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水俣の海と人の輝きをフィルムに焼き付けた人

つい先日、本ブログでもご紹介したばかりの、
水俣病患者さんのドキュメンタリーを多数、撮ってきた
土本典昭監督が昨日、6月24日にご逝去されました。
享年79才。

ドキュメンタリーの監督は、
インタビュアーやカメラマンとして、
声や姿が映像で伝わるせいもあるが、
たとえ写っていなくても、
作品に、自身の姿が現われるような気がする。

人間対人間の中で、
自分をさらけ出さないと、
相手から何かを引き出すなんて不可能だ。
監督の考え、ありようが、作品を通じてしっかりと伝わってくる。

私は土本監督は作品でしか知りませんが、
なんだかとても身近な気がします。
作品の中に登場する少年や少女にもとても親しみがわく。

こうして思い出すだけでも、
とても暖かい気持ちになるのはなぜでしょう。

優しさがないと、きっとドキュメンタリーなんて撮れないし、
土本監督は、きっととても優しくて、思慮深く、
我慢強くて信念の強い人だったのだろうと勝手に想像してみる。

土本監督が描きたかった、伝えたかった“人”“自然”の姿は、
まぶたにくっきりと焼き付いています。
慎んでお悔やみ申し上げます。合掌。
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コメント
 
 
 
ギュスターヴ・フローベールの「感情教育」 (ライリー警部)
2008-06-27 09:39:03
終わらない「感情教育」の試みとしての「映画」です。土本映画に終わりはない。
 
 
 
「感情教育」 (なるたき)
2008-06-28 01:44:17
ギュスターヴ・フローベールの「感情教育」 は初耳で、本の題名なんですね。
「感情教育」がどんなことをさすのか、なかなか奥が深そうですが、「終わりはない」というのは同感です。映像はもちろんとしても、インタビューで聞いているときの監督の暖かい声、忘れがたいです。
 
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