今BSNHKで、ブルース・リー特集をやっていて、「燃えよドラゴン」を興奮してみた人間としては懐かしく思い出すのであるが、正直映画としてみた場合、どれも今見るとちょっとトホホなものばかりである。しかし「燃えよドラゴン」を初めて見た時の衝撃は今でも忘れない。それまでの型通りのゆっくりな振り付け的なアクションとは一線を画したスピードのある動き、これは本物であると確信した。見たのは配給会社の一室での試写会で(たまたま潜り込めた)、まだ一般には公開されてなく、その興奮をどうにも伝えたくて周りの人間に一生懸命普及活動したのを覚えている。その一年の間「燃えよドラゴン」は、試写会で見て、フィリピンのカガヤンデオロというミンダナオの街で見、帰省したとき田舎で見と三回も見てしまった。これも一種の青春の暴走というものだろうか。テレビで放映してると大体見てるので、トータルすると一体何回見てるか判らない。ただ、世のブルース・リー好きと違うところは、ブルース・リーに対してそれほど思い入れがないというところである。だから、何回も見ているにも関わらず、場面はしっかり覚えてないし、セリフ回しなども覚えてない。アイドルだったのは一時である。
で、昨日は「ドラゴン危機一発」というのをやっていた。相当素朴なアクション映画であるが、今回見て(半分ほど)面白いことを発見した。BGMであるが、あまりにかけ離れたようなプログレを使っていたのだ。こんなものがかかるとは思ってないので、始めは気がつかなかった。
それは、キング・クリムゾンの「太陽と戦慄」とピンク・フロイドの「狂気」である。どう考えても最初からこれを使ってたとは思えない。その後、だれかが付け加えたのではないかと推測せざるえない、違和感のある選曲であった。あと、改めてブルース・リーを見ると、何故か玉田を思い出した。