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向田邦子さん再び~妹和子さんのエッセイ~

向田和子さんは、向田邦子さんの末の妹。
赤坂で、小さな小料理屋「ままや」を開いている。

図書館で向田邦子さんの本の横に、和子さんの本があった。
「かけがえのない贈り物 ーままやと姉・邦子」

向田邦子さんのエッセイには、
家族のことがたくさん書かれている。
この本を読んで、
邦子さんは、とても家族を大切にした人だと知った。

母や妹のことをすごく気にかけていて、
美味しいものを送ったり、食べに行ったり、
旅行に連れていったり、
母のマンションを探したり、
仕事に追われ、多忙極める中でも、
家族のためにすごく心を砕いている。

だからああいう、あたたかいエッセイが書けるのだなと思った。

しっかり者で、新しいものに敏感で、
決断力が早く、すぐ行動に移す。
自分の感覚を大切にし、くいしんぼで研究家、
なにより努力を怠らない。

昔、抜き書きした言葉が出てきた。

「わが家はデコボコがあったり、
すき間風が吹いたり、いろいろある。
だから考えたり、知恵を絞ったり、いたわりあったりする。
その中で、気づかされたり、教えられたり、
人のいたみをわかったりしていける。
何もなかったら、気がつかないで終わってしまうかもしれない。
そんな風に考えると、あまりイヤなことないでしょ。
何事も考え方や気持の持ちようでプラスになるし、
プラスにしていけるから面白いんだし、楽しい。
この家に生まれたのは、運がいいのよ。それを活かさなくちゃ」

これも、向田和子さんの書かれた本「向田邦子の恋文」からの引用。
邦子さんが母に語った言葉として紹介されていた。

昔肌の厳しい父親と思われるところ、
「運がいい」と言いきるほどに
達観している邦子さんは、すごい。

和子さんも、自分の考えを持った、しっかりした方で、
はじめは、喫茶店を開いていて、
邦子さんの勧めもあって、小料理屋を開く。
板前さんや人をつかって仕事をすることの大変さを感じると同時に、
人と人の絆、つながりに、人生の楽しみがあるのだなあとも思った。

「五十歳にして、新しいスタートラインに立つ。
いくつになっても捨てたもんじゃないと思う」
と妹に話した邦子さんは、
乳がんの後遺症で苦しまれ、それを機にエッセイを書き、
小説を書くようになったとのこと。

いくつになっても可能性はある。
まさに努力を重ねた邦子さんの言葉として、
胸に刻みたい。

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