「ヨーロッパへの憧れ」の再燃を記したが、その憧れの内容は以前とはいささか異なっているようだ。
これまでの「ヨーロッパ」は、いわゆる「西欧」のことで、イギリス・フランス・ドイツなどの国々のことだった。
イギリスでいえば、ウィリアム・モリスなどの「アート・アンド・クラフツ運動」やカール・マルクスも通った大英博物館。フランスでいえば、フランス革命以来の華やかな近代史や印象派の絵画・フランス映画など。ドイツでいえば、バッハ・モーツァルト・ベートーヴェンなどのクラシック音楽やトーマス・マンの文学など。これらが関心の的だった。
それが、近年はやや関心の対象が変わってきている。
「ヨーロッパ」の起点は中世にあることを再認識したことが大きい。そして、中世とは、キリスト教とイスラム教とが共存し葛藤を繰り広げた時代で、その痕跡は、「西欧」だけでなく、周辺のヨーロッパ諸国にも数多く見られる。スペインのアンダルシアを旅して、このことを実感した。
中世の遺跡は、文字通り、ヨーロッパのいたるところにあり、私の訪れたところだけでも、スペインのアンダルシアのほかにも、ポルトガルのリスボン、チェコのプラハ、フランスのパリ左岸やシャルトル、オランダの田舎街、ドイツのケルン、などがある。これらの中世遺跡を訪ね歩くことは、「西欧」文化に触れることに匹敵する楽しみなのだ。
そして、中世への興味を引き出してくれた高校・大学の歴史教育に感謝する気持が大きくなった。 (2010/11)
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