ある想像をしてみた…。
かつて学生のときには年間百本以上も映画を観ていた
映画ファンの男が、齢50も近く、会社で中堅職となり、
今や毎日仕事に追われ、残業続き。
でも、月に一度の金曜だけは、つきあいは断り
レイトショーで一人スクリーンに浸る幸せに包まれる。
そして、今日は懐かしのドリュー・バリモアを観に足を運ぶ…。
金曜のなんばのシネコンのレイトショー。
薄暗い観客席の後方に、ちらばって座って . . . 本文を読む
『グエムル-漢江の怪物』のラスト、
家族を喪った男の子と一緒に
こたつでごはんを食べるソン・ガンホを思い出した。
本作でも同じ。ラストショットじゃないけれど、
一人、食卓でごはんをほおばる彼がいた。
本当に人間くさくて、こんなに美味しそうに飯を食べる男はいない。
混雑した街の安食堂で振り向くと、
後ろでソン・ガンホがごはんをかきこんでいた、
なんてありえないけどあってもおかしくないと思えるぐらい . . . 本文を読む
ジュリー・デルピーとのラブ・ストーリー『ビフォア・サンセット』で
すてきな魅力的な青年を演じたイーサン・ホークが一転、
本作では、生活に終われ、罪の意識を抱きながらも
悪に手を染めてしまう警官を演じる。
ぎすぎすして、すさんだ表情に驚いた。
(あるいは、こちらの方が、彼らしい役どころなのかも?)
動機が引越し費用のためと、庶民的な話で、
どんどん追い込まれていく。
その引越しが妻子の健康やら父と . . . 本文を読む
数年ぶりで文楽を観た。
幕見席という、最後列の1、2列の両脇わずか16席。
ここだけは、1時間から2時間、1,000円から1,500円程度で
約4時間半の文楽の一部、何幕かだけを
楽しめる。
この幕見席を初めて利用したが、
意外によかった。
文楽は背丈60センチ程度の小さな人形だし
動かす人形遣いの表情もみえないから
おもしろさは半減と思っていた。
ところが、
舞台袖の太夫と三味線とは
ちょうど . . . 本文を読む