POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 





 2007年1月に設立された「エアアジアX(AirAsia X)」は、アジア最大規模の格安航空会社(LCC、Low Cost Carrier)の「エアアジア(AirAsia)」の傘下にあり、長距離路線を担当しています。エアアジアXha,中国や英国、インド便などを運航し、羽田便は、エアアジアXの12番目の路線となります。「中国」へは、杭州、天津、成都に飛び、「台湾」へは、台北、「オーストラリア」へは、ゴールド・コースト、パース、メルボルン、「インド」へは、ムンバイ、ニューデリー、「イラン」へは、テヘラン、「イギリス」には、ロンドン(スタンステッド)に飛んでいます。




 9月21日、「エアアジアX」は、12月9日から羽田-クアラルンプール間の路線を就航すると正式発表しました。就航記念として、一部の座席を片道5,000円(別に空港税として3,000円が必要)で販売するキャンペーン(2011年7月31日搭乗分まで)を実施する(9月23日に販売開始)そうです。しかし、この価格で搭乗するには2010年10月31日までにチケットを購入する必要があるようです。

 エアアジアXの「アズラン・オスマンラニ(Azran Osman Rani)」最高経営責任者(CEO)は、日本人には東南アジアのエキゾティックな島々を楽しんでもらいたいし、マレーシア人には日本文化を手頃な航空運賃で楽しんでもらいたい、と述べたそうです。

 エアアジアは、日本側がマレーシアの航空会社に認めた週7便の増便枠のうち、3便分を獲得していますから、火曜日、木曜日、日曜日の週3便の運航になり、片道料金は1万円から2万5,000円に設定(大手航空会社の半額程度)したようです。なお、増便枠の残る3便はマレーシア航空、1便はトランスマイル航空(貨物便)に割り当てられました。マレーシア航空は、羽田-コタキナバル線の運航を2010年11月15日から開始するようです。

 日本の空も、LCCの波をかぶるようになり、「全日本(ANA)」は9月9日、香港の投資ファンド「ファーストイースタン投資グループ(First Eastern Investment Group、FE)」と、2010年の末には関西国際空港を拠点とする格安航空会社を新設することで合意した、と発表しています。「北東アジア初の本格的なLCC」として、2011年の後半には国内線のほか、中国、韓国といった東アジアの都市に就航する計画があるようです。

 全日空とはブランドも別にし、新会社の資本金は100億から150億円を予定し、その40%弱を全日空が筆頭株主となって出資し、ファーストイースタン投資グループは3分の1の30億円から50億円を出資するそうです。新会社の開業から3年から5年後には黒字化を図りたいようです。黒字に転換する(している)であろう5年後には、15機から20機所有を目指すそうです。ちなみに、エアアジアXは現在、「エアバスA330-300」を主力に旅客機を9機所有しています。

 ANAの新会社は、当面は5機程度でスタートし、国内線と国際線でそれぞれ3、4路線に就航するそうです。LCCに慣れた東南アジアの客と異なり、まだそれに慣れていない日本の国内線の利用客は、変化に対応できる若者は別として、機内食などのサービスは希望者に有料で提供するといったこのLCCのビジネス・モデル(business model)にどのような反応をするのでしょうか。

 ANAは、飛行機の1座席を1km飛ばすには15円(マレーシアの貨幣単位「リンギット」に換算すると0.5リンギット)ほどのコストをかけています。それに比べ、エアアジアは0.1リンギット(約3円)ほどで、ANAの5分の1で済んでいます。このコスト減は、サービスの質を変えることで作り出されたものです。それを日本の消費者が納得できるか、です。座席の前後の間隔を狭くして、座席数を増やしています。そのため、リクライニングにはならない(座席が後ろに倒れない)LCCもあります。

 この居住性の悪さをある程度年齢のいった人たちはどう考えるでしょうか。喩えるならば、インドで列車やバスに詰め込まれて、移動するようなものです(それは言い過ぎか)。私たちは、それでもコストを抑えられるから、東南アジアに行くと、LCCをよく利用しています。飛行時間の1時間から2時間程度を我慢すればいいのです。

 しかし、LCCへの新規参入や路線増といった状況が続けば、やがて供給過剰になって、航空業界自体が立ち行かなくなる可能性も秘めていることに留意しなければなりません。そのときは、寡占が進行し、航空運賃の高騰も考えられます。みながみな外国に行きたいとは考えていないでしょうし、不安定な世界情勢にあって、紛争が起これば、外国旅行の人気は急落しそうです。一時的なファンはいつでも容易に離れてしまうものなのです。

(参考) 「エアアジア」のモデルは、「サウスウエスト航空」なのでしょうか?

(参考) マレーシアのイポーからエアアジア(AirAsia)でシンガポールに移動

(参考) LCCのエアアジア(AirAsia)で、クアラルンプールに行く方法は?

              (この項 健人のパパ)

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 上の息子「優也」は、妻の血を色濃く引いています。その「血」とは「旅行好き」。妻「あみ」は「旅行」に出かけるために収入を得ているかの如くです。「人生」は「旅をするためにある」とでも考えているのでしょうか。「松尾芭蕉」は「奥の細道」で「いづれの年よりか、片雲の風に誘われて、漂泊の思いやまず、、、」と述べています。妻は「ちぎれ雲」です。「風」に誘惑されて、「旅」に出ようとします。この「ちぎれ雲」、優也を就学前から、オースラリアへ、ヨーロッパへ、韓国へと連れ出しました。

 そのせいなのでしょうか。優也は、バイトをするようになった大学時代には、自分であちこちへと旅行し始めます。インドへ、ベトナムへ、中東へ、ヨーロッパへとふらっと出かけていきました。安宿を泊まり歩くような旅だったそうです。妻も若い頃はそんな旅をしていたそうです。ツアーを利用するような旅は、数えるほどしかないようです。2005年に妻は一人でベトナム旅行に出かけましたが、そのときはそんな旅でした。

(参考) 卒業旅行を海外で!うらやましい時代です。in Vietnam(2005年03月17日の記事)

 息子は大学を卒業し、大阪に本社を置く産業機械のメーカーで勤め始めましたが、海外への出張が多く、本人は喜んでいます。筑波への出張の途中で家に立ち寄ったので、言葉を交わしました。「出張はストレスにならない?」「いや、おもしろいよ。」「それはよかったね。」「ストレスになるような人間は勤めらんないね。」「そりゃそうだろな。」「でも、出張に出ると太って困るんだ。」「食べ過ぎる?」「現地事務所の人たちが食事に連れて行ってくれるんだけどね、つい食べちゃうんだ。」「いいじゃないか。」「帰ってから、体重を落とすのが大変だよ。」「ははは。今度はどこに行くんだい。」「26日からタイ。」「タイか。バンコク?」「いや、東北部へも行く。」「イサーンか。食べ物、おいしいから、また太るか。」「・・・」

(参考) 「バンコク」旅日記7-ティダ・イサーンで辛~い!

(参考) 「バンコク」旅日記10-ティダ・イサーンでさらに

 「バンコクといえば、スワンナプームの空港とバンコク市内を結ぶ鉄道がようやく完成したそうだよ。」「エアポート・レール・リンク?」「そう。先月から正式開業しているから乗れそうだね。」「空港には現地事務所から車で迎えが来るんだ。」「おや、それは残念。」「乗るのは、タイ航空だから、12時に関空から出発して、3時半にはバンコクだよ。」「2時間の時差入れて、5時間半か。近いな。」「何度もバンコクには行ってるじゃない。」「UAやノースは深夜の到着だからね。疲れるんだよ。遠く感じるね。」

(参考) 深刻化するタイのインフルエンザ拡大-秋の日本との相違は?(2009年7月31日の記事)

 妻は会社の経費で旅行できる息子を羨ましがっていますが、「仕事」で出かけるのであって、「観光」ではありません。「それでも面白いわよ。」と言いますが、タイではリスクが高まっています。それは「政情不安」ということではなく、去年の同時期と同じく、「新型インフルエンザの感染拡大」です。「優也」も新型インフルエンザのワクチンを今年始めに接種していますが、ワクチンの「重篤化の防止」効果は、接種後2週間ごろから出始め、5か月ぐらいまでにはなくなってしまいます。2010年1月に接種したのですから、だいたい6月には効果がなくなっています。新型インフルエンザウイルスに接する機会があれば、ブースター効果(booster effect、追加免疫効果)で、その効果は延長されるでしょうが、それは確実ではありません。

 タイの保健省は、2010年9月21日、タイ国内で新型インフルエンザが猛威をふるっており、今年確認されたインフルエンザ感染者は、およそ50,000人強で、そのうちの10,000人強が新型インフルエンザに感染していることを公表しています。今年に入ってから66人がインフルエンザ感染で死亡しています。感染拡大は、都市部で深刻で、バンコクでは居住者の20%ほどがインフルエンザに感染しているという計算になるようです。地方では、バンコクを取り囲む「中部」で7%強、「北部」で1%ほど、「東北部」で0.8%ほど、「南部」で0.5%ほどのようです。「優也」には早々と東北部に移動してもらいたいものです。

(参考) ますます遠くなるバンコク、チェンマイへの旅-いつなら大丈夫?(2009年07月17日の記事)

 タイの保健省は、次のような文書を出して警戒を呼びかけています。

 For Thailand, since May 2009, 2 big waves of outbreaks have already occurred. However, since July 2010, the trend of influenza situations has increased constantly. Sentinel surveillances have shown that the proportions of the new strain of influenza (H1N1) 2009 in outpatients and inpatients have also increased. In addition, Thailand is currently entering the peak period of seasonal influenza outbreak, i.e. raining season and winter.(タイでは、2009年5月以降、感染拡大を2度経験しています。さらに、2010年7月から、インフルエンザ感染が増加しています。インフルエンザの動向監視で、外来患者、入院患者ともに新型インフルエンザ(H1N12009)の割合も増加していることが判明しています。タイは季節性インフルエンザの感染拡大がピークを迎える「雨季」に入っており、また同じくピークである「冬」を迎えようとしています。)

 日本では新型インフルエンザのワクチン接種は、10月1日から始まります。優也がタイに出かけるのは、9月26日。間に合いません。ワクチンの効果が出るのは、接種後およそ2週間ですから、いま接種できたとしても、いずれにしても間に合わず、無防備な状態でタイへ出かけることになります。無事に帰ってきてもらいたいものです。

(参考) バンコクの私立病院で新型インフルエンザ治療に法外な請求?

 タイは、「政情不安」で観光地としての魅力を大きく減退させています。デモ隊による空港閉鎖(2008年11月25日から9日間)という事態にまで発展したのですから、観光客も二の足を踏むのは当然とも言えます。タイには月平均約9万人の日本人が訪れていたのですが、2010年の統計では、4月は72,000人、5月は46,000人(前年比24%減!)、6月は52,000人、7月は72,000人ほどと最近4か月を見ただけでも前年同月比10%強減っています。妻は「いま、バンコクのホテルは安いのよ。政情不安のせいね。治安に問題がなければ、バンコク、チェンマイと旅行したいところよ。旅行のコストが少なくて済むし、タイの観光産業の救済にも幾分かなるしね。」

(参考) タイの政情不安、ついにスワンナプーム空港閉鎖にまで(2008年11月27日の記事)



 私たちの旅は、子連れの旅です。リスクは最小限にしなければなりません。タイの情勢を日々ウォッチしている私が考えるに、まだまだタイに行くには、ハードルは高いと言えます。

              (この項 健人のパパ)

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