POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 





2009年2月17日に「新型インフルエンザ及び鳥インフルエンザに関する関係省庁対策会議」が開催され、「新型インフルエンザ対策行動計画」が改定されました。この「対策行動計画」は、新型インフルエンザ対策を迅速かつ確実に講じるため、「WHO Global Influenza Preparedness Plan(WHO 世界インフルエンザ事前対策計画)」に準じて、2005年12月に策定され、幾度かの改定を経ています。

さらに、2008年4月に、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律」が成立し、水際対策など新型インフルエンザ対策の強化が図られています。

検疫法の条文を挙げてみましょう。

(目的)
第1条  この法律は、国内に常在しない感染症の病原体が船舶又は航空機を介して国内に侵入することを防止するとともに、船舶又は航空機に関してその他の感染症の予防に必要な措置を講ずることを目的とする。

(検疫感染症)
第2条  この法律において「検疫感染症」とは、次に掲げる感染症をいう。
1 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に規定する一類感染症
2 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に規定する新型インフルエンザ等感染症
3 前2号に掲げるもののほか、国内に常在しない感染症のうちその病原体が国内に侵入することを防止するためその病原体の有無に関する検査が必要なものとして政令で定めるもの

(隔離)
第15条  前条第1項第1号に規定する隔離は、次の各号に掲げる感染症ごとに、それぞれ当該各号に掲げる医療機関に入院を委託して行う。ただし、緊急その他やむを得ない理由があるときは、当該各号に掲げる医療機関以外の病院又は診療所であって検疫所長が適当と認めるものにその入院を委託して行うことができる。
一  第2条第1号に掲げる感染症 特定感染症指定医療機関又は第一種感染症指定医療機関
二  第2条第2号に掲げる感染症 特定感染症指定医療機関、第一種感染症指定医療機関又は第二種感染症指定医療機関
2  検疫所長は、前項の措置をとつた場合において、第2条第1号又は第2号に掲げる感染症の患者について、当該感染症の病原体を保有していないことが確認されたときは、直ちに、当該隔離されている者の隔離を解かなければならない。


感染症法(「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」)の第7章(「新型インフルエンザ等感染症」)の条文も挙げておきましょう。第44条の2から第44条の5と全4条から成ります。

(新型インフルエンザ等感染症の発生及び実施する措置等に関する情報の公表)
第44条の2 -略-

(感染を防止するための協力)
第44条の3 都道府県知事は、新型インフルエンザ等感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者に対し、当該感染症の潜伏期間を考慮して定めた期間内において、当該者の体温その他の健康状態について報告を求めることができる。
2  都道府県知事は、新型インフルエンザ等感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、前項の規定により報告を求めた者に対し、同項の規定により定めた期間内において、当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないことその他の当該感染症の感染の防止に必要な協力を求めることができる。
3  前2項の規定により報告又は協力を求められた者は、これに応ずるよう努めなければならない。
4  都道府県知事は、第2項の規定により協力を求めるときは、必要に応じ、食事の提供、日用品の支給その他日常生活を営むために必要なサービスの提供又は物品の支給に努めなければならない。
5  都道府県知事は、前項の規定により、必要な食事の提供等を行った場合は、当該食事の提供等を受けた者又はその保護者から、当該食事の提供等に要した実費を徴収することができる。

(建物に係る措置等の規定の適用)
第44条の4 -略-

(新型インフルエンザ等感染症に係る経過の報告)
第44条の5 -略-




「新型インフルエンザ対策行動計画」によると、新型インフルエンザの海外での発生は確認されているが、国内での発生がない現時点での「行動」は、「海外発生期」として規定されています。この段階では、ウイルスの国内侵入をできるだけ阻止することを目的とした行動が取られます。すでに行動計画に沿って、「検疫」など水際対策の強化が図られています。これを「新型インフルエンザ対策行動計画」の記述からみてみましょう。

【第一段階】海外発生期
目的:
 1)ウイルスの国内侵入をできるだけ阻止する。
 2)国内発生に備えて体制の整備を行う。
主な対策:
 1)海外での発生状況に関する継続的な情報収集及び国内外の関係機関との情報共有を進める。
 2)発生国に滞在する在外邦人に対して必要な情報を速やかに伝達し、退避・帰国支援等必要な支援を行う。
 3)新型インフルエンザ発生地への渡航自粛、航空機・旅客船の運航自粛等によりウイルス侵入のリスクを軽減する。
 4)感染地域からの入国便に対して検疫を行う空港・海港を集約するとともに、入国者に対する健康監視・停留等の措置を強化する。
 5)発生国からの外国人の入国を制限するために、査証審査の厳格化や査証発給の停止の査証措置をとる。


「発生国からの外国人の入国を制限するために、査証審査の厳格化や査証発給の停止の査証措置をとる。」という行動計画に基づいて、日本政府は来日するメキシコ人の査証免除を4月29日から一時的に停止しました。これに対して、メキシコ外務省は不快感を示しているといいます。しかし、メキシコが属するラテンアメリカのアルゼンチンやキューバ、エクアドル、ペルーも、新型インフルエンザの発生を受けて、メキシコ便の受け入れを停止しているのです。

5月1日、上海経由で香港入りしたメキシコ人男性が新型インフルエンザに感染していることが判明したことから、中国政府はメキシコ発上海行きの航空便受け入れを停止させました。

これを受けて、北京のメキシコ大使館関係者によると、中国国内でメキシコ人約70人が新型インフルエンザの症状がないにもかかわらず、「隔離」されているそうです。このうち北京のホテルに10人が隔離され、メキシコ大使館関係者の面会が拒否されているといいます。これは過剰反応のような気がします。

メキシコ外相は5月2日の会見で、「症状のないメキシコ人が受け入れがたい環境に隔離された。科学的根拠もない人権侵害は正当化できない」と中国を強く非難し、中国当局に不当な扱いを受けるとして、中国への渡航を避けるようメキシコ国民に呼びかけたそうです。

新型インフルエンザの発生源であり、感染者が最も多いメキシコは、外交において他国と摩擦を抱える事態になっています。メキシコ経済に大きな影響のあることでしょう。日本は国内へのこの新型インフルエンザウィルスの侵入を防ぎ、国内での爆発的な感染拡大を阻止しないと、この新型インフルエンザの毒性が低いもので人類に対する大きな脅威にならないとしても、輸出に大きく依存する日本経済に対する大きな脅威となってしまいます。

        (この項 健人のパパ)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )