POWERFUL MOMが行く!
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 呼吸器は、鼻と口によって体外に通じている臓器です。そのために、呼吸をすることでウイルスや細菌などの病原微生物が侵入して、感染が起こりやすい。「呼吸器感染症」は、気道や肺に病原微生物が付着し、増殖して炎症をおこし、咳、痰、発熱などの症状を示す病気を総称します。

 鼻や口から吸い込んだ空気は、咽頭・喉頭を通って(ここまでを「上気道」という)気管に入り、さらにその先の細かく枝分かれした気管支・細気管支を通り(「下気道」)、肺胞に達します。

 上気道の感染症には、「普通感冒(風邪)」、「インフルエンザ」などがあります。上気道に炎症を起こすウイルスにはアデノウイルス、ライノウイルス、インフルエンザウイルスなど数多くあります。「インフルエンザウイルス」に感染したことを示す症状と「アデノウイルス」などそのほかのウイルスによる症状を比較してみましょう。



 インフルエンザ感染の特徴は、「高熱」を出すことです。2009年5月20日に「国立感染症研究所感染症情報センター(IDSC、Infectious Disease Surveillance Center)」は「2009年5月19日現在の神戸市における新型インフルエンザの臨床像(暫定報告)」という報告を出しています。その中から、いくつか情報を拾ってみましょう。

 43例の入院時の臨床像は以下のようなものである。約90%に38℃以上の高熱を認めた。60~80%の頻度で挙げられた症状は倦怠感、熱感、咳、咽頭痛であった。鼻汁・鼻閉、頭痛は約半数において認められた。嘔吐や下痢の消化器症状は約10%弱に、結膜炎は7%に認められた。

 このことから判断すると、今回の「インフルエンザA」は、(1)38℃以上の高熱、(2)からだのだるさ、(3)咳、(4)のどの痛み を特徴とするといっていいようです。鼻水、鼻づまり、頭痛は必ずしも伴わず、ごく稀に嘔吐や下痢をする場合もあるというところでしょうか。季節性のインフルエンザと症状に変わりがないですから、今回の「インフルエンザA」と「季節性のインフルエンザ」との識別は、ウイルスの遺伝子検査をしないと判明しないことになります。

 患者の大半は入院を要する臨床状況ではなかった。5月19日現在、人工換気を行う対象者は無く、また、死亡例も発生していない。臨床的な観点から大半は直ぐに退院となり、自宅における健康観察を行う対象となっている。5月19日現在、長期的な予後については不明だが、現時点までの状況では、季節性のインフルエンザと臨床像において類似しており、全例を入院させる医学的必要性はないことが示唆される。

 ここに疑問が生じます。マスコミを始め、「集団ヒステリー」の様相を示していますが、季節性のインフルエンザと大きく変わらないものに、多額の費用をかけ、地域経済に大きな打撃を与える行動をとる理由はどこにあるのでしょう。インフルエンザは「ハイリスク群」にとっては危険な疾患ではあります。しかし、ならば、「咳エチケット」などの啓蒙・普及活動は、いわゆる「新型インフルエンザ」に対してでなくてもあってよかったはずです。

 帰国して「インフルエンザA」を発病した学生たちの通学している学校に対するマスコミの反応を見ていると、「インフルエンザA」の被害者に対する視点というより、「インフルエンザA」を日本国内に持ち込んだ加害者という視点で捉えていることがみて取れます。

 「インフルエンザA」より恐ろしいものは、よく知らない(知らされない、知ろうとしない)ために「集団ヒステリー」にかかった人たちとそれを扇動する「マスコミ」なのかも知れません。

          (健人のパパ)

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