、1990年9月19日に和歌山県白浜町付近に上陸した台風19号なのだそうです。上陸前の大雨を含め死者42人、行方不明者2人、住宅全壊240棟、床上浸水8333棟などの被害を出した台風だったようです。

 埼玉県に住み始めて40年近くが経ちます。土手の近くに住んでいるため、台風が来ると幾度も床上浸水の被害に遭いました。それもここ数年、経験することがなくなりました。土手が改修されて高くなったことと台風が来る頻度が低くなったことが理由です。そのために、台風に対する感度が鈍くなってきているように思います。危険を察知する能力が錆びついています。このブログを書くことでその能力を回復させようとしています。多くの方の台風23号による被害が少ないものであるように願っています。

 2009年10月7日12時50分発表の台風第18号の7日12時の実況です。
強さ … 非常に強い
存在地域 … 種子島の南南東 約190km
進行方向、速さ … 北北東 30km/h
中心気圧 … 945hPa
中心付近の最大風速 … 45m/s
最大瞬間風速 … 60m/s
25m/s以上の暴風域 … 全域 220km
15m/s以上の強風域 … 東側 560km、西側 430km

             (この項 健人のパパ)

(追記) 小学生の息子が学校から「保護者へのお知らせ」を持って帰ってきました。それには次のようなことが書かれていました。

台風接近に伴う対応

 10月8日(木)は、臨時休校といたします。

 天気予報によると、台風18号は、10月8日(木)の子ども達が登校する時刻に、関東地方を直撃するようです。つきましては、10月8日(木)は、臨時休校といたします。


 適切な対応といえます。あすは、偶然にも仕事の休みの妻と息子たちと家にこもって、台風情報の収集を怠りなくしながら、台風の通過を待つことになります。

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 仕事帰りに新京成線の常盤平駅南口の近く「セブンタウン常盤平」にある「アルトポンテ(Alto Ponte)」でジェラート(gelato)を戴いてきました。ジェラートは、イタリア語で「凍る」を意味する“gelare”(ジェラーレ)の過去分詞形から派生した名前がついた氷菓です。



 氷菓の空気含有量を「オーバーラン」と言いますが、一般的なアイスクリームのオーバーランは60%~100%なのだそうです。オーバーランが低いと「ねっとりした重みのある」味になり、高いと「フワッと軽い」味になります。アイスクリームミックス(牛乳、乳製品、糖類、安定剤、乳化剤、香料、着色料)1リットルに空気1リットルを含ませると、オーバーランが100%のアイスクリームができます。

 ジェラートは、一般的なアイスクリームと比べて、空気含有量が35%未満と少なく、「ねっとりした重みのある」味になります。日本における氷菓は「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」によって分類されています。乳固形分15%以上(うち乳脂肪分8%以上)が「アイスクリーム」と名乗れるのであって、乳脂肪分が4~8%である「ジェラート」は一般的なアイスクリームの約半分であり、比較的低カロリーなのですが、省令による分類では「アイスミルク」(乳固形分10%以上(うち乳脂肪分3%以上)になります。

 「生乳」のみを使う本来の方法でアイスクリームを作ると、生乳は乳脂肪分3~4%ですから、アイスクリームではなくアイスミルクに分類されることになります。では、アイスクリームと名乗る氷菓はいかにしてこの基準をクリアしているかというと、生乳に生クリームを混ぜることになります。

 生クリームの好きな人は、アイスクリームを好むことになりますが、生クリームをそれほど好まない人はジェラートがいいでしょう。それも生クリームを加えていないものがいいことになります。アルトポンテのジェラートは、新鮮なノンホモジナイズドの低温殺菌牛乳を使用して、添加物を使用せずに作られています。卵も使われていません。そのため、さっぱりとした仕上がりになっています。



 高橋牧場(船橋市豊富町1312-4)は、アンデルセン公園(船橋市金堀町525)内に「牧場のあいす屋さん」を開き、牧場産の搾りたて牛乳をアイスクリームに加工して販売しています。しばらくは、公園内のみだったのですが、東葉高速鉄道「八千代緑が丘」駅前(千葉県八千代市緑が丘1-1-1、公園都市プラザ1階)にアイスクリームショップ「牧場のジェラート屋さん アルトポンテ」を開店し、“牧場の手作りアイスクリーム”を販売するようになりました。さらに新京成線の「常盤平」駅前にも開店しました。高橋牧場の息子さん「裕武」さんと少しお話をしてきました。「本物の味が忘れられていくのが残念です。だから、残そうとしているのです。」

 お店で戴いたのは、イタリアのシチリア島の塩を使用したジェラート。シチリア島はブーツの形をしたイタリア半島のつま先で今にも蹴飛ばされそうになっている島です。夫とわが子「健人」には、お店でシンプルな味をアドバイスしてもらって、「小倉」と「ミルク」を買って帰りました。 北海道の酪農家で育った夫は、乳製品にあまり「おいしい」を言いません。搾りたての牛乳を飲んでいたそうですから、まあ当然でしょう。でも、このジェラートには「なんでも混ぜて複雑な味にすればいいというものじゃないんだよ。これは、素直な味でいいね。」とご満悦。

 喜んでもらって嬉しいですね。

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 オーストラリアの北、赤道のやや北にあるカロリン諸島で発生した台風17号(芭瑪颱風)は、パーマァ (PARMA) という名前を持っており、マカオ料理の名前に由来するようです。マカオのポルトガル料理店で出される料理なのだそうですが、どんなものなのでしょうね。アヒルをソーセージと炊き込んだ混ぜご飯である「ダックライス (Duck Rice)」、鰯をオリーブオイルでソテーや丸焼きにする「サルディーニャ (Sardinha)」、鱈をコロッケにしたり、クリーム味をつけたり、グリルなどした「バカリャウ (Bacalhau)」、マッシュポテト、薄く刻んだキャベツ、ポルトガルソーセージ、そしてオリーブオイルを加えて煮込んだ緑色をした肉野菜スープの「カルドベルデ (Caldo Verde)」などは有名ですが、「パーマァ (Parma)」は何か分かりません。鶏のレバーやマッシュルームを練りこんだパテという話もありますが、台風の名前にするのは何か意味があるのでしょうか 。命名担当者が、“P”から始まる語を家に帰ってからも考えていたら偶然食卓に乗っていた?

 そんな暢気なことを実は言ってはいられません。この台風、フィリピンを通過してからルソン海峡付近でスピードダウンしてノロノロと複雑な動きをしています。もしこの台風が勢力を保ちながらフィリピンに近い場所で停滞するなると、フィリピン上空に雨雲が長時間停滞して、台風16号(KETSANA、凱莎娜颱風)のときのように豪雨災害が発生する可能性もあります。台風16号はフィリピンで死者300人以上を出しています。フィリピンから向かった先、ベトナムでも死者100人近くを出した「雨台風」でした。この台風がフィリピンから西に進路を取らず、北へ向かうとすると台湾への上陸は避けられません。台湾は警戒を始めました。中央氣象局今天凌晨發布今年第17號中度颱風芭瑪陸上警報,氣象局觀測,芭瑪颱風在巴士海峽呈現滯留打轉,愈晩雨勢愈大,今天起到7日全台都應嚴防豪雨。



 氣象局預測,今天起到7日,颱風移動速度都不快,明天東北季風強,與颱風外圍環流産生共伴效應,各地雨勢都會大,今明2天,北部、東半部及恆春半島有局部豪雨或大豪雨,尤其山區可能有超大豪雨,中南部山區也會有局部豪雨。台湾中南部では、台風8号(MORAKOT、莫拉克颱風)が8月8日に上陸し、豪雨で死者600人以上という被害に遭っています(「八八水災」)。その傷が癒えていないのに、また豪雨に襲われたら大変なことです。

芭瑪颱風可能來襲,國防部記取上次莫拉克颱風遭外界抨擊救災不力的教訓,幾乎停止所有官兵休假,全力整備防颱﹔駐守在台中縣谷關山區的十軍團,四號一早就集結龐大的工兵、歩兵與接受山訓部隊等兵力,組成堅強的救災、搶險與救難隊伍,整裝大型怪手、小山貓、膠筏等各類救災的重機械,場面相當盛大,展現總動員整備防颱救災的堅強陣容。台湾はいま厳戒態勢にあります。台風の進路が台湾から幾分でも逸れてくれることを願うばかりです。



 (追記) 台湾の東部は豪雨に襲われています。2009年10月5日の台灣醒報の記事からです。目前氣象局已經將宜蘭山區的降雨量上修至1,200毫米,農委會也在昨晩發佈十五條土石流紅色警戒線,全部都集中在宜蘭縣,另外九十三條黄色警戒線則分別分佈在宜蘭縣、台北縣、花蓮縣及台東縣等地。目前包括高雄、屏東、台東、宜蘭縣等地,已經撤離六千多人。

 マーシャル諸島で発生した台風18号(MELOR、米勒颱風)も日本を窺っています。中心気圧が915hPa、最大風速が中心付近で55m/sという強烈な台風です。日本を大きく逸れることを願って止みません。

 (追記) 2009年10月5日10時30分発表の台風情報によれば、台風18号の最大風速は中心付近で55m/s、暴風半径は、中心から190km。時速30kmで、西北西に進んでいます。日本の南には秋雨前線があり、ゆっくりと北上しています。それをこの台風が刺激することになれば、大雨を降らす可能性があります。



           (この項 健人のパパ)

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 航空運賃などのサービス料金は、諸経費に利益を上乗せして決定されます。航空会社によっては、政府から資金援助をされている場合もあり、上乗せ分の利益が圧縮されていることもあるようです。観光客を呼び込んで、国として観光による安定した収入を図るために、安い航空運賃を設定させているわけです。旅行業者から聞いた話では、他の情報で真偽を確認したわけではないのですが、香港を拠点とする「キャセイパシフィック航空」は、香港の観光振興のために、他の航空会社より価格設定が安いのだそうです。

 このようにして決定される航空運賃ですが、戦争や中東の政情不安などによる原油価格の高騰により、諸経費の大きな部分を占める「燃油価格」は上昇するようになります。中東の政情不安が落ち着きをみせても、今度は、景気回復の足どりが不透明なために、投資マネーが株式や債券から「商品相場」へ流れを移すことで、リーマン・ショックで大きく下げた「原油価格」も上昇するようになってきています。

 航空会社では、燃油価格の変動に合わせて、航空運賃を設定し直すということを避けて、航空運賃は一定の燃油価格で算出し、それ以上の燃油価格上昇分は利用者の目に見える形の「燃油特別付加運賃」として、航空運賃とは別に徴収する「燃油サーチャージ」方式の導入を2001年から行いました(1997年にIATA(国際航空運送協会)が認可)。

 燃油サーチャージは、直近3か月のシンガポール・ケロシン市況(=航空燃料相場)の平均額を基準に航空会社ごとに価格表を設定し、四半期ごとに改訂(アジア地域ではシンガポールですが、北米地域ではガルフコースト、ヨーロッパではロッテルダムの市場価格)。発券開始月の1.5カ月前に、各社ごとに新料金を発表しています。燃油サーチャージは、航空各社の体力や搭乗率によって差が出ます。大幅リストラや原油先物などの経営努力によって、低めに抑えている航空会社もあれば、利益確保のため必要以上に高く取る航空会社もあります(経営努力を怠ればやがて客離れというしっぺ返しがあるのですが)。



 2009年7~9月発券分については、指標となるシンガポールケロシン市況価格の3か月平均が1バレル当たり55.08アメリカドルだったことから、燃油特別付加運賃を一旦廃止していた航空会社多かったのですが、8月中旬に10月から適用する「燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)」の発表があり、10~12月に発券される航空券への「燃油サーチャージ」の指標となる5~7月のシンガポールケロシン市況平均は71.41アメリカドルに高騰したため、3か月ぶりに「燃油サーチャージ」が復活することになってしまいました。

 燃油サーチャージは、航空券を購入する時点(発券時)で付加されるもので、搭乗時ではありません。例えば、2010年3月の航空券を購入する場合でも、9月中に発券してもらえば、燃油サーチャージはかからないことになります(ただし、ツアー料金は9月に申し込んでも一般的にはツアー会社が航空券を購入するのは旅行の催行の間際ですから、その時点の燃油サーチャージが追加請求されることになります)。

 KLMオランダ航空に電話をして、10~12月発券分のイタリア行きの航空券の燃油サーチャージを尋ねてみました。それは、7,000円とのこと。比較的良心的だと思うのですが、それでも9月発券と比べて、3人ですと、往復で14,000円×3人分で、42,000円の費用増加になります。新型インフルエンザの世界的大流行で、イタリア行きになかなかOKを出さない夫に強硬に主張することにしました。

私「インフルエンザワクチンの供給にめどがついたんでしょ。」
夫「そうだね。」
「だったら、イタリアへ行ってもいいでしょ。」
「反対する理由もなくなってはいるんだけれどね。」
「どうして?」
「厚生労働省が準備できるというワクチンの本数だけれどもね、接種希望者がそれほど多くないんだ。ワクチン禍を恐れているなどで60%ほどだそうだよ。」
「そうするとどうなの。」
「非ハイリスク群にもあまり待たずにワクチンが回ってくるということだよ。」
「そうなの。」
「ゼロリスクという薬がないように、ゼロリスクというワクチンもないのさ。」
「それを覚悟すればいいということね。」
「そうだよ。」

 意外とあっさりとOKが出てしまいました。最近、新型インフルエンザをカテゴリーにするブログの更新頻度が低くなってきているのには、そんな理由があったのかも知れません。私を説得するかのように新型インフルエンザのリスクを説いて、ブログを頻繁に更新していたのが、その必要性がなくなったということなのでしょう。

 そこで、航空券の予約を9月30日に駆け込みで実施しました。ネット予約をするつもりだったのですが、往路「ローマ」に帰路「ミラノ」からという場合の入力方法が分からなくて「KLMオランダ航空」に電話をしてみると、その場合はネット予約はできず、電話のみの予約になるとのこと(WEB割引「3,000円引き」の適用がなく、残念!)。

WEB割引なら3,000円引き!
 KLMホームページからのご予約なら3,000円お得!2010年3月31日までのご予約が可能です。オンライン予約では、システムが空席状況をチェックし、その時点で予約可能な最もお安い運賃を表示するので、最もお得な航空券の検索が簡単です。 空席状況によりご利用いただける予約クラス・運賃が異なります。また、航空券発券の際には、航空運賃に加え、燃油サーチャージ、諸税を申し受けます。

 
 今回の電話に出たオペレータの方は、優秀だったようで、私の欲しい情報を的確に教えてくれました。新型インフルエンザのリスクなどを考えると発券後も旅程の変更ができ、キャンセルも可能で手数料の少ないものがよいということになります。夫はリスク管理にはうるさく、「リスクを恐れて何もしないのは好まないけれども、リスクを知ろうとせずに行動するのはもっとダメ。リスクを知って最小にするよう管理しながら、積極的に行動するのがベスト。」と言います。リスク管理に8,000円×2.75の追加には、夫に何の異論もありません。Vクラスが最安値なのですが、リスク管理でQクラスということになりました。



 利用する航空会社でヨーロッパ線は大きな価格の差が出ます。アジア系、ルフトハンザ、アリタリア、エアフランスなどすべて検索してみましたが、ネット予約で3月に一番安くヨーロッパに行けるのは、KLMオランダ航空でした。ヨーロッパ線は、2月までは各社とも、冬季運賃で割安なものを出しているのですが、3月からは、8万円を超える運賃が多くなるようでした。これにさらに、入出国税と燃油サーチャージなどで1人おおよそ2万円以上追加でかかることになります。

 行きと帰りの便はおさえました。さあ、いよいよ本気でイタリア旅行の準備です。ローマ、フィレンツェ、ベネツィア、ミラノでの食べ歩きを楽しみにして、しっかり働くわよ。アジア旅行のように安くて美味しいものはなさそうで、美味しいものを食べるにはそれなりにお金をかけなくてはダメそうだから、お金を貯めなくちゃね。

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