ヒメダカを全員鯉の池に移したので、「滝壺
ビオトープ」はすっかり静かである。この時
期もう動くものはいない。たまに、ヤゴが見
えるところに現れるが、基本的には動かない
ので殆ど置物と一緒。相変わらずそれらは「オ
オシオカラトンボ」のヤゴだし、せめて違う
種類のヤゴであれば、観察し甲斐があるとい
うものなのに。土の下には一体何が隠れてる
か、一瞬、全部掘り返して確認したい衝動に
駆られる。
鯉の池の階層化は見事で、底には、嘗て(去
年の初夏)メダカの大きさのものを放した鮒
が、今や十五センチほどの七匹の群れとなり
影のように泳いでいて、中層には本来の錦鯉、
そして水面には二十匹ほどのヒメダカの群れ
が泳ぎ回っている。なかなか変化にとんだ池
となった。ヒメダカ用の安全地帯には(鯉の
池の浅瀬)、水生生物もいる。ヤゴ(これが
またオオシオカラトンボの)とミズムシ、そ
してその時々のカゲロウの幼虫など。しかし、
これもこれから寒くなるとともに見えなくなっ
てくる。飼育好きは室内で飼うのでこういう
ことはないが、ビオトープの場合(鯉の池は
ちょっと違うが)、全ては自然任せ。冬にな
るとこの点が残念である。