高倉健のドキュメンタリーを見たのだが、やはり健さんは普段から健さんであった。生き方そのものが出るのが人間だから(だったか?)、というようなことを言っていたが、しょうもない妄想とかしないのだろうかとつい妄想してしまった。
で、改めて健さんのフィルモグラフィを見てみると、まず物凄い数の映画に出ていることに驚く。一年に10本なんて、今では到底考えられない。それだけ映画が隆盛であったということであるが、確かにこれだけ出てると、まともな人間ならば自分のやってることに疑問を感じるかも知れない。ある時から、自分の納得するものしか出ないことにした、らしい。映画自体衰退し始めたので、結果的には歩調を合わせることになった。
一般的には、名優然としたヤクザ映画以降の渋い健さんが好まれてるかと思うが、個人的には役者としてもそのヤクザ映画の頃の健さんのほうが好きである。昭和残侠伝のころの目がぎらぎらした健さんに魅力を感じる。唯、映画としてはどれも似たような感じで区別がつかないところが残念である。そこで代表する映画としては、凛々しい隊長役が印象的なアルドリッチの燃える戦場(1970年)を挙げたい。一番最近に見た健さんが出てる映画なので印象深いということはあるが、特殊な状況(第二次大戦時の日本軍占領下のある島)下でイギリス軍と対峙する健さんの正々堂々とした姿は魅力的だ。同じような外国映画としてはブラックレインがあるが、あの時はすでに渋い健さんが確立されていた。やはり個人的には燃える戦場の方である。アルドリッチの映画であるというのもポイント高い。
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