「あんどりいらんど。」のannさんの力強い歌声に導かれて、
山をころころ駆け上がり…。
山本真平さんのつくりあげたポップで色とりどりの音符たちにいざなわれて
山をころころ駆け下りた…。
心地よい疲れと、冷めることのない興奮が今も身体に残っている。
私にとって、今日のライブ体験は、そんな感じ。
実際には、その場で、跳んではねてただけなんだけど。
山のてっぺんでは、空に手が届かないかって、
思いっきりジャンプしてみた。
すごく豊かな体験。
音楽っておもしろい。
annさんのざっくばらんで、飾らない感じがとてもあたたかく、
歌を届けたい気持ちがまっすぐ胸に飛び込んできた。
彼女の歌声という腕に、ひっぱりあげられて、
あたしは、ぐいと、高みへとジャンプする。
一日の疲れでよれよれの身体が、ビートに乗って、力強いメロディに乗って、
高く引き上げられる…。
一瞬、青空がひろがり、はるか遠くまで見えたような気がした…。
舞台上のannさんと真似をして、腕を高く伸ばしてみる。
音楽の力、歌の力を借りて、
音の高みの向こうの何かをつかみたいと思う。
青空を素手でつかんでみたい…
そんな気持ち。
舞台の上の彼女は崖っぷちに立っている…。
今日、観ていて、ふとそんな気がした。
崖の頂上のようなところ。
危なっかしさや不安なんて、まるで感じさせないけれど、
でも、大変なところに立ってるんだなと思った。
それでいながら、
パワフルでキュートな歌声をいっぱいの笑顔で届けてくれる。
決して崖のある下なんか見ないで、空を見上げてるから…。
客席のひとりひとりを見てくれてるから…。
そうして、あたしたちの気持ちを、歌声とともに、
上へ上へといざなってくれる。
いつもライブで
舞台に立つ歌い手さんや演奏者の人たちが
きらきら輝いてみえるのは、そんな危なっかしいところに立っているせいかもしれない。
舞台の怖さをまるで感じさせず、重力から自由になって…、
かろやかに音楽の世界でステップを踏んでいるよう。
やっぱりすごいなと思う。
歌と歌の間、ほんの一瞬、垣間見せる、
はにかみ、不安、照れ…。
そんな表情に、
彼女たち歌い手さんも、あたしたちとおんなじ、等身大の人間なんだなって思ったりする。
ちょっぴり身近に思えて、歌い手さんとあたしたちの距離がぐっと縮まる。
歌い手さんの「歌いたい気持ち」と、
聴き手の「歌を聴きたい気持ち」が響き合い、
一緒に歌を楽しもうという気持ちになって、会場にあふれる。
あんどりいらんど。の曲で、大好きなのは、
今日も最後に歌ってくれた、
「ぼくはピエロ。」
（初めて聴いた時のブログに書いた感想と歌詞をちょっぴり紹介）
「Thank you for anybody every day
どうしようもないこんな気持ちを
全部笑顔に変えるから
もう少しそばにいさせて」
この歌詞に、今日も深く共感しつつ、
「生きててもいいのかな」
という歌詞を、今日、見つけて、こんな言葉があったんだと、発見した気分になった。
ピエロの哀しみと切なさが、
この言葉と重なり合って、
ますます、心にしっくりきた。
(前半の半分聴けます。２分近く)
「あんどりいらんど。」さんの歌は、
どこか切なさがあって、歌詞にも独特の響きと世界があって
それがポップで、豊かなメロディにのって届けられ、
気持ちがほくほくする。
音楽映画やダンスの映画で観るだけでなく、
歌を、音楽を、直接、自分の身体で感じてみたくて、
29日、仕事が終わって、尼崎のライブハウスDeepaに足を運んでみた。
とても小さな会場で、舞台と会場（椅子なし）が、がちんこで向き合うよう。
照明は、歌っている人たちの後ろの方が明るかったりして、
表情がよくみえなかったりする時もあり、逆におもしろいと思った。
いろんなユニット、歌い手さんたちが集まるおもしろさ。
皆、毎日を懸命に生きてることだけは同じ。そこが共通の土台。
切ない思い、しんどい思い、いろんな思いを抱えた人たちが集まって
いっしょに同じ曲、同じ歌に耳をすませ、身体で感じる。
舞台で歌っている人たちの、歌う身体、踊る身体、演奏する身体に、
聴いている側の身体も反応する。
音に酔って、揺れる身体、足踏みする身体、手拍子する身体。
跳んで、はねる身体。
全身で歌い手さんにエールを送りたくなった。
音楽の世界を体中で感じた一夜。
ぜいたくな時間と空間と、今日出会った人たちに、ありったけの感謝を込めて。
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