例の韓国系通販サイトで注文した品が、ほぼ一ヶ月(兎に角時間はかかる)かかって到着した。その物というのはアウトドア関係では有名な「THE NORTH FACE」のマウンテンパーカー。本格的な山ではなくそこらの山散歩に行くときの風除けにほしいと思っていたもので、不意の雨にも対応できるようにゴアテックスならば尚良いと考えていた。ところがその手の本格派は相当良いお値段がする。だから、別になくても良いと今までは他のもので代用していた。そこに韓国系通販サイトだ。いつものように探索していたらうってつけの物が見つかった。それが「THE NORTH FACE」だったのだ。値段は本来の物(本当にあるかどうかは不明)の六分の一ほど。あまりの安さについクリックしてしまったのだ。発送元が中国なので春節という旧正月に重なり、結局一ヶ月という期間待たされた。
本当に来るのかと思い始めた頃到着した品物には、確かにTHE NORTH FACEというロゴがあった。スリーウェイということでフリースのジャケットが着脱できるようになっている。ファスナーもちゃんと機能する。これでこの値段で良いのか?と思うほどの品物であった、一見すると(この時点では)。そして改めて刺繍してあるロゴを見てみた。うん?字がいやに下手っくそだぞ。本物がこんな刺繍するか?と大分疑問に感じ仔細に点検する。ファスナーは確かにYKKだ。ちょっと字が小さいが遠目ではYKKである。そこで拡大鏡で確認してみた。するとそこに浮かび上がった文字は「YRR」。ネットで偽物によくある単純な例として載ってたものだ。完璧な偽物であった。が、この事態はある程度予想はしていた。あまりに安いから。それでも、あれほど堂々と偽物を売れるものなかと思っていたという部分もあり、ひょっとしたら本物かと期待してたことも事実である。
というわけで100パーセント偽物のTHE NORTH FACEだが、実は偽物にしろこれだけの作りだったら御の字とも思っている。メーカーにとっては憎むべきことだが、偽物のために中国のどこかのの工場でせっせと作ってる光景を思い浮かべたら何だか笑ってしまう。本物のゴアテックスではないだろうから、本格的な雨の中ではびちょびちょになるだろうが、風除けとしてはこれでも問題ないだろうし、着脱式のフリースジャケットも一応着られるし、YRRファスナーも動くし、しかも防水仕様(一見かもしれないが)になっている。あの刺繍ロゴだけはもう少しできの良いものにしてほしかったとは思うが。
アウトドア系ブランドの本物と偽物との違いが一番出るのは、多分着込んだとき。その弱さを実感したとき矢張り偽物は偽物だと思うのだろう。そしていつか本物をと思うようになれば、これらの偽物もそれなりに意味があるということになる。ただ、記号として(例えばヴィトンのように)使うには、あまりにバレバレでちょっと恥ずかしい。
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